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瞬間湯沸かし器的な私たちの日常を変えるかもしれない方法

「ほっとひと息、仏さまと猫まんが〜修行中のねはんねこ〜」へようこそ。
イラストレーター&ライターの【ねはんねこ】です。


のだな・・・・

昔、よく会社の上司のおじさまたちが言っていました。

「あの人は瞬間湯沸かし器だから」

「あの人はすぐに頭に来てカッとなる人。しかもすぐに口や表情に出す人だから、注意したほうがいい」という意味で使われています。
内心ムカついているけども言わない人の方が大人、トラブルにならないように立ち回るのが大人。
職場という閉鎖的な組織生活では、思ったことを撒き散らす人は面倒だと思われますから、このように言われます。

 しかし、実際には人はこういう一瞬一瞬の反応だけで生きています。すぐに外に出すか出さないかの差があるだけで、心の中は同じことが起きていますから、真の根本的な課題解決に取り組むしかありません。しかし、今すぐにでもとりあえず暴走を抑えることは重要です。考えなしに怒りのままにぶちまけるのでは即トラブルにつながってしまいますからね。

そんな時どうしたらいいのか?

仏教カウンセラー岡本一志先生が考案された「のだな・・・の法則」を紹介したいと思います。


1、とりあえず「のだな・・・」の法則を使ってみる

使い方は簡単。
何か事件が起きたら、とりあえず「自分はそのように感じているのだな・・・」と一旦自分の感情をうけ止めてみること。
例えば、冒頭の四コマ漫画のように、

「まだ食べてもいないソフトクリームが全て落ちてしまって食べられなくなったのだな・・・・」
「ああ、自分はもう泣き出したり怒りまくりたい衝動を感じているのだな・・・」

というふうに、いろんな物事に「のだな・・・」をつけてみましょう。

すると、一旦立ち止まることができます。
立ち止まって自分の感情をちょっとだけ客観的に眺められます。

だからといって落ちたソフトクリームは元には戻りませんが、
「落ちたソフトクリームが悪い!」「こんな不幸が起きたことが許せない!」とコントロールを見失って癇癪を起こす可能性は減ります。

自分の感情に「のだな・・・」
自分の対峙している状況に「のだな・・・」
をつけてみることで、瞬間湯沸かし器的にあっという間に感情が大きく揺れて、取り返しのつかない状況にならないように、少しだけ隙間を取り戻す。
これがとても大事なことなんです。


2、なぜ隙間が大事なのか

 では、なぜ隙間が大事なのでしょうか。
カチンときたり、ものすごく腹が立ったり、イライラしたりするときは、常に判断する間もない速度で感情がまずやってきます。

 人の心は非常に複雑にできていますが、この感情的な反射速度は1秒未満です。誰かの言葉や行動に対して、なんらかの反応が瞬間ごとに巻き起こります。腹が立って勢いで言い返したり、直球で投げ返したりして、トラブルになってしまう経験は誰しもありますね。あとでなんであんな事言ってしまったんだろうかと思ったりするものです。

 常になんらかの反応が巻き起こるのが人間。しかし、なぜその反応が起きるのか?について深く掘り下げないままに、単にムカついたとか傷ついたで終わってしまうと、次もただ同じ反応を繰り返すしかなくなります。
 その反応が他者に対する攻撃だと人間関係が悪くなりますから、だんだんと生きづらくなってしまいます。その自分に向き合っていくのには時間もかかることですから、今すぐ解決することではないかもしれません。
 でも、その間にもどんどん苦しみが増していくのであれば、とりあえずその苦しみが増えていく要素を減らしていくことが大事です。

 ほんの少しだけでも隙間があれば、今自分が取りうる行動の選択肢をいくつか思い浮かべてみて、そこから「なりたい自分に近づくにはどの行動をとったらいいのか」を選べるようになりますからね。
 すぐにできないかもしれませんが、練習すればできるようになります。だれだっていきなり最初から折り鶴が簡単に上手に折れた人はいないのですから。

3、自分の本心がよくわからないけどもとりあえず

 しかも、本人にはそれがなぜなのかわからない・・・ということが多いのです。「自分は正しい、間違っていない」という前提があるから、周囲によって傷つけられたとしか思えなくて苦しいのです。自分がこのようにムカつくのは、「他人が自分をそのような気分にさせたからだ」という前提が揺るぎなくあるのですね。
 いろんな要素があって、今の自分の考え方やものの見方ができています。簡単に解明できることばかりでもないし、一般的な努力だけで解決できることでもないのですが、それでも今すぐできることはあります。
 例えば、自分の本当の気持ちがわからない・・・という人は「自分の中に複数の本音がある」ということを受け止められない人が多いように思います。本音は一つしかないと思ってしまうと、どうやってもつじつまがあわなくなります。


4、とりあえず使ってみよう

 これまで生きてきた数十年???の自分の積み重ねを紐解くのは簡単ではありませんが、仏教的には「正見」ができるようになるとよいとされています。その一つの手段として、「のだな・・・の法則」を使ってみてください。
 日常的なちょっとしたすれ違いや関係の悪さを作ってしまう態度や言葉が減るだけで、苦しさが増えずに済みます。だって、ほとんどの人が職場に感じるストレスは人間関係なのですから。


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