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わざわざフィルムカメラをスマホで覗いて見た。

カメラをカメラで覗く意味はあるのだろうか。

でも覗いて見たら案外好きだった。

好き嫌いは好みだけど、たまたま覗いたその瞬間がいいなぁーって思ったから迷わずシャッターを切った。

東京に住んで約5年。
私は東京が好き。
いずれもういいかなってなるかもしれないけど、まだ好き。

そんな好きな景色のひとつがこの日記の表紙。
夕陽が黄金色に染める景色の中で、わーきゃーいいながら広い公園の中や、小さな遊具の上と下を子供たちが駆け回っている。

場所は高井戸公園。
京王井の頭線、富士見ヶ丘駅から徒歩5分くらい。

ある初夏の日、インフルエンサーになってしまった友人と喫茶でお茶をしている時に、
「富士見ヶ丘に美味しい朝ごはんが食べられるカフェがあるんだけど、行こうよ」
って私が言うと、
「富士見ヶ丘ってどこ?」
って返ってきた。

それくらい東京に住んでいても、関心が薄い場所、杉並区富士見ヶ丘。不憫なことに京王井の頭線の終点が吉祥寺だから、みんなの意識はそちらに行きがちで、急行は停らない駅。

でもたがらこそ、騒がしくなく、過ごしやすく、安全に子育てしやすかったり、落ち着いた時間が過ごせる場所なんだと思う。

2024年末のPOPEYEガールフレンドで富士見ヶ丘の高井戸公園と、ヨシダベーカリーが、デートコースで特集された。
立ち飲み屋の忘年会で、喫茶友達となった女の子が仕事終わりに本屋に寄ってPOPEYEを胸に抱いてやってきた時、
「あぁ、この子は本当に富士見ヶ丘が好きなんだなぁ」
って、口角の上がった笑顔をみて私は思った。

ブランコを漕ぐ女の子。
友達が投げたボールを全力で空振りした、男の子。
私が居る隣のベンチでは、パソコンで作業をしている女性。
犬が飼い主を走らせるように、芝生の丘の上で駆け回る。
空浮かぶシャボン玉。

公園の隣では大きなクレーンがゆっくり動いている。

昨年見た映画『アット・ザ・ベンチ』を思い出す。
周りの景色が変わっていく中で、変わらず残っているひとつのベンチに座る人達のオムニバス映画だった。マジでオススメ。

富士見ヶ丘でも大きなクレーンが動いて、街は少しずつ変わっているけど、高井戸公園ではしゃぐ子ども達の景色はこの先も変わらないでくれるといいなぁって思った。


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