コロナについて
病院に勤務しているわけではありませんが、頻繁に病院に出入りします。
1か月のうち20日ほど病院へ出張の月も珍しくありません。
病院を近い存在で「他人」という立場で見ているため、今の病院の異常さを痛感しています。
今起きている病院での「異常」を3点ほど書き出してみたいと思います。
様々な病院に行く機会があり、1つの病院だけではなく全国各地の病院に伺っているため、全体的に多い傾向にあるものを書き出します。
◆マスクが入手困難
コロナにかかっていると分かっている患者の相手を直接しないといけない、医師・技師・看護師でさえマスクを潤沢に使用できません。
病院のマスクの箱には「1人1日1枚まで!!」と大きく書かれているところがほとんどです。
マスクの箱がない病院もあります。
部門にマスクの箱がない病院は、マスクは「配布制」とのことでした。
数日に1回の配布(病院のどこかに本人がもらいに行くそうです。)で、中のガーゼのみ毎日取り換える運用の病院も珍しくはありません。
私の仕事は200~300床(ベッドの数)以上の大規模病院がほとんどです。
大規模病院は国営の病院が多いものの、それでも入手が難しいのです。
大規模病院には基本的にコロナ患者がいます。
いるとわかっている状況でマスクが1日1枚使えない病院もあるのです。
◆コロナ患者用の特設処置用テント
感染症指定医療機関以外でも大規模病院ではコロナの患者さんが連日多く運び込まれます。
コロナ患者が増えることで今問題になっているのが「場所」です。
感染症指定医療機関であれば、感染症の患者を隔離しながら診察・経過観察する設備が備わっています。
(といっても今回の場合は数は圧倒的に足りてはいませんが。。。)
感染症指定医療機関には厳しい国からの基準があり、換気性(ウイルスがずっと滞在し続けない環境)と密閉性(ウイルスを他人に移さない環境)が整っています。
しかし病床の足りない現状では、感染症指定医療機関はおろか、他の大規模病院でさえも患者があふれかえっている現状です。
そこで各大学病院では現在「特設テント」が設置されています。
詳しくはどのような患者が対象で、どのような診療の範囲をテント内で行っているのかは不明ですが、日ごろ病院に出入りしているものから見ると「病院の敷地内に真っ白なテントがたくさん建てられている」という風景は異様です。
従業員や業者出入口では防護服に身を包んだ人がビニールをかぶせた担架で人を運んでいる風景も見ます。
悪い言い方にはなりますが、最初にあの風景を見たときは世紀末かと思いました。
◆精神的限界
正直、近年医師の年収はきっと一般の方が思うほど高くありません。
看護師も年代の平均年収に比べれば高いと思いますが、労働に見合っていない現状です。
ただ、医療に従事される方は「命を助けるし仕事」に誇りとプライドを持って働いでいます。
宿直なども多く、日ごろから身体的にかなりハードですが「人の命を守りたい」という気持ちと心意気で働いている方がほとんどだと思います。
(「給料がいいから」という理由だけで医師・看護師などはなかなか続けられないと思っています。)
現場の一番のストレスはきっと「休みたくても休めない」という現状
大規模病院は基本的に24時間365日営業のようなものです。
コンビニ営業をしながら命を救っているのです。
さらにこんなご時世のため休むに休めません。
自粛なんて仕事においては全く関係ないのです。
病院の勤務にテレワークなどありません。基本的に家でできる仕事はありません。
私もSEとはいえ医療に携わっているため、相変わらず病院に出向いて働いています。
「このご時世でも収入が減らない」というのはうれしいですが、反面「病院に出向きたくない」というのも本音です。
私のような直接コロナ患者とは関係のあまりないSEでさえそう思うのです。
医師・看護師の、コロナ感染のリスクを最前線で受け入れながら、休みなく働く恐怖とストレスは計り知れないものだと思います。
「収入が減ってしまった方に手当てを」という意見には大賛成ですが、加えて「このようなパンデミックの中、働いてくれている医療従事者にも手当てを」と思います。
病院はフル稼働し、出勤も増え、医療関係者は身体的にも精神的にも免疫が確実に下がってきています。
そこでコロナが院内感染なんてしようものなら、更に従事人数が減り、残りのスタッフの負荷が多くなってしまいます。
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少しでも多くの方に医療現場の現状を知ってもらいたいと思い、この文章を書きました。
つたない文章ですが、少しでも多くの方に医療現場の現状を知っていただければ幸いです。
同時に、医療現場を応援しねぎらって下さる方が多くいらっしゃることに感銘を受けています。
以下は賛否両論あるかと思いますが私個人の考えです。
あくまでコロナにかかっていない今の私だから思えることだとは重々承知なのですが、
もし、早かれ遅かれコロナが日本に訪れる予定だったのであれば、モノと思いやりが満ち溢れ、人をねぎらえるこの時代でよかったのかもしれないと思っています。
「戦時中などの物のない時代でなくて良かったのかもしれない」、「新しい働き方」を模索している時代でよかったのかもしれない」、と少し思っています。
コロナで大切な人を失われた方の心中お察しいたします。
私には到底計り知れない苦しみかと思います。
早く1人でも多くの方が救えるようになりますように。
早く家族や友人と気軽に笑いあえる日々が戻りますように。
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