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残り香に浮かぶ記憶はまだとけない魔法みたいに漂う
こんばんは。
昨日は言葉たちがなかなか家から出てきてくれなくて、そんな気まぐれな言葉たちを「おー、よしよし」と撫でながら、今ようやくエッセイを書き進めています。
(最近、エッセイというよりもラジオみたいな語り口になっているなと思っているのですが、それもわたしのnoteの個性として、よし…)
今日は、すこし香水の話を。
きっと、読んでくださっているみなさんも好きな香りを身に纏って生活されているのではないかなと思います。
どんな香りが好きなのかな、きっとあなたに合っている香りなんだろうな、なんて勝手に想像してワクワクしたり…。
最近、わたしに似合って自信になる香りを身に纏いたいなと思って、香水を探す旅に出かけました。
自分の香りは自分では分からないので、大好きな人と一緒に、新しいわたしのための香りを見つける旅へ。
ウッディで男性的な香り、まろやかでフェミニンな香り、雨の降りはじめをイメージした香り。それぞれにコンセプトやデザインがあって、選ぶ時間がとても楽しかったです。
それはまるでまだ出会ったことのない映画や、人生において大切な本を見つけるときみたいに。そんなワクワクとした気持ちで。
そんな中、香りに触れた瞬間に一目惚れのように好きだ!と思って、わたしの持つ香りにいちばん似合っていたのが、コム デ ギャルソンのフレグランス「モノクル セントフォー ヨヨギ(MONOCLE Scent Four : YOYOGI)」。
「モノクル」の創設者であるタイラー・ブリュレ(Tyler Brûlé)が、モノクルジャパンのオフィスの近くにある代々木公園をジョギングする時の香りをイメージ。草や道路から漂うかすかなタールや針葉樹を思い起こすような香りに仕上がっており、パチョリ、お香、ベチバーのベースノートが、ロマンカモミール、オークモス、スーヤのミドルノートに重なり、サイプレス、芝生、ヨモギのトップノートに変化していく。
元々、サカナクションの山口一郎さんが紹介されていたところから知り、代々木公園をジョギングする時の香りをイメージしたというコンセプトがとても好きだったので、そんな出会いに驚きつつ、すぐに買うことにしました。
これから、この香りがわたしにとっていろんな思い出になっていったらうれしい。写真や動画、言葉では残しきれないいろんな記憶を、香りのなかに閉じ込めて。
音楽を聴いたときに思い出す、冬の渇いた空気や、知らないどこかの街のこと、誰かと過ごした夜のこと。そんな感覚とどこか似ているような気がします。
どちらも目には見えないけれど、嗅いだとき聴いたとき、まるで季節が変わる風が吹いたみたいに思い出す記憶。人は楽しい記憶も少しずつ忘れてしまうものだから、そんなものが一つあったらいい。
今週のタイトルにしましたが、先日書いた「残り香に浮かぶ記憶はまだとけない魔法みたいに漂う」という詩は、まさにそんな景色のこと。
忘れたくない記憶を保存するためのひとつの方法として、好きな香りを持つことを楽しんでみたいなと思っています。
また、あたらしい香りを手にしたときにおそらく嬉々として話すので、よかったら「いいじゃん!」と聞いてやってください。
今日はそんな香りの話でした、読んでくださってありがとうございます。
ではまた来週、この場所で。