因果関係の択一的競合 仮定的因果関係 事実、法律、規範的構成要件要素の錯誤 間接正犯 中立行為による幇助
双方意図せず、偶然2人の者が毒薬を入れた場合などの因果関係における択一的競合は
双方とも致死量を入れていた場合、条件関係が認められず、 双方が致死量の半分をいれていたら、条件関係が認められてしまい不合理であるので
条件関係の公式を修正し、いくつかの行為のうち、すべての場合を除けば、結果が発生しない場合因果関係が認められるのだ。
死刑執行ボタンを一般人が推した場合などの仮定的因果関係は
仮定的なほかの事実を付け加えることはできないのだ。
因果関係は
行為が内包する危険が現実化したかどうかなのだ。
具体的には a 行為の危険性 b 介在事情の結果発生への寄与度 異常性 などの事情を総合考慮するのだ。
事実の錯誤は
自然的意味の事実の認識はあったが、構成要件事実に当たるという社会的意味の認識を妨げる特異な事情が介在していたため
故意の成立に必要な程度に事実の認識があったとは言えない場合を指すのだ。
法律の錯誤とは
自然的意味の認識と当時の状況を合わせて考慮すると、少なくとも未必、概括的には構成要件事実にあたるという社会的意味でのを認識有していたと
判断される場合を指すのだ。
作為義務、窃盗罪における財物の「他人性」、わいせつの罪における「わいせつ」、公務執行妨害罪における公務の適法性などの規範的構成要件要素は
裁判官による規範的な価値判断を経なければ、ある事実がその要素に該当するか否かを決することができない構成要件要素をいい
その錯誤において故意が認められるのは
社会的事実の認識が必要だが、裁判官の規範的、評価的な価値判断が介在するので、専門的な認識までは要せず、素人的認識で足りるのだ
社会的意味の事実認識があって初めて違法性の意識を喚起できるからなのだ。
間接正犯は
a 被利用者の年齢、心身の発育状況等、 b 被利用者にとって是非分別の難しいものであったか c 利用者と被利用者の関係 d 指示命令が
被利用者意思を抑圧するものだったか e 被利用者の自主的な判断行動が必要とされるかを考慮要素とする
行為支配性 と正犯意思が必要なのだ。
なぜなら正犯とは自らの意思で犯罪を実現し第一次的な責任を負うものであるから、 直接手を下さなくても
被利用者を通じて因果経過を実質的に支配し、事故の犯罪実現の目的を遂げた者も、また正犯というべきだからなのだ。
ウィニー事案のような中立的行為による幇助は
かかる技術を利用した正犯行為が行われ、犯罪結果が発生することの確定的認識を要求すべきであるのだ。
中立行為は適法行為にも利用できる以上、かかる技術を利用した、違法行為が行われていることを認識しているだけでは、
規範の問題に直面し反対動機形成可能性があったとは評価しがたいからであるのだ。
ウィニー事案では、ソフトを提供する行為に幇助犯が成立するには、一般的可能性を超える具体的な利用状況が必要であり、そのことを
提供者においても認識認容していることを要するとし
同ソフトを入手する者のうち例外的とは言えない範囲の者が同ソフトを著作権侵害に利用する
蓋然性が高いと認められる場合で、提供者もそのことを認識認容し、ソフトを公開提供を行い
実際に著作権侵害が行われたときに限り幇助犯となるとしたのだ。
以上です。字幕をオンにしてみてね。