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雨の降る日のくせっ毛みたいに、くるくると回る気持ちを指でなぞった
こんにちは。
4月29日、今日はずっと雨が降るみたいです。
雨はすこし苦手で、それは気圧が下がって気分が落ちてしまったり、頭がいたくなったり、いろんな原因があるのですが、とにかくあまり得意ではなくて。(いちばんはくせっ毛の髪がボンバーしてしまうことかもしれません)
できれば、晴れた日にお日さまを浴びながら、のんびりと日向ぼっこでもしていたい。基本的にいつもぽやぽやと過ごしたいので…。
でも、不思議と雨の日には大切な記憶が多くて、それを思うと案外悪いものでもないのかなと思います。
これは強く覚えている記憶なのですが、むかし自転車で施設に通っていたとき、帰りがけにつよい雨が降ってきたことがありました。
「自転車で帰るのはきびしいな…」と小さな公園の大きな木の下で雨宿りしていると、おなじ場所に通うひとつ上の男の子がわたしと同じように、ひとつ隣の木の下で雨宿りしている。
それから少しして『すごい雨だね。これじゃ帰れないね。』と小さな笑みを浮かべながら話しかけてくれた彼と、雨が弱くなるまで当たり障りのない話をしていました。
周りの人と話すことが苦手だったわたしにとって、それはすごく嬉しかった記憶で、はじめてその場所で仲のいい友達ができた記憶です。
その後はというと、何度か地元のお祭りに遊びに行ったりして遊んだものの、進学をきっかけにだんだんと離れていって、今はもう会うことも話すこともないし、おそらくもう会うことはないでしょう。当時はまだガラケーで連絡を取り合っていたし、SNSもやっていなかったので、もうきっと。
ただ、それを寂しいと思うよりも先に、ずっと心のなかに残っている映画みたいに、雨の日に時々思い出しています。人の繋がりは思ったより簡単に切れてしまうし、あたらしい繋がりの先に見える未来もある。
思い返せば、いまは別の道へ進んだあの人たちと出かけた日の記憶も雨が多いし、思い出す空気も湿度が高くてなまぬるい。もしかしたら、生きた記憶のほとんどは雨かもしれない。
悩んだ日の記憶も、喧嘩した日の記憶も、嬉しかった日の記憶も。
いろんな記憶がごちゃまぜになっているからこそ、雨が苦手なのかもしれません。雨の香りは意外と独特で、すぐに過去をひっぱりだしてしまうから。
くるくると回る髪をどうにかなれ!と整えるように、くるくるとしてしまう気持ちを整える。「案外、悪くないよ」と書いたけど、やっぱり雨はあんまり好きじゃない。
今日はそんな、とくに何事もない雨の話でした。結局、雨とくせっ毛があんまり好きじゃないことしか話していない気がする。
雨が好きな人、ごめんなさい。
来週は晴れているといいな、そしたらきっと今日よりも少し明るい話ができるような気がします。てるてる坊主をつくっておきますね。
では、また来週の木曜日に。
雨が好きな人も、すこし苦手な人も、いい日を過ごしてくださいね。