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【まとめ】外傷救急に強くなる① 〜外傷救急の総論〜

ども、ねこのてです!!

 今回からは「外傷救急」についてまとめていきます!
私の割と得意な分野ですね。なので少し長いシリーズになるかもしれませんが、またキリがいいなぁと思ったらやめます・・・まぁ、記事は私の備忘録も兼ねているので、満足いくまでたらたら書きます笑。

いつものように、医療職でない方にも「そーいうことやってんだ!」となって欲しいので、なるべく噛み砕いて書いてく予定です!何か残る知識としての記事にしたいと思います。

 さて、交通事故や高所からの落下など、救急の日常では外傷はつきものです。
外傷患者さんが搬入された時のアプローチとして、外傷初期診療のための教育コースであるPTLS(Primary-care Trauma Life Support)というものがあります。
内容は、ある程度それに乗っかってまとめた記事にしたいと思います!

じゃ、さっそく!

外傷死亡の三相性

 「疾病としての外傷」による死亡は、三相を呈すると言われています(Sci Amer 1983 ; 249 : 28-35)
 一相目は事故直後の現場での死亡で、外傷による全死亡の半数を占めます。外力が直接人体に作用して生じる損傷が死亡の原因なので、残念ながら救命の可能性は低いものです。(だから、シートベルトやヘルメットが大切なんですね!!)

 二相目は、受傷から1時間〜あたり。
受傷を機転に発生した多発外傷や頭蓋内出血が死亡の原因となるので、搬入された医療施設で出血のコントロールや気道確保など適切な介入で30〜40%は救命可能と言われています。ちなみに、ここで生じる死亡をPreventable Trauma Deathの頭文字をとってPTD(防ぎえた外傷死)といい、これをいかに減らすかということがとても重要です。なので、全国に標準の教育コースが整備されていったんですね!
 
 第三相は受傷数日から数週間
に起こる死亡となっていて、根本的な手術の出来や感染管理など、病院全体の力量に関わってきます。

外傷治療の流れ

これ以降の記事で出すので、ここでは「言葉」を理解してください!外傷治療は最初の1時間がGolden hour です。

ひとまず皆さんには、「外傷治療のABCDE」を紹介します!評価の重要ポイントの頭文字をとったものでして、そのポイントとは

A:Airway(気道)
B:Breathing(呼吸)
C:Circulation(循環 ←前の記事でやりましたね!)
D:Disability、Disfunction of CNS(神経系の失調)
E:Exposure、Environmental control(脱衣、体温管理)

を指します。
要は、息してんの?循環は保たれてる?脳とかやられてない?体温とかは?みたいな感じです。これに沿って搬入時の評価を進めていきます。このABCDEを念頭に、少し詳しくみていきましょう!

 患者さんが救急車から出て初療室に入る時からすでに観察と評価は始まってるんですが、これを「Quick Survey」といいます。ドラマでよくある「手を握りながら大丈夫ですかー!ここがどこかわかりますか?」のアレ。
「うー」「痛い」とか発語があれば、少なくともA、Bは大丈夫そうって検討がつくじゃないですか。手を握っているから相手の体温もわかります。冷たければ循環やばいかも?みたいになりますよね!(E、Cの判断に繋がる)Quick Surveyは「パっと見の判断、情報収集」を数秒で行います。

 初療室につくと、本格的に介入を行うために、ストレッチャーからベッドに患者さんを移動します。ドラマで「1、2、3!」で患者さんを移動するあのシーンです。ここではまず、一次観察なるものを行います。「Primary Survey」と呼ばれます。2〜3分で終わるように複数の救命医が同時に行います。評価はもちろんABCDEに沿ってです!Quick Surveyをもっとしっかりとした観察にするんですね(詳しくは次回以降で)
ここで蘇生が必要場合は気道確保や輸血などの蘇生術も同時に行いますが、とにかくABCの安定化を目標とします。ここが安定しないと死んでしまうので・・

 ここが無事に過ぎると、次は二次観察を行います。「Secondary Survey」と言います。ここでは外傷のメカニズム(どうやって受傷したかなど)と患者の情報収集を行います。CTやレントゲンを撮影して、より詳細な評価を行いながら情報収集していきます。
状態は刻一刻と変化する可能性が大いにあるので、何か容体の変化が見られたら再度ABCDに戻って再チェックをしていきます。

最後は最終治療です。「Definitive Care Phase」と言います。
手術や他の専門病院への搬送、専門の医師へのコンサルトなどを行います。


以上が外傷診療の流れです!

それぞれのフェーズにポイントがたくさんあるので、各論としてポイントを一つずつ記事にしていきたいと思います!最終的には外傷救急のポイントをある程度まとめたものになったらいいですね!!

興味のある方はみてくださいね〜!では、また!


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