龍を開く〜語り継ぐこと〜海田町日浦山春日神社
2024.3.11
東日本大震災13年目の日、広島県安芸郡海田市にある日浦山春日神社に参拝しました。
こちらは、2018年に西日本豪雨で、護岸崩落や土砂災害がひどかった地域。
現地に行って感じること、ネットでは知りえない、感覚を通してわかることがたくさんあります。
この神社は車でようやく昇れる急斜面にあり、土砂災害で、神社の手水舎や玉垣などいろんなものが流れてしまったため、砂防ダムや、新しい手水舎、玉垣が置かれていました。
案内してくださった地元の方の説明で、災害で流されたため新しくされた玉垣(名前が入っている石の垣根のようなもの)と、災害でも流れなかった玉垣がグラデーションのようにあるのがわかります。
土地の名前、地名というのも、先祖代々、昔の人が伝えてくれる情報のひとつで、そこがどういう場所であるかを教えてくれるものだと思っています。この前、教えてもらったんですが、災害、水害がおこりやすい場所にはそのような地名がついているそうです。
せっかく先人が伝えてくれている大事な情報をキラキラネームに変えてる地域もありますね泣
どんな歴史をたどり、今の地形になったのか、名前に込められた意味など、地元の人に聞いたり調べるのが、私は好きです。大学の専門も文化史学でした。
この日浦山春日神社は、大正時代にも豪雨による災害があったことが石碑から読み取れます。
元々周期的に土砂が流れやすい地域なのかもしれませんね。川などが氾濫する場所は、土地が肥沃になるので、農業をするにはよいというのは、ナイル川流域など文明の発生でもわかります。
周期的に水があふれ出る場所に、それを治めるために、神社が作られる、その意味においても、橘ナオキさんの龍の絵が奉納されたことは、とても意味深いと思いました。
しかもこの龍の絵、本殿正面向かって右に飾られているので、右の方が位が高いので、とても高い位置に龍が配置されています。結構首が痛くなりますが笑、本来、神を見上げるってこんな感覚かも?
この【雲外蒼天之龍】の絵、絵葉書でしかみたことなかったのですが、実物を見てびっくりしました。
色のあざやかさも、まったく実物は、ちがうし、絵を見上げるかたちになるんですが、その龍たちの迫力。
苦しい状況でも、顔をあげて、勇気と希望をもって前進さえすれば、道は必ず開かれる。
また道だ!とても力強いメッセージをいただきました。三体のうち、向こう側の龍は二体の龍と雰囲気がちがっていて、もがき苦しみ、そこから抜けて、また違う場所へ向かおうとしているようにも私には見えました。
次はどこへ向かうんでしょう?
龍やご先祖さまやみんなが伝えてくれていることを語り継ぐことの大切さもまた教えていただきました。
それをまたつなぎたく、これを書いています。
ひとつの龍を開いたら、また次の龍へ。
そして【龍めぐり】はつづく。
広島県海田町 日浦山春日神社
Googlemap 斜面めっちゃきついので車で行く人は気をつけて〜
追伸。
ご案内くださった地元の方、お家の素敵なお庭にまで案内してくださったり、近くのコミュニティスペースも数人で運営されているんですが、おいしいものでもてなしてくださり、ほんとうにいろんなお話を聞かせていただいて楽しかったです。
実はイベントとして、ピアニストtomokoちゃんと主催したのですが、参加者ゼロで。でも海田町、日浦山春日神社やこの地域、こちらの人のあたたかさなどいろいろ肌で感じられて、とてもよい1日でした。また次の企画を練ってまた龍が開かれたらいいな◎
というか調べてて、
獅子 あ 阿形 開口 はじまり
狛犬 ん 吽型 閉口 おわり
で獅子狛犬で対だということを初めて知りました。へぇ、違う生き物だったんだ!
人生や議論は、【あ】で生まれ、人生や議論は、【ん】で閉じる。
話は尽きないですが、そろそろ口をつむぎます笑
読んでいただき有難うございます🎵