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colormosaic
宝くじ魔法学校 / 毎週ショートショートnote
「ありがとうございました。」
最後の客を笑顔で見送った。
「卒業作品、全部売れたね。」
宝くじ魔法学校の卒業作品はもちろん宝くじだ。学生作品なので現金は当たらないけれど、時間になると購入者の欲しいものや必要なものになる予定だ。
「みんな喜んでもらえるかな。」
「ちゃんと魔法が効くといいね。」
無事に魔法が効いたかどうかは購入者から報告してもらう事になっている。もし望みの品じゃなくても福袋的な楽しさがあるとかで大抵は喜んでもらえるらしい。
後片付けを終えて帰ると妹が待っていた。
「私も一枚買ったんだ。」
妹が宝くじをひらひらと見せる。
「何になるかなぁ。」
時間までテーブルに宝くじを置いて待っているとクラッカーみたいな音がして宝くじは鏡になった。鏡には笑顔のお母さんがいる。
会いたい人に会える宝くじ。私の魔法だ。
二人とも泣きながら話しかけ、昨年亡くなった母は笑顔で頷いていた。
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