二十四節気「冬至」

 僕はたなか猫汰。このふざけた名前は無論本名じゃない。俳号なんだ。
 かれこれ十年前、伯母が勝手に俳号を決めたんだけど、僕はずっと知らんぷりしてきた。(あ、僕の伯母は「俳人」なの)この度、思うところあり、「作句を始めてみた」ということです。
「思うところ」の詳しい事情はいつか話すかもしれないけど、かいつまんで言うと、今年になって僕の暮らしにちょっとした変化があった。それで、僕も年齢を実感したんだよね。人間の年齢にすると、伯母やママを超えちゃったし。
 伯母のやってる小さな俳句会で、ある方が「高齢者のお定まりの趣味といえば、陶芸か蕎麦打ちか俳句と言われている・・・」と、合同句集のエッセイに書いたって、伯母が笑いながら「そう、そう」と褒めていた。それで僕も俳号のことを思い出したの。

 「俳句という文芸は伝統文化だからね」って、伯母がママにしょっちゅうビデオ通話で話してる。ママと伯母は伝統文化がめっちゃ好き。あ、僕のママは日本の伝統装束や和裁のお勉強をしていて、今は着付けを教えてもいる。マナー教室の先生でもある。着物を着てお出かけすることもたびたびあるよ。僕はママの着物の上でお昼寝するのが大好き。高級な絹の足触りって最高だもん。見つかると叱られる。でも、普段のママは優しくて可愛い。僕の自慢。

 ごめんごめん、話が逸れちゃった。自慢のママのことや他の家族のことはいずれゆっくりね。
「作句をはじめてみた」ということで、僕の俳句を発表します。

 今日は二十四節気の「冬至」。それに合わせたように、たなか家ではご近所さんから南瓜をいただいた。こんな感じ↓

なかなかな面構えの南瓜でしょ

 ところで、俳句って知ってる? 
 念のために説明するよ。伯母の受け売り情報によると、俳句の約束事はいたってシンプル。五七五の十七音で作ることと、季節の言葉「季語」を一つ入れること。基本はそれだけ。これを「有季定型」っていうんだ。
 この句の季語は「冬至カボチャ」。もちろん「冬至」だけでも季語になります。他に冬至の日、冬至近し、冬至寺、冬至粥、冬至蒟蒻、冬至風呂(柚子入れるよね)。一陽来復なんてのもある。これは、伯母が昔から使っている角川書店の「新版季寄せ」に書いてある。
 ネットでも季語はいっぱい探せる。だけど、伯母のおすすめは、まずは季語がいっぱい載ってる本、「歳時記」とか「季寄せ」を手許に置くことだって。ネットで探すのも良いけれど、歳時記や季寄せの最も素敵な探し方は、実際に本屋さん(最近少なくなっちゃったけど)に出掛けて、俳句コーナーの棚にある歳時記や季寄せを手に取って、中を眺め、「な~んかしっくり来る」って感じたのを、まずは1冊買うことがおすすめだって。重くなく、見やすくて、手に馴染むものが良いんじゃないかな?って言ってます。

 じゃあ、また。次回は二十四節気「小寒」のころね。バイバ~イ。猫汰

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