マガジンのカバー画像

しほのショートショート

8
2000字までの小説を載せています。一駅程度で読めるものをイメージ。不定期更新。
運営しているクリエイター

#日常

絶景傘|掌編小説

絶景傘|掌編小説

窓に雨音が当たる音が目覚まし代わりになった。針のように痛く、それでも、私自身にはぶつからない距離で起っている。こんな憂鬱な季節はいつまでつづくのかな。

そう思っていると玄関のチャイムが鳴る音がした。夜な夜な、通販で頼んでいたことを思い出して、さっきまでの鬱々とした気持ちが吹き飛んだ。

布団を蹴飛ばしてスキップまでしちゃって、インターホンに応答する。

「お届けものでーす」

いつぶりだろう。こ

もっとみる