何故おっさんTRPGゲーマーはルールブックを見つけると即買いしてしまうのか問題
「何故おっさんTRPGゲーマーは新しいルールブックを見つけるとよく考えもせず即買いしてしまうのか問題 ~あるいはTRPGの悲しい歴史について~」
について少し書いてみたいと思います。
一般的なTRPGルールブックはおおむね3000~6000円程度だと思いますが、書籍の値段だと考えるとちょっとお高めの価格設定です。しかしおっさんゲーマーは
「おぅ新しいルール出とるやんけ。とりあえず買っとこう。やるかどうか知らんけど」
みたいな感じに"とりあえず"で買ってしまいます。やるかどうか知らんけど。
しかしだね、6000円の商品って"とりあえず"で買うレベルじゃないよね普通。よほどのブルジョアとかでもない限りは…。
でも買う。
それはTRPGのもつ悲しい歴史が関係しているのです。
「TRPG冬の時代」
1990年代の真ん中くらい~2000年頃、TRPGの新作が絶えてしまっていた時期があります。完全に絶えていたわけではなく細々とは出ていましたが…、
例えばクトゥルフ。現在の大流行からは信じられない事なのですが、1995~2002年の7年間新作は出されず基本ルールブックもその間は絶版でした。
そしてD&Dも。こちらは2度の中断期間があります。発行元が新和→角川書店→ホビージャパンと変遷しているのですがその代替わりに際して数年のブランクがあったのです。
そういう時代を経ての現在なので、おっさんゲーマーは いくらいま流行していようともまったくもって信用していないのです。ちょっと油断したらすぐ絶版になると思っています。
長いこと石の下で身を寄せ合って暮らすダンゴムシのような生活を続けていたので、いま急に石をめくられて驚き慌てふためいております。そして次にまた廃れていろいろと入手困難になることにビビっています。
「買いそびれると大変な目に遭う」
TRPGはそもそもユーザーの数が少ないマイナー業界だったのでルールブックの発行部数も1000部とか2000部で、5000部も売れたら大ヒットというような世界です。
ぶっちゃけ重版もされません。なので1000刷ったらそれで終わり。
そのため見かけたらすみやかに保護しておかないと、次に店に来た時までになくなってしまっているかもしれないという恐怖感。
最悪 出版社(やメーカー)に在庫があれば注文も可能でしょうが全国にモノがばらけた店頭在庫のみになってしまうと極端に入手困難になります。
いまはAmazonがありますが、アレが日本に進出したのは2000年なのでおっさんゲーマーが若いころはAmazonありませんでした。
いろいろ書きましたが、買いそびれると大変な目に遭うんだという事例をご覧いただくのが一番話が早いと思います。
こちら昔のクトゥルフのシナリオ集「ヨグ=ソトースの影」です。
当時定価は5800円くらいだったかな~? よく覚えてません。
https://www.suruga-ya.jp/product/detail/607910811001
それが ごまんえん!?
もう1個。これは比較的新しい2007年発売のやはりクトゥルフのシナリオ集ですが「7つの怪談」これは2700円でした。
なのに54000円だって!?
なのでTRPGおっさん達は、
「何年か後に数万円で買わされるくらいなら、いま2700円で買っとこう。やるかどうか知らんけど」
と思ってしまうのでした。
(参考)「テーブルトークRPG冬の時代」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%AFRPG%E5%86%AC%E3%81%AE%E6%99%82%E4%BB%A3