#38 独立コンサルの苦境と、永遠に売れるものを探す意味
僕の住んでいる地域は田舎なので、いわゆるフリーのコンサルタントはほとんどいない。
地元でコンサルっぽいことをしているのは、業務領域を拡大したい会計事務所1社くらいのもので、コンサルを依頼したい人は大都市の会社に依頼していた。
そんな中、数年前にウチの会社から独立してコンサル事務所を開業する社員が出てきた。
普通、退職した後の再就職先は地元の会計事務所やその他の会社ばかりであり、コンサル事務所を開業する人間は初めてだったから、その選択は驚きをもって受け入れられた。
ウチの会社を辞めて会計事務所に入った元先輩と話した時
と言ったいた。まあ、その通りだよなと思ったものだ。
期待(?)に反して、独立した彼は好調のようだった。
まず、よろず支援相談所の相談員になり、ウチの地域全域を担当するようになった。市や商工会議所が開催するセミナーの講師もバンバン受けていた。
そうして顔と実績を作り、アドバイザリー業務をしているとも聞いた。
加えて、ものづくり補助金や事業再構築補助金の申請業務で儲かっているらしい。どこぞのセミナーで彼が「年収は〇千万円を超えてます!」と話していたからおそらく本当だろう。
シンプルにそう感じていた。
ところが、最近まったく彼の噂を聞かなくなった。
正直、彼は人から好かれるタイプではなく、積極的に関わりたいとは思わない。それはウチの会社にいた時から広く認識されている性質だった。
だから、ウチの会社から彼にトスアップすることはほとんどなくなっている。僕の部下も「あの人は…ねえ…」と言った感じだ。
関わりがどんどん薄くなり、彼の噂どころか姿も見えなくなった。姿だけではなく、影も見えないと言った感じで、まるで消滅してしまったかのようだ。
聞こえてきた話では、都市部に重点を置き活動しているらしい。それでこれまでより儲かっているのならいいが、拠点はこちらにあるのだし、どうもズレているように感じる。そもそも社是は「地元貢献」だったはずだ。
そんな彼と、先日コンビニでばったり会った。
挨拶だけして別れたが、頭髪は驚くほど真っ白になっていた。そのせいか、ずいぶん老けて見えた。
彼は、とても余裕があるようには見えなかった。
彼とは別の、地元独立系コンサルと先日面談した。が、どうも雰囲気が暗い。
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