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まともにスポーツ観戦すらしたことなかったオタクがe-Sportsの大会をシーズン通して観戦してみたらドハマりしてしまった話(ロケットリーグ/RLCS 2021-22)

はじめに①:筆者紹介とロケットリーグについて

著者近影(?)

はじめまして。Nekorukaと申します。
趣味がPCゲームのごくごく普通のオタク社会人です。
今回はあるゲームを趣味でプレイしていた私が「そのゲームの試合の観戦」という新しい世界に出会ってしまった経験についてお話させていただければと思います。
初投稿のため拙い文章になりますが,お付き合いいただければ幸いです。

 私は「ロケットリーグ」というゲームにハマっておりまして,時には友人とワイワイ対戦したり,時にはTwitchで配信者の真似事をしてみたりと,自分なりに楽しみ方を模索しながら約3年間で2500時間ほどプレイさせていただいております。
 自分のゲーム人生で4桁時間もプレイするゲームはこれが初めてで,プレイ時間を見るたびに自分自身が驚いているような状況ですが,まだまだ飽きる気配はないとても魅力的なゲームです。
(ただし,今回話題にする「観戦」に関してはまだまだ不勉強なので,以降の内容に誤りがあればご教示いただければ幸いです…)

ロケットリーグのゲームロゴ。

ロケットリーグは日本ではあまりなじみがないタイトルかもしれませんが,一言で説明すると「空飛ぶラジコンカーでサッカーするゲーム」です。
リリースは2015年,ゲームジャンルは「スポーツ, アクション, ドライビング/レース (PS4製品サイトより引用)」です。

詳細なルール説明や有名なテクニックなどは他の方も色々記事にしておられるので割愛しますが,ゲームの理解に外せないルールを列挙すると,
 ・1試合「5分間」(同点の場合は1点先取の延長戦)
 ・大会では「3人 対 3人」の試合がスタンダート
 ・Playerはレースゲームのように3人称視点で1人1台の車を運転する。
 ・車はブーストという燃料を使って加速したり空を飛んだりできる
 ・加速して敵に当たると車体を破壊できる(ファール等は一切ない
 ・残り時間0秒になってもボールが地面につくまでは試合が終わらない
といった内容になっており,
 個人的には「5分間」という短さから気軽に遊べる(観戦できる)ところや,「ボールが地面につくまでは試合が終わらない」という特殊なルールから多くのドラマが生み出されているところが魅力的に感じています。

(※もっと知りたい方は例えば↓の記事などが良いかもしれません)

 このような競技性の高いルールから,いわゆる「e-Sports」のカテゴリに属したゲームとされており,最近”ZETA Division”の世界大会の活躍に沸いた VALORANT などのFPSゲームや,古くから日本勢活躍が知られるストリートファイターなどの格闘ゲームと同じような界隈が広がっていると捉えていただくとイメージしやすいかもしれません。

はじめに②:RLCSと2021-22シリーズについて

RLCSのロゴマーク

 今回私が観戦したのは,このロケットリーグの中でも世界最高峰の大会である「RLCS (Rocket League Championship Series)」という大会です。

 2016年から長く続く由緒ある大会であり,今回はRLCSの中でも11回目のシーズンである「RLCS 2021-22」シリーズでした。大会は2021年の10月~2022年の8月まで10ヶ月間にもおよぶ長期の大会で,8地域の地域大会+3度の季節世界大会(Sprit Major)+チャンピオンシップがありました。

 8地域の地域大会は,EU(欧州)・NA(北米)・OCE(オセアニア)・SAM(南米)・MENA(中東+北アフリカ)・APAC N(北アジア/日本はここ)・APAC S(南アジア)・SSA(南アフリカ)に分かれています。
 3度の季節世界大会は秋(Fall Sprit Major)・冬(Winter Sprit Major)・春(Spring Sprit Major)です。

全体スケジュール。NAとEUしか書いてないですが全体の流れはどの地域も一緒。
(公式サイトより引用)

 各Splitはさらに3つの地域大会(RegionalEvent1~3)に分かれ,結果に応じてPointが付与されます。各Split内で稼いだPoint数に応じて各地域の上位チームがSprit Majorへの出場権を獲得する仕組みです。Sprit Major出場チームは結果に応じてさらに追加のPointが付与されます。
 全てのSpritを経て,各地域で最もPointを稼いだ計24チーム(※)が最後のチャンピオンシップ(以後,CS)への出場権を獲得します。
 (※単純計算だと各地域3枠ですが,EU・NAが古くからの強豪というのと,各SplitMajorでの戦績も考慮されるので,枠数は地域ごとに1~6枠とばらけています。APAC Nは1枠です。詳しくはこちら。色付きのチームがCS出場チームです。)

全体スケジュール

(※APAC N基準。公式サイトより抜粋+一部加筆修正。)
 Fall Split
   Regional #1: 2021/10/22 - 24 🏆Tokyo Verdy Esports
   Regional #2: 2021/11/05 - 07 🏆Tokyo Verdy Esports
   Regional #3: 2021/11/19 - 21 🏆Tokyo Verdy Esports
   APAC Qualifier:2021/11/22   🏆Tokyo Verdy Esports
  Major: 2021/12/08 - 12 (Stockholm,Sweden) 🏆Team BDS (EU)
 Winter Split
   Regional #1: 2022/01/21 - 23  🏆Nimmt55 (AGELITE)
   Regional #2: 2022/02/04 - 06  🏆Tokyo Verdy Esports
   Regional #3: 2022/02/25 - 27  🏆Tokyo Verdy Esports
   APAC Qualifier:2022/03/01    🏆DeToNator
  Major: 2022/03/23 - 27 (Los Angeles,US)   🏆G2 Esports (NA)
 Spring Split
   Regional #1: 2022/05/06 - 08  🏆Tokyo Verdy Esports
   Regional #2: 2022/05/20 - 22  🏆DeToNator
   Regional #3: 2022/06/03 - 05  🏆DeToNator
   APAC Qualifier:2022/06/10    🏆Gaimin Gladiators (APAC S)
  Major: 2022/06/29 - 07/03 (London,UK)    🏆Moist Esports (EU)
 World Championship (Fort Worth/Dallas,US) 
   Wildcard   : 2022/08/04 - 07
   Group Stage: 2022/08/09 - 13
   Playoffs  : 2022/08/14   🏆Team BDS (EU)

はじめに③:筆者の「スポーツ観戦」について

 お恥ずかしい話ですが,私はインドア趣味なのもあってスポーツ観戦というものに疎く,リアルスポーツのプロ野球やサッカーのJリーグにもあまり興味は沸かず,オリンピックやワールドカップのような大きな大会で「日本」をなんとなく応援するといった程度のライトなスポーツ観戦経験しかありませんでした。
 それはたとえ「自分がプレイしているゲーム」であっても同様で,試合観戦への興味という意味では最初は大体同じスタンスでした。(観戦よりプレイするのが好き!という感じ)
 というのも,私がロケットリーグを始めたのは2020年1月ごろのことで,観戦チャンスという意味では「2021-22」以前にも2度(Season9SeasonX)機会がありました。(が,日本勢もいないし,たまに流し見して「お~やってるやってる」となる程度でした)
 今回も私は「今回からは日本(アジア)が出るし一応最初から見てみるか~」程度の感覚で観戦を始めました。最終的には”アジアチームが”などは関係なしに最終日まで夢中で観戦をすることになったのですが,そのあたりも含めて文章の中でお伝えできれば幸いです。

 なお,自分のゲームの腕前は競技シーンの皆様には到底及ばない趣味レベルなので,終始実力にそぐわない偉そうなことを記載するかもしれませんが,誹謗中傷の意図などは誓ってございませんのでご容赦ください。
 たとえるならば,「高校野球見てやいのやいのしている親戚のおじさん」を見るような気持ちで読んでいただければと思います。

感想:ここでハマった!注目ポイント3つ

前置きが長くなり恐縮ですが,ここからが本編です。
今回私がe-Sports観戦にハマったきっかけ(理由)を振り返ると,
 ①日本国内のレベルの向上
 ②日本勢の世界大会での活躍
 ③世界大会でのマイナー地域・新勢力の台頭,活躍
の3点が強く印象に残っていました。
1つずつ解説していきます。

①日本国内(APAC N)のレベルの向上:1強から三つ巴+αの戦国時代に

 スケジュールを繰り返す形になりますが,「国内(Fall)→世界(Fall)→国内(Winter)→世界(Winter)→国内(Spring)→世界(Spring)→世界(CS)」とステージが移るごとに国内・世界の徐々に環境が変化していくのがとても面白かったです。
 正直 世界(Fall)くらいまでは,「どうせ○○のチームが勝つんでしょ」と今まで通り冷めてみていたのですが,Winterあたりから国内海外ともに番狂わせの試合が多くみられるようになり,目が離せない状況になっていきました。特に国内については 「Tokyo Verdy Esports 一強」の時代から,「DeToNator」や「AGELITE」など3~4チームが優勝争いする「戦国時代」に突入。Splingの終盤になるころには「どこが勝つの!?」と全く予想ができない状況になっていました。
 トップ層の選手からしたらたまったものではないのかもしれませんが,観戦者という一歩引いた場から見ると,大変に面白くドラマチックな状況で毎回楽しみに視聴しておりました。
 今後の国内の試合も色々なシーンが見れると思うと楽しみです。

APAC N のポイントランキング(上位8チーム)。後半は三つ巴。[出典はこちら]

②日本勢(APAC N)の世界大会での活躍:1点→1セット→1勝のドラマ

 全体スケジュールでも取りまとめましたが,APAC Nのチームはシーズン中の4度の世界大会のうち,Fall・Winter・CSの3回に出場しました。(SpringはAPAC Sが出場)
 FallとCSは「Tokyo Verdy EsportsSenbei Strikers」,Winterは「DeToNator」がそれぞれ出場しています。
 APAC地域は世界大会へは初の参加で世界との差は周知の事実であるため,当時の界隈には「おそらくボコボコにされてくるだろう」「まずは楽しんできてほしい」「願わくば1点を」といったような意見が多かったように思います。
 しかしながら,選手たちはNAやEU・OCEの強豪相手に善戦し,Fallでは全員が各1得点以上,Winterではアジア勢初の1セットを取ることができました。(しかも,Winterでセットを取ったFaZe Clanは同大会で4位の超強豪でした。)
 そして,CSではSSA(南アフリカ)のBravado Gaming相手にアジア勢初の白星を納め,新たな歴史を作りました。(筆者は配信見ながら泣いてました)
 公式配信等でも触れられていたことですが,この「1点」→「1セット」→「1勝」という流れがあまりに美しく,アジア地域の成長を感じられる素敵なエピソードになったなと思います。

③世界大会でのマイナー地域・新勢力の台頭,活躍:番狂わせは突然に

 国内については①でお話しした通りなのですが,世界の大舞台でも新勢力の活躍が見られました。
 個人的に特に記憶に残っているのは,Winter Majorで突然現れ2位となりそのままSpring Majorを制覇したEUの「Team Queso(→Moist Esports)」,新規Regionながら早々に頭角を現しSpring Major2位となったMENAの「Sandrock Gaming(→Team Falcons)」,マイナーRegionという周囲の認識を打ち破ってCSの決勝トーナメント初戦でMoistを破り,準決勝では優勝チームのBDSにも健闘しベスト4となったSAMの「FURIA Esports」の3チームです。
 Queso(Moist)はWinter Majorの初戦でDeToNatorと対戦した時が私は初見だったのですが,正直最初は「どこのチーム?」と思ってました。(観初めの時期で調べてなかっただけなのですが…)Sandrock(Falcons)FURIAは各地域のトップチームという認識はありましたが,「やはり世界はEUとNAが強い」という先入観が強かったため,Moist同様そこまで強く意識はしていませんでした。
 そのような認識であったにもかかわらずこれらのチームが,名だたる古豪・強豪が並ぶMajorのトーナメントに名を連ね,しかも優勝争いをしているのですから大変驚きました。。
 次のシーズンがあるとすれば,これらのチームやまた新しい新勢力が活躍してくれるのかと思うととても楽しみです。勿論,APACやSSAなどむしろまだまだこれからの地域からも面白いチームが出てきてくれれば嬉しいです。(できれば日本から…(笑))

まとめ

自己分析

 今回,上記のような数々のドラマを見て私は「e-Sports観戦」にのめり込んでいったわけなのですが,振り返ってみると「なんだ。そんなこと?」となるような内容でした。
 たしかに,言ってしまえば「どこが勝った・負けた」という単純な情報に一喜一憂しているにすぎません。試合は見てないけどTwitterのツイートで「甲子園で○○が勝った」「ZETA Divisionが世界大会で勝った」という情報を得ることと本質は変わらないと思います。
 ただし,そこに各チームの背景や前回の同カードの試合結果の情報が乗ってくると,その分感動が増加するのだと思います。自分で調べたものならなおさらです。この辺りは普段プロ野球観戦などをしている方には常識なのかもしれません。しかし,私は今までそういった経験があまりなかったので,今回1つ発見でした。

 幸いにもこういう世の中ですので,興味を持って調べたいと思ったことは大体インターネットで発見できます。私は今回「liquipedia」というサイトを参考に情報収集をしました。
 liquipediaからは,RLCSの日程,ルール,過去の大会の結果,選手の経歴など多くの情報を仕入れることができ,大会への理解度と興味がグッと深まりました。(ダブルエリミネーションやスイスドローのルール,CSのワイルドカードのシード枠,Season9とSeasonXはコロナで世界大会自体が存在しなかったことなどはこのサイトを見ていなければ知らないままでした。)こういった部分の知識があったからこそ,「次ここが勝つとここと当たる」「次のカードは因縁の相手同士」「手堅くこちらのチームが勝つだろう」という見方ができるようになり,「ただ配信を見る」という行為と比較してワンランク上の視聴ができたのだと思っています。

業界分析

 恐縮ながら少し界隈についての分析をさせていただくと,私がロケットリーグに出会ってから界隈ではずっと「ロケリが全く流行らない」「界隈が盛り上がってない」といった声を悲しくもよく耳にするわけなのですが,私は今回の経験から「ハマるための”情報”はかなりあるのだから,”興味を持って調べる”という行為に至れれば私のようなオタクは漏れなく界隈に取り込める」と推測しています。ただし,(自分でいうのも変な話ですが) ”調べる”という行動に移れる方はかなり一部のコアユーザーに限られると思うので,「”情報”を仕入れたら多くの方の目に留まる場所でどんどん情報を発信する」ということがユーザーに求められているのかなと思います。(例えばTwitterならRTなどの拡散も含まれると思います。)
 ゲームのクリップやネタ動画,大会情報,ゲーム配信などの話題は気軽に拡散(RT)できる”情報”の1つだと思いますし,大会の状況をハッシュタグなどで実況ツイートするのも良いと思います。
 また,今回のRLCSの生配信ではルールについての質問が結構コメントされてる場面があったので,そういった情報を多くの方に分かるようにまとめて拡散してあげれば多くの方の目に留まって,目を向けてくれる人も増えるのかな…と思います。
 FPSのゲームと比較すると一見してルールや試合の様子(戦況ではなく何をやっているか)が分かりにくいと思うのでそのあたりをほかのゲームよりも丁寧に扱ってあげるべきなのかなと思います。

 終盤,偉そうに語ってしまい申し訳ありません。あくまで今回の観戦経験を経ての分析なので合っているとも限りませんし,現時点で私が界隈に貢献する行為ができているとは全く思っていません。古くから携わっている方にとっては「それは違う」となる部分もあるかもしれません。ぜひ何かあればコメントください。ご意見は真摯に受け止めます。ただ,今後は私は上記のことにも注意してみようかなと思っています。

 今回は大会を通じて,決して少なくない界隈の盛り上がりを感じました。今後ももっともっと日本のロケリ界が盛り上がっていけるよう願っております。長文にお付き合いいただきありがとうございました。

Special Thanks

 ・kokken さん (Twitch / Twitter
 ・Wave さん (TwitchTwitter / YouTube
 ・ValtaN さん (Twitter
シーズン通して素敵な実況・配信をありがとうございました!
普段から"情報"をたくさん発信してくださっています!是非チェック!
 ・日本,世界の選手の皆様
とても全員は載せきれないですが感動的な試合をありがとうございました!

おまけ①:お気に入り映像

Realize選手がFall Major出場時にYoutubeにアップロードしているAPAC QualifierのHighlight動画

Rocket League World Championship の 初日で配信の一番最初に流れる各チームの紹介映像 (0:02:15頃~0:12:25頃まで。勿論APACの紹介も!)
※動画開始0:02:15~

Tokyo Verdy Esports(Senbei strikers)」の初勝利試合
(4:00:55 チーム紹介 ~ 4:09:25 試合開始  ~ 4:46:26 決着)
※動画開始4:46:05~

おまけ②:宣伝

 普通の宣伝で恐縮ですが私のTwitchチャンネルとTwitterです。
不定期にロケリ配信しています。遊びに来ていただけると嬉しいです。
カジュアル・プラべで気楽に遊びましょ~
 Twitterはオタクを垂れ流しているだけなので物好きな方はどうぞ…

https://www.twitch.tv/nekoruka96
https://twitter.com/Nekoruka96


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