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新卒研修×議事録のススメ。
自動文字起こし技術がすごく進歩した未来でも、
議事録をとることはなくならないのでは、と思う。
「聞いたこと」を「自分の知識」に変えるための、一番身近な行動なのでは…?とすら思う。学びの手段として良すぎる。
今回は、そんな議事録について、主に新卒研修中の皆様向けにおすすめポイントを語ってみます。
議事録をとることは難しい?
議事録をとる、という行動の中には
実に多くの思考・行動が含まれています。
参加者の発言を聞いて、メモをとるだけ?本当にそうでしょうか。
誰が・何を言ったのか、その結果何が決まったのか、を
その会議に参加していない人にも、語弊なく伝わるように書く
というのは、存外難しいものです。
もちろん各人のタイピングスピードにもよりますが、
会議で耳にした情報を、まるっとそのままタイピングすることが出来る人はなかなかいないでしょう。
録音音声を、適宜止めながらメモをとるのならまだしも。
つまり、言葉が耳に入ると同時に、
優先順位付けと、議事録として残しておくべきラインの判断をする必要があります。
タイピングと同時に自分も話をする場合は、そもそものメモの絶対量も削る必要があるかもしれません。(タイピングに意識をとられて、会話ができないようでは本末転倒なので)
さらに、会議によっては自分の知らない言葉が多々飛び交う…という場面もあるでしょう。
知らない言葉の優先付けを咄嗟に行うのは骨が折れるので、とりあえず聞こえたままメモを残しておいて、後から議事録を調整するか、その場で尋ねてみるか…といった判断も必要になります。
とりあえず残しておくとなると、優先順位をつけて不要部を省略することもできなくなるので、その分タイピング量も増えます。
(この部分を減らすためにも、日々接する言葉を勉強することはすごく大切です)
そうしてメモをとっている間にも、どんどん話は進行して…。
慣れない・知らないことの多い新人のうちは、議事録をとるだけでも一苦労でしょう。
議事録を通じて、先輩の情報処理術を学びとる
議事録をとることで得られる一番大きな恩恵としては、先輩社員がどう情報を取捨選択をしているのかを、テキストベースで学ぶことができるという点ではないでしょうか。
「この情報は開発サイドと打合せにする時に必要だから」
「社内の別チームと連携する時にこの説明が要るから」
など、「重要」とする基準は、チームや会議によって様々です。
私自身も、仮配属・本配属中に同席させていただいた商談では議事録をとり、商談後にその先輩にみていただいてフィードバックをもらったり、
先輩がとったメモと自分のメモを見比べて、
特に「自分はメモしていなかったけど先輩はしていたところ」について
その意図などを細かく確認して勉強していました。
重要な情報を取捨選択する力は、経験と共に獲得される側面も大きく、
本来であれば自身がそれなりに場数を踏むことでしか身につかないものだと思います。
先輩の形式知を可視化し、自身の学びの手段とするために、議事録はかなり有効に使えると思います。
並行して質問も考え…思いつかない?そんな時には
議事録をとりながら、お客様への質問を考えてみるのもまた良い勉強になりました。
「質問…した方がいいとは思っているけど、思いつかなくて…」
そんな時には、自分の中で何が起こっているか?を見つめなおしてみると良いかもしれません。
私の場合、下記の2パターンのどちらかであることが多いです。
・関連知識に乏しすぎて本当に何も思い浮かばない場合
・完全に受け身で聞いているだけになっている場合
前者の場合は、とにかく知識のインプットが急務となります。
商談・会議中に聞こえてきて理解できなかった言葉を全てメモし、
(ネットや社内のメールボックス等でキーワード検索をかけて、実際どのように使われている言葉なのかを)調べ、
関連する知識を吸収していくことが次の一手として有効だと思います。
一方で、「知らない知識は特にないのに質問が思い浮かばない」という場合は、聞き手側の意識が「完全に受け身になっている」ケースが多いと思います。
解決したい課題の本質はどこにあるのか、自分(たち)はそのために何ができるのか、を考え続けていれば、自然と情報は不足し、聞きたいことが出てくるはずです。
商談後に後出しでも良いと思うので、質問を考えてみて、先輩社員にフィードバックしてもらうと良いでしょう。
「書く」ことが人を主体的にする
思い返せば、塾講師で国語を教えていた時も、「国語が苦手だ」という子は板書をとることが苦手なことが多かったように思います。
「板書をとる」うえで重要なのは、
黒板の文字をそのままその通りに写しとるのではなく、
教師の発言や、それを聞いて浮かんだ疑問などをメモし、
理解をより深めるために、自分自身のメモを工夫することです。
先生「これはこういうことで、だからここはこうなって…」
生徒「なるほど~」(メモはとらない)
先生「で、こうなります。分かった?」
生徒「分かりました!」
先生「じゃあ自分で説明してみよっか」
生徒「えっ…(できない)」
…こういうやりとり、一度はやったことのある方も多いのではないでしょうか。
メモをとる、という行動は、「聞いたこと」を「自分の知識」に変える、
一番身近な行動だと、私は思います。
「書く」過程で、意外と理解しきれていない自分に気づく。
そこから読んで、聞いて、書いてを繰り返して、なんとか自分の言葉で説明できるようになっていく。
社会人になっても、根っこは同じだと思うんです。
・・・
新卒研修も1か月半ほど終わって、少しずつ本配属も視野に入ってきた今。
議事録を通じて勉強してみるのもよいですよ!というnoteでした。