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アメリカに来て変わったあれこれ(5選!)

アメリカに来て、4ヶ月が経ちました。

無事ひとつもドロップすることなく、春学期を終えることができそうです!(留学中に授業の単位を落とすと即帰国させられます😇)

今回は、アメリカに来てから私の中で変化したあれこれをまとめてみました!

①メンタルヘルス

やっぱり、一番衝撃的だったのはアメリカのメンタルヘルス事情かな。

私がアメリカで出会った人は、ほぼ何かしらの精神的な障害を抱えていて、メンタルヘルスを受診しています。

しかも、「自分はこういうメンタルイルネス(mental illness/ mental disorder/ mental decease)を抱えています」っていうことを、普通に会話の中で語ってくれます。自己紹介並みに自分の精神状態とか、どういうことで不安を感じるかをオープンに語る文化であることを感じました。

個人的な話の暴露になっちゃうけど、アメリカで出会ったお友達は以下の症状を持っていました。

・すぐ緊張しちゃったりカッとなったり、気分のコントロールが難しい
  → 薬を処方されたけど、マリファナやお酒の方で気分を和らげている
・Alchol abuse(アルコール依存症)で、飲む量をコントロールできない
・Eating disorder(拒食症)とPanic disorder(パニック障害)を抱えている
・Bipolar depression(双極性うつ)
・Adjustment disorder(適応障害)
      → 私もこの診断を受けました。(ホームシックとかもこれに当てはまる)

こういう風に病気の名前は付いているんだけど、症状としてはすごく軽いんだと、見ていて感じます。日本でいう「お前絶対アル中だよー」とか「食細いんだね」で片付けられるレベルなんだけど、それをちゃんと病気として保険をかけて治療ができる環境。
私個人の意見としては、「あなたは病気です」ってお医者さんに診断をもらえた方がいいんじゃないかなと思います。「私って鬱なのかな?気にし過ぎなだけかな?」って1人で不安にもなるし、ちょっとした精神の不調から病院を受診できる環境が望ましいかなって思っています。
日本だと自分が病気、特にメンタルヘルスに関する病気であることは隠そうとする「恥の文化」が厄介だけど.....。

私は去年、コロナの蔓延が始まって、大学もオンラインになって、就活、留学の準備、大学の課題、アルバイトを全部平行してやらなきゃいけないっていう状況に立たされた時に、今まで生きてきた中で最悪の精神状態になりました。いっぱいいっぱいになっちゃって、深夜の駅のホームで最終電車を待ちながら嗚咽して泣いたり、過去のトラウマに関係する夢を見て自分の泣き声で起きたりとか。そういう状態が続いて、さすがに友達や家族に相談して解消されるレベルじゃないし、一回ちゃんとプロの人に見てもらおうと思って、病院を検索したんです。見つけた病院のサイトを見たら、「30分5万円」って出てきて。日本だとうつ病認定されないと保険がおりないらしく、超超高額な値段を払わなきゃいけないことがわかりました。たしかにすごく辛い状況だけど、「30分5万円」ほどかと考えたら、そこまでの値段は出せないなと断念しました。

アメリカでは、もちろん保険が降りて何回でも保険の適応期間中は無料で受診ができます。「無料ならちょっとモヤっとしていることを相談してみようかな」とか「最近眠れないな」くらいの相談もできる、ハードルが下がるなって思いました。ちなみに私が入っている海外保険は一回目の受診から300日間の適応が認められています。薬代や病院に行くまでのタクシー代も全部負担してくれます。大学の保険にも入っているので、どっちの保険を使うかは病院の人と相談しながら決めました。

アメリカで診断を受けると、うつ病に限らず、HSPでもADHDでもdisabilityの申請が貰えます。その証明があれば、大学の試験の時間を倍にしてもらえたり、dropしたときも保障が受けられるそうです。

日本であれだけメンタルヘルスに悩まされた私としては、この制度が日本にないのは本当に大きな問題だと思いました。「地雷メイク」とか「スト缶」、「病んでる」っていう簡単な言葉で片付けずに、治療ができる場所と時間と保証があるべきだと強く思っています。

私が日本でセクハラを受けたことをアメリカの友達に話したら、「カウンセリング受けた?」って普通に聞いてくれました。ここでもやっぱりカウンセリングっていうワードがつながってくるのか!ってすごくびっくりしました。日本でセクハラされたって相談して、カウンセリング受けなっていうアドバイスが返ってくることなんてそうそうないですよね。専門的なところに相談できずに正しい知識がない(知識がなくて当たり前な)友達に話すと、victim blaming(被害者批判)のセカンドレイプにも繋がっちゃうなって思いました。
私もセクハラを受けた時に友達から「セクハラを受けるくらい女性的に魅力があるんだよ、羨ましいくらいだよ」って言われたのが辛かった......。

アメリカにいる間にちゃんと診療を受けてトラウマを克服したいなぁと、今は週に一回1時間のカウンセリングを受けています。

初めは、熱もないのに自分の体調(精神状況)について伝えるのがすごく難しかったです。「不安ある?」って聞かれて、自分の中にある不安をわざわざ探る感覚?が最初は慣れなかったです。

今はちょっとした違和感を話して、そこから「昔の経験が原因にあるね」とか「これからのもっと大事な場面で同じようにならないように改善してみよう」って、自分で話しながら気づくこともあるし、先生からもアドバイスをもらえて、どんどん深い話になっていく感じです。

毎週、宿題も出て。一回目はnoteにも書いた「オオカミさんに手紙を書いてみよう」、今週は「worse-case scenario(ワーストケースシナリオ=自分が一番恐れているシチュエーションを想像して書く)」っていう宿題が出ました!

アメリカの心理学は日本より30年進んでいるらしいので、その違いも面白いなって感じています!

次!

②ジェンダー・人種問題

この2つは、春学期の授業で履修しました。

ジェンダーの授業は、日本の大学でも受講していたのですが、内容が違いすぎてびっくりしました。

出てくる単語の量が違いすぎる!

日本で受けた授業では、LGBTQ+それぞれの名前と定義は教えられず、ただトランスジェンダーの方のドキュメンタリーを見て感想を書くという授業でした。(私の大学がジェンダーに弱いのかもしれませんが......)

アメリカで受けた授業では、Sex とGenderの違いを扱う中でsexの中でもintersex people(インターセックス)やgenderの中でもandrogyny(アンドロジニー)についても丁寧に詳しく学びました。

大学の授業の一個で基礎的な単語からしっかり教えてもらえるのは、日本で私が受けたジェンダーの授業との差もあってすごく驚きました。

他にも、gender identity、gender expression、sexual orientation、preference for romantic partnersなど、教えてもらえるジェンダーに関する単語量の違いに驚きました。

Gendered violence(ジェンダーに基づく暴力)について学んだ時も、こんなに細かく名称がついて行為が分けられているんだと驚きました。
私が勉強した教科書ではGendered violenceの例として7つ、挙げられていました。

① Gender Intimidation(intimidation = 脅し)*以下が含まれる
  Street Harassmentとも呼ばれる
 ・groping(痴漢)
 ・stalking (ストーカー行為)
 ・sexist comments (差別的な発言)
 ・publicly masturbating in someone's presence(直訳:公での自慰行為 = 公然わいせつ罪に当たる行為?)
② Sexual Harassment(セクシュアル・ハラスメント)*以下が含まれる
 ・Quid Pro Quo(代償的セクシュアルハラスメント)
  → 昇格するために性的関係を強要するなど(加害者が被害者より立場が上)
③ Hostile Environment(敵対的環境)
 → 性的関係の強要ではなく、職場関係で発生するハラスメントを示します。
  言葉又は行為により、仕事を妨害すること
④ Sexual Assault(性的暴行)  *以下が含まれる
 ・Rape(レイプ)
⑤ Intimate Partner Violence (パートナー間暴力 ≠  家庭内暴力?)
⑥ Genital Surgery(性器手術)*以下が含まれる
 ・Male circumcision(男性割礼)
 ・Sunna (女性割礼)
 ・Excision or Clitoridectomy(切除・陰核切除)
 ・Infibulation (陰門封鎖)
⑦ Gendered-Based Murder  (直訳:性別に基づく殺人)
 →何百人もの女性が出生前、出生後に殺されている
  選択的に女性胎児を中絶 / 体外受精前に性別を選択
  アメリカでは毎年1460人の女性が殺害されている

性犯罪がメディアで取り上げられた時も全部「セクハラ」で一括りにされている日本を見ると、ジェンダーの観点でも遅れているのかなって思いました。

メンタルヘルスに関して、きちんと病名がもらえることの重要性と同じように、ちゃんと定義された言葉を知る、知識を増やすことが本当に大切だなと考えています。

Ego Boundary(自我の境界)という言葉を学んだ時に、私自身がすごく救われました。Ego Boundaryというのは、Feminie identity(女性的なアイデンティティー)を持っている人はMasculine identity(男性的なアイデンティティー)を持っている人より、他人との境界が曖昧だとい説です。例えば、女性は意見より共感を求めるとか、女性は人に共感しやすい、母親が自分の子どもを分身のように育ててしまうなどなど。原因としては子どもの頃から男性は「男の子なんだから泣かないの」と言われ育ってきて、自分の感情を表に出すことが良しとされてないとか、女性が友達と距離を縮めるために自分のプライベートな感情の話をよくするとか、そういうことが関係しているらしいです。

私はすごく人に共感しやすいタイプで、それは自分が弱いからだって思っていたんです。友達の失恋話を聞いたら私自身が振られたくらい悲しくなるし、自分の精神が落ち込んでいる時はあえて人からの悩み相談は受け付けませんっていうスタンスを取るくらい、感受性が強いとかそういう言葉で片付けていたんです。でもこの単語を学んだことで、それって女性的なアイデンティティーを持った人、女性として育てられた人にとっては多くの人がそうなんだって思えて、別に強くなって変わろうとしなくていいんだって思えました。

人種問題でいうと、アメリカに来て、初めて自分がアジア人というマイノリティー側になったことでより理解できるようになりました。

例えば、違う州に旅行に行くってなったら、私はまず今年の選挙でその州はバイデンが勝ったか、トランプが勝ったかを確認します。もしトランプが勝っていたらアジア人差別のリスクが高くなっちゃうので警戒しなきゃなって思ったり。

友達に夜、飲みに行こうと誘われても、<みんな>がやっているから大丈夫じゃなくて、<アジア人の女性>としての私がやっていいことかっていうのを考えなきゃいけないっていう風に教えてもらいました。

私がぽろっと「ニューヨークのセントラルパークで朝ランニングがしたい」って言ったら、セントラルパークは黒人を追いやって作られた場所だから、実はこの発言はレイシズムに取られてもおかしくないよって指摘されたり。無知であることが命取りになる、誰かを傷つけてしまうし、自分も攻撃の対象になってしまうということを学びました。

肌の色が違うっていうだけでこんなにも差があるのかと実際に生活してみても感じることが増えました。

私が住んでいるロサンゼルスは人種がミックスされている方なんだけど、コミュニティーカレッジ(二年制の大学)やRalph(お安いスーパー)では白人の人はあんまり見かけないんです。でもディズニーに行くと一気に白人の数が増える。そこから、同じ地区でも白人の人とは生活圏が違うのかな?、白人の人は4年制大学に行くのかな?とか考えるようになりました。

トランプ政権の移民対策のせいで、ラテン系(特にメキシコからの移民)の人が差別の対象になっていることが問題視されているけれど、それでもやっぱり黒人の人に対する差別、教育格差、貧困格差、コロナの死亡率は断トツ多くて。

黒人のルームメイトが教えてくれたんですが、友達とかと集まって飲むときは乾杯をした後に一杯お酒を、道や床に捧げるらしいです。警官に同じブラックが殺された、犠牲者への追悼の意味を込めるらしい。

③抗議することの意味

私は本当に今まで甘い考えで生きてきて。日本にある部落差別について「なんで教えるんだろう」って思っていたんです。「えたひにん」について歴史として学ぶ必要はあるけれど、この地区が部落で、そこの出身の人が公演を開くとか。私はその人の話を聞いて初めてそこが部落だって知るし、知ったらその近くを通るたびに「ここは部落なんだ」っていう意識が生まれてしまった経験があったんです。もしその公演を聞かなかったら何も感じず、考えずに生活できたのになって。「何も感じず、考えず」が差別をしていないっていうことだと思っていたんです。

でもそれは間違っていて、ブラックの人が生活の中で慣習として、差別されてきたことを受け継いでいることに何よりの意味を感じました。

知らないっていうことは無かったことにしているわけで、無かったことにしているのも差別行為の一つだと思うようになりました。

だから、やっぱり知らなきゃいけない。

④自分の意見を持つこと

アメリカでは、自分のメンタルヘルスに関してもそうだし、差別についても私に教えてくれた後に、絶対「あなたはどう考える?あなたの意見は?」って聞かれんです。

受動的に教えてもらって終わりじゃなくて、それを粗食して理解した上で、じゃ自分はどういう意見を持っているのかを提示することが求められるんですよね。

アメリカに来てすぐ、なかなか自分の考えが言えなかった時に「whatever you answer, these are correct,  just you find evidence.」という言葉をかけてもらいました。「どんな答えでも正しい、けどただなんでそう思うのかの証拠も見つけてね」。日本でライターの勉強をしていた時に死ぬほど言われていた言葉でもあるんですけど.....。アメリカの人は日々の生活の中で当たり前にそういう思考で生活してるんだなって思いました。そういう考え方を幼稚園、小学校から学んできているってすごく強みになるなって感じました。今からでも遅くないはず!!!頑張ります......。

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知識を増やすことで、人を傷つける可能性を低くすることができるし、自分自身も守れるんだなって改めて思うようになりました。アメリカに来た一番の理由は英語を話せるようになることももちろんだけど「知識を増やす」っていうことが一番の目的なんです。

文字起こしのお手伝いをさせてもらった時に自分の知らない単語は聞き取れないんですよ。音量とか滑舌の問題じゃなくて。自分の知識不足のせいでクオリティーの高い文字起こしができなくて。英語も専門用語も、ことわざも言い回しも、私が知らなすぎることに気づいて。英語を伸ばしたいなら語学学校に進むこともできたけど、学問、社会問題を学びたくてカレッジを選択したので、いい4ケ月を過ごすことができているんじゃないかなって思っています。

⑤映画の見方(おまけ)

アメリカの人ってめっちゃ映画見るんですね!私のホストファミリーがよく見る方なのかな?アメリカに来てから映画を見る量が格段に増えました!月10本以上は見ているペースです。時間もあるし、ホストファミリーとも一緒に見るようになったっていう理由もあるんですが、アメリカに来てから洋画が15倍くらい面白く感じるようになりました!

日本にいた時に洋画を、例えばラブストーリーの話を見ても、カップルが全然謝らなくて、「早く謝ったらいいのに!」とかもう別れているのにハグしたりキスしたりしていて「なんで!?」ってなってたんです。

でもアメリカに来て、アメリカ人の<謝らない文化>を知って、違和感を覚えることがなくなりました。アメリカで「I'm sorry」は日本でいう土下座レベルらしくて、本当に申し訳ないことをしない限り言ったらいけないって教えてもらいました。日本人は謝りすぎているらしい。

あと、アメリカは州によって生活スタイルとか文化も違うから、映画の舞台になってる州について調べると話のちょっとしたカラクリに気づけるようになりました。

オレゴン州が舞台になっている『To All the Boys I've Loved Before』では、主人公の韓国系アメリカ人のために恋人がヤクルトを買いに行くんです。でもオレゴンは白人の人口が多い州でアジアンフード店も少ないから、遠いところにわざわざ買いに行くくらい2人の距離が縮まっているんだなっていう見方ができたりとか。

『Marriage Story』でPalm Springsっていうロスの町の名前が出てきて。このパーム・スプリングスはゲイの人が多く住んでいる町なんです。建物も新しいし、綺麗な町で治安も良くて住みたい町ランキング上位の町なんですけど。

離婚しようとしている娘夫婦に、離婚に反対のお母さんが「パーム・スプリングスに行きなさい。私とお父さんはそれで仲を修復したから」って言うんですけど、お父さんがゲイだったのが離婚危機の原因だったって言う小ネタがあったり。主人公の2人は離婚してニューヨークとロサンゼルスのどっちに住むかっていう話し合いをする中で、正反対の雰囲気を持つお互いの都市を「ロスの人間は歩かない」とか罵倒しあうシーンも、住んでみて親近感といういうか「わかる〜」って楽しめるようになりました。

日本帰るまでに100本は見るゾー!!!!

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