脳が「気持ちいい」と感じる刺激
ご存知の方も多いと思いますが、漫画を描くときの一般的な手順は次のとおりです。
自分で考えたストーリーに合わせてコマ割りをし、ざっくりした絵とセリフを入れます。私はこの段階で、セリフは手書きでなくフォントで入れています。
ネームの上からペン入れの元になる線を描き起こし、ネームの線を消します。
下描きの線をなぞるようにペン入れします。
色を塗って完成です。
この手順のうち③と④は、はっきり言って流れ作業です。①で漫画の核を作り、②でその核を見直しながら、主線を探す。もうこの段階で描くものはすべて決定しているので、③と④はいわゆる清書とは言え遊びみたいなものです。塗り絵と一緒。
なので、手持ち無沙汰になるんですよ。いや、手にはペンを持っているからふさがってるんだけども、下描きの線をなぞったり色塗ったりしてるだけだから、頭では何も考えてないわけです。
退屈。
絵を描くのは楽しいんだけどね。①と②で散々あれこれ考えながら描いていたときのテンションに比べたら、かなり気が抜けています。だって同じ絵描くの、もう3回めなんだもん。
そんなとき気分を盛り上げてくれるのがラジオなんですよ。スタエフとかポッドキャスト、Spotify。お気に入りの番組が5つぐらいあって、それ聞きながら描くんです。配信者が酔っ払って雑談してる番組とか、ゲイの二人にリスナーがいろいろカミングアウトする番組とか。たまに落語も聞いたりして、描いてる漫画の内容とはまったく関係ないことでげらげら笑ったり、なるほどそうであったか!と腹落ちしたりしながら、ペンを進めているわけです。
退屈だから好きなラジオや音楽を聴く。通勤電車やバスの中、散歩中の人にもよく見かける行為ですが、そうやって常に自分にとって心地良い刺激を耳に求めていると、思わぬストレスを引き起こし、よからぬ事態に発展しかねませんよ、と言う人がいます。以前紹介した仏道を説く書籍から、今回は「聞く」をテーマに一部を抜粋してお届けします。
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