見出し画像

専業主婦 初めてのバイト応募 #3

美容室の小さなバックヤードに通されて
店長が履歴書をみながら言いました。

こんなに勉強のできる人は初めてです。
教員免許もってるなんて頭の出来が違うんですね。

そんなことで?と思ったけど
普通の美容師は高校卒業したあとに
専門学校へ行って社会に出る人ばかりなので
確かに珍しいのかもな、と納得。

私は美容業界独特の会話の雰囲気を感じながら、貼られているシフト表や月間売上目標をぼんやり見ていました。

(あれ?平日の昼間って結構人はいってる…?)


次に技術確認をするからと
マネキンを使ってカラーをしてみることに。

私もひさびさだったので一応練習してきました。


で、できない…


何このマネキンの毛の生え方全然言うこと聞かないじゃん。手は震えるしブロッキングもガタガタ。クリームもベタベタほかのところにつくし何これやばすぎ、自分ヤバすぎ…!!


案の定、2日後に不採用通知がきました…



面接のときはあんなにチヤホヤされたのに、
技術確認の後は使い捨ての手袋をどこに捨てたらいいか聞いたら

「差し上げます」
(意訳;ゴミは持って帰って自分で捨てろ)

という雰囲気だったので

と、心の中で政子がつぶやいていました。

社会人としてあまり尊敬できない上司の下で働くよりもいっそ不採用で本当に良かったと思っていましたが…


人生初の不採用って
かなりメンタルにきました…


そうだった、美容師は毎日何時間と練習して身につける技術の対価でお金をもらう職業だった。
ブランクありと言っても若い人多かったから私のように20年ではなくせいぜい5-6年のブランクを指していたんだな。私じゃお門違いだったな。

いろいろ考えては凹みました。
自分は足りない人間だったのかなって。

でも改めて募集を検索してみたら色んなバージョンの募集案内があって、

土日できる人歓迎!
3時間〜(16時以降)

という記載を発見。

なんだよー!欲しかったのはクローズと土日だったんじゃんー!!

ママさん活躍中ってことは、足りないのは夜だってことに早く気づけばよかった。
平日の夜、土日も欲しい、という感じなんだろな。よっぽど腕が良くなきゃそりゃ平日の昼間なんてとらなかったんだろうな。


理由を頭の中で逡巡してるうちに
ひとつ自分の中で気づいた事がありました。

私、美容師の仕事しなくてホッとしてる…?

赤字になってからずっと「働かなきゃ、何でもいいからお金にしなきゃ」と焦ってばかりいて、自分の気持ちを置き去りにしていました。

美容師の仕事、私には向いてないことは専門学校時代から知っていたはずだったのに。


やめよう。
自分が働きたいと思うところで働こう。
私の気持ちを一番に考えよう。


そう思ったらスッキリして
求人の見方も変わってきました。


でもまだまだ不採用の道は続きました…

つづきはまた明日

いいなと思ったら応援しよう!