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【小説】連綿と続け No.74

日が沈み、辺りが薄暗くなってきた。
深い山々に囲われた相倉集落の上空には、
まだ明るさを残した空が見え、
暗がりの里と対比して物悲しく感じる。

そんな中、1つずつライトが点灯され、
合掌造りの茅葺き屋根が照らされてゆく。

暗闇で映える合掌集落。
その全景を望む展望台まで上がった侑芽は、
必死にシャッターをきった。

希望を灯《とも》すような柔らかい灯《あか》り

村上から持たされた一眼レフカメラと
自分のスマホを交互に使い、
あらゆる方法でその景色をおさめる。

“市報に載せるからにはいい写真を撮らなくちゃ”

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1,857字
大長編なのですが書籍化するまでは値上げせずこちらで公開していきます。

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