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【小説】連綿と続け No.73

航は部屋中に残ったままの侑芽の私物を
返すこともできず、そのままにしている。

部屋着や化粧品などから
その存在を感じながら後悔と孤独に苛まれている。

航)侑芽……

1番近くにいたはずなのに、
今は1番遠い存在になった彼女を思い続けている。
想像以上に大きな存在になっていたことを思い知る日々。
大牧温泉で言っていた彼女の言葉を思い出す

"もし……また航さんと離れてしまったら、今度こそ生きていけない“

自分以上に傷ついているであろう侑芽を思いながら、
ここには居ない彼女を抱きしめるようにして、
その部屋着を抱えながら目を閉じた。

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1,731字
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