私物化・忖度・見て見ぬフリ

　このところ世をざわつかせているニュースに関してはめちゃめちゃ醒めきっっています。
　諦念とでも申しましょうか。
　だって日本のムラ社会はおしなべてコレですから。
　私物化、忖度、見て見ぬフリで出来てますでしょ？
　ですよね。
　この国で成功を掴むために必要なのは、ひたむきな努力でも粛々と技量を磨くことでもなく、いちはやく空気を読みその場においての権力者が誰かを見極め要領良く懐に入り込みいかに臭いものに蓋をしていかに沈黙を押し通せるかなんですから。
　要領の悪い人がバッシングの憂き目にあって、それがいかに理不尽でも、無情にも見て見ぬフリを決め込むのは、ムラ社会の慣わしですから。
　私物化なんてどこの業界でもやってること、まかり通っていることですから。
　おそらく我が国の各業界のトップは、いま世の中で騒がれていることのなにが悪いのか、ピンとも来てないでしょう（笑）。
　
　自分らが私物化根性から片端からあとに続こうとした芽を摘んで他者の夢や希望を叩き潰してきた結果後継者がいなくなり自分らの世代で終焉を迎えようとしている・・・どこもかしこも。
　業界が必要としてきた人材は、波風立てず上司の言いなりに一切不満を述べず文句を言わず従う人。
　私がパワハラで心身を苛んだ上司の口癖も、文句を言うなら成果を出せ（営業職でもないのに売れる見込みも売る価値もない商品をただただ売れ、売りまくれ）でした。
　ちなみに私は文句を言った覚えはまるでなく、おかしいことをおかしいと言い続けただけです。
　結局最後までなぜ？にまともに答えてくれたことは一度もなく論旨すり替え話を混ぜ返し誤魔化し続けしまいにキレて気に食わないなら辞めろを繰り返すばかりでした。
　だから辞めたわけですが、辞めると言えばこんどは銀行に原稿料が送金されなくなり、問いただすと辞めるなら前月分の給料を払わない。払わないとは言ってない。辞めるのを撤回すれば払うと言ってる・・・むちゃくちゃな理屈を正当と主張して譲らない・・・こちらがおかしくなるまえになんとしても断ち切らねばと思いました・・・。
　要は、都合良く手足となって働く歯車でない「口先で丸め込めない意志を持ち主張が立つ人間」は、ムラ社会においては使い勝手の悪い目障りな存在でしかないということかと思い至り、以後無理して集団に身を置くことを辞め、無用な争いを避け多くを望まない自由を選びました。

　私はこうも思うのです。
　世の中に散見する迷惑モンスターは最初からモンスターだったわけではなく、のさばらせないために断罪し処罰を行う機会はおそらくいくらもあったろうと。
　それをしてこず、おもしろがって放置し続け手に余るようになったら見て見ぬフリを決め込んだ人たちも同罪です。
　いまも昔も私が最も軽蔑するのは「見て見ぬフリ」「我関せず」を決め込んで自分だけは火の粉をかぶるまいとしてきた輩です。
　さぞ傷を負わず、痛い思いをすることもなく、要領良く立ち回って得をしたと思って生きてきたことでしょうけれども。
　それが実りある充実した人生と言えるのかどうか。
　少なくとも日和り続けて痛みを避けて通ってきた生きざまを人に誇れはしないでしょう。