夏野菜の思い出
私の家には畑があります。今は亡き祖父が遺した畑です。主に母、父がそこで農作業をしますが、私の関心事はいつも畑に来る虫で、観察し、写真を撮り、名前を調べ、そしてその虫の絵を描きます。
私にとっての畑の印象はほとんど虫とのふれあいですが、野菜に関して言うと、今年の夏、人の顔のようなピーマンがとれたことが印象的でした(冒頭の画像です)。
しかめっ面をしているような、面白いピーマンでした。私はこのピーマンがとれてからしばらくの間、この画像を思い出して笑っていたものです。
そのような夏野菜でしたが、10月には元気がなくなってしまい、ピーマンも青枯れ病(病気の一種)でなくなってしまいました。我が家の夏野菜は、こうして10月の間にその時期を終えました。
ところが、私の祖母も畑を持っており、そこでは今日まで夏野菜が実をつけていました。その畑では今年の9月も、ツヅレサセコオロギの幼虫などを見ながら祖母とナス・ピーマンの収穫をしたことがあったのですが、その時も合わせてバケツ2杯分ほどの収穫がありました。
私は今日、大学の授業を受けるために上京し、アパートにいて量子力学の問題を解いていたのですが、その時祖母の家で農作業をしていた母からLINEで「夕方、裏の畑に行ったらピーマンが大豊作でした!」とメッセージが入りました。続けて、数枚の写真が送られてきました。
また、同じ祖母の畑では、ナスもとれたとのことでした。
これを見た私は興奮しました。あの時は9月でしたが、深まる秋ももう11月。それなのにここまで見事な実をつけてくれたとは!
すぐさま私は母にLINEで次のように返しました。
夏野菜 深まる秋を 生き抜きて
たくましかりき 今日は豊作
歌というのは不思議なもので、強い情動を感じた時はこのような短歌がすぐに浮かんできました。その後、母からも高評価のコメントをもらうことができ、とても嬉しくなりました。
今年は、しかめっ面のピーマンや11月最後の大豊作など、夏野菜に様々な思い出ができた年でした。来年の夏野菜も楽しみにしつつ、これから始まる冬についても、寒いからこそ一層味わえる温かい食事や、クリスマスやお正月などの行事、一度眠りについて虫や緑のなくなる自然界などに思いを馳せ、楽しんでいこうと思います。
最後までお読みくださり、ありがとうございました!
ねこっち
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