「国の借金」で政府は破綻するか

「国の借金」という言葉は誤りです。
まず、国と政府を区別しておきましょう。

国体の概略

政府はその資金調達のために、自らの負債である国債を発行します。この負債が「国の借金」と呼ばれていますが...。正しくは「政府の債務」です。
国債とはどういった金融商品なのでしょうか。

定期預金とは、預け入れから一定期間お金を引き出せない預金のことで、一般的には普通預金よりも金利が高く設定されています。(ソニー銀行公式ブログより)

はい、国債はこれです。貸す側にとっては、定期預金なんですね。
満期がきた国債は、基本的に自動継続(償還)されます。政府が利子を乗せて再発行するのです。
では、解約したい場合はどうするのでしょうか。
定期預金を解約した場合は、普通預金口座へ振り込まれますが、国債は国債でしかありません。
ですので、手放すときは国債を金融市場で売ることになります。

では、

国債が売れなくなる=政府の資金調達ができなくなる

ことはあるのでしょうか。
日本国債には最強の買い手がいます。日銀です。
国債がすべて売りに出されたとして、日銀は自らの預金を発行し、すべてを買い取る能力があります。

国債保有者のコピー

(グラフは政府資料より)

日本国債はすべて日本円建てなので、売りに出された国債を日銀が全額買い取った時点で解決です。
(海外が保有する日本国債80兆円についても、海外の保有する円だそうです。このへん、あまりよくわからんけど。最悪、モノやサービスでの返済になるのかな。要勉強。)

また、超重要な概念として、日銀は政府の子会社です。会計上、政府と日銀は同体であるのです。我々はこれを統合政府と呼びます。
つまり、統合政府は、自分自身に借金をすることによって貨幣を発行することができ、その額にも何ら制約はない。貨幣とは、そもそもが茶番なのです。
その貨幣の価値を保証するものについては、また別の記事で。

まとめ
①金融機関は国債などの債権を長期保有し金利を稼ぐものであり、積極的に手放さない
②海外保有ぶんも返済し得るものである
③日銀の円による返済能力は無限

以上から、政府と日銀が健在であるかぎり、日本政府の債務不履行はありえないと断言できるのです。


参考リンク 2分で国債発行してみた


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