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しほのショートショート

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2000字までの小説を載せています。一駅程度で読めるものをイメージ。不定期更新。
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#超ショートショート

にばんめ

私はいつもここで静かに待っている。
ここは空っ風がよく吹く。
私の定位置。

私はいつも”にばんめ”だ。
あの子はいつもフリフリやリボンのついている可愛い服を着させてもらっている。羨ましい。私はお下がり。でもそんなの着てやらない。私にだってプライドがあるの。

1番はあの子であの人はいつも選んでくれない。だが、それは決して無視されてるわけではない。眼中にも入れてないのだ。悲しいなんて思っていな

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彼捨離

「今までありがとう。」
いつも通りの笑顔でいる。ただ違うのは大きな黒いリュック。あたしがあげたいつものカバンじゃなくて、黒のリュック。さっきまで和やかだった空気が一気に凍り付いた。今日の晩飯はローストビーフなのに。この2人分のローストビーフはどうすればいいいの?
「どういうこと?」
本当はここで怒鳴って問い詰めたかったが、こうも当たり前のように言われると言い返すことなんて、できなかった。
「えっと

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