布団の中でもできる、本気を出さずにTOEIC900点を超えるくそらくな方法
自分語りさせて
私は都内の私立大学に通う学部3年生です。2024年3月17日にはじめてTOEICを受験しました。私はエクストリームに怠惰なので、親の金で買ったTOEIC関連の参考書は、どれも三分の一くらい解き進めて飽きてしまいました。TOEICの公式模試に至っては、買ってから一度も開いていません。そう、私はTOEICにぶっつけ本番で挑んだのです。唯一最後まで通読したと言える「金フレ」ですが、これは例外でしょう。買ってパラパラめくっていたら、すでにほとんどの単語を知っていたことに気がついたのですから。
私の初、しかもぶっつけ本番のTOEIC受験は、930点という結果に終わりました。結果を見たときには少しがっかりしましたが、今では妥当な点数だろうと思っています。
TOEICごときにマジになんなよ(笑)
TOEICはぶっつけ本番だと点数がでにくいテストだと感じました。私のように、小細工無しの英語力で勝負する方針の人でも、形式をあらかじめ知っておいたほうがいいです。特にリスニング問題は一度形式を体験しているのとしていないのとでは、大きく点に差がでるでしょう。私のように、試験中、焦りと後悔の味がする唾液をゴクリと飲み込むはめになりますよ。
とはいえしかし、道を踏み外さないように注意してください。世の中には、TOEICを繰り返し受けて、超高得点を目指しているような人もいるのです。そもそも、なぜTOEICを受けるのか思い出してください。「受けなきゃいけないから受ける」のであれば、できるだけ楽をしていい点を取りたいですよね。公式模試を解きまくるのはかなりだるい作業になると思いますよ。なんせ1セット2時間もありますから。だったら、結論はこうです。楽をして英語力を上げるべし。
中学生には早いよ(笑)
この記事の読者の皆さんは、おそらく怠惰です。そして、怠惰な人間というのは何事においても、基礎を築くことを省きたがります。私もそうです。しかし、幸いなことに、私にとって中学英語をマスターすることは大した手間ではありませんでした。読者の中には、中学レベルの英語がわかっていない「愛されおバカキャラ」の方々もいることでしょう。中学英語がまるでわかっていないあなたは飛び道具に頼るほかありません。私のように英語力で勝負するのではなく、試験慣れ、対策、攻略で勝負するべきです。すなわち、本気で公式模試を解きまくり、問題演習をしまくる方針を取るべきということです。私にお手伝いできることはありません。
中学レベルの英語はだいたいOK、大学受験もまあまあちゃんとやった、「怠惰一般人」の皆さまに朗報です。別にマジにならなくても、あなたがたにとって、TOEIC900点くらい'cinich’って感じです。
中学生でTOEICは早すぎます。意識高すぎます。高校生でTOEICも早すぎます。お前は大学受験の勉強をしろ(笑)。
言語を一夜漬けしようとすんなよ(笑)
怠惰な人間は、可能なときはいつも一夜漬けをしようとします。私も学校の定期試験では、一夜漬けで平均点くらいを狙ったり、あるいは全くやらずに赤点を取ったりしました。しかし、TOEICの短期集中は効率が悪いのです。というのも、試験範囲は英語の全体ですから。もちろん、英語の辞書を丸暗記していなければならないという意味ではありませんが、単語、文法、読解、リスニングスキルまで要求されるのだから、カバーしなければならない範囲は広大そのものです。
言語の学習に関しては、短期集中よりも長期分散のほうが圧倒的に楽です。ペンを握って問題を解くタイプの勉強を継続するのは本当に大変で、私もできません。しかし、YouTubeやドラマを見ること自体は楽しいことのはずです。それが英語になり、少しだけ認知的な負荷がかかるからといって、途端に嫌になってしまうということはないでしょう。楽なことを長期継続する戦略を取るようにしてください。TOEICの受験に数ヶ月くらいのタイムリミットがある人は、ある程度文法問題や読解問題の演習に取り組むか、900点を取るのを諦める必要があります。言語において、楽をするというのは、時間を長く取るということなのです。
まあ金フレくらいはふつうにやってよ(笑)
一回で覚えようとすんなよ(笑)
手に取ってみるとわかりますが、金フレ(『TOEICL&R出る単特急 金のフレーズ』という英単語帳)は薄っぺらいです。一日一周でいいと思います。これは勉強できない人にありがちなんですが、単語帳をたった数周で覚えようとするのは間違いです。あなたがサヴァン症候群並のフォトグラフィック記憶を持っているのでないとしたら、毎日ペラペラめくって、気づいたら覚えているというのが単語帳の正攻法なのです。
ここで、「ちょっとまって、本気を出さずに900点取る方法を教えてくれるんじゃなかったの?」という人がいそうです。私はあくまで効率のよい方法を言っているだけなので、実現できなくたっていいんですよ。そのかわりに、長い期間が必要になるだけです。実際私は単語帳の継続ができなかったので、覚えては忘れ、覚えては忘れを繰り返しました。
ちなみに、単語帳の選択として金フレはかなりおすすめです。たとえば、'utensil'という、「器具」、主にフォークやスプーンなどの食器、調理器具を意味する英単語があります。はじめて見たという人もいるのではないでしょうか?私は結構な数の海外ドラマや洋画を見ていますが、この単語に出会ったのは金フレがはじめてでした。TOEICは、ビジネス英会話や日常英会話のシーンを想定した作問がなされているため、海外ドラマなどを使って英語を学習することとは相性がいいのですが、一方で、「そんな単語はじめて聞いたんだけど」というものもやはり存在します。「TOEIC英語」とでも言うべき、TOEICには頻出だけど日本人学習者にとって馴染みのない単語や、TOEICの「お約束の表現」みたいなものは、だいたい金フレでカバーできると思います。'utensil'がどれくらい一般的な英単語なのかはわかりませんが、リスニングで'utensil'を耳にしたとき、私は金フレの恩恵を感じました。
単語帳嫌いとか言うなよ(笑)
金フレのおすすめの周回方法を紹介します。一つは、買ったらまずは一周して、「見たことはあるけど意味がすぐに思い出せなかった単語」と「全く知らなかった単語」に印をつけます。二周目以降は印のある単語だけを見て覚えてしまうという方法。これをやれば最小限の努力で確実に一冊覚えきれます。しかも、リスニングで「あれこの言葉聞いたことあるけどなんだったっけ…。あ、しまった、時間がない!」というのを防げます。
もう一つは、エクストリームに怠惰な人に向けたものです。買ってまず一周ペラペラめくる。全く聞いたことのない単語だけに印を付けて、二周目以降は印のある単語だけを見るという方法です。頑張れば試験中に思い出せる(かもしれない)単語の記憶を強化するよりも、「そもそも聞いたことないから思い出すとかいう次元じゃねー」という単語を減らすことがまずは先でしょう。
二つ目の方法は、確実性、再現性に欠けるし、正直避けたほうがいいです。もし試験中に思い出せなければ失点するだけです。でも、冷静に考えてみてください。1つ目の方法で、全部即答できるレベルまで継続せず、途中で投げ出すくらいなら、二つ目の方法を最後までやりきったほうが、時間と労力の効率の観点でまだマシだと思います。当たり前ですが、金フレの単語で一度も見たことがない単語がある状態では、900点など無謀です。必ず試験日には金フレの単語の全てが最低限「聞いたことはある」レベルになっているようにしてください。なかなか定着しない単語があっても焦らなくて良いです。ドラマのセリフの中にふと現れたりして、意外と簡単に覚えられたりします。
試験まであと半年もあるならYouTube見て時間潰せば?(笑)
グダグダするのが好きな人は、だいたいスマホやタブレットも好きです。最近の若者は、1分程度の動画が半永久的に流れてくるTikTokやYouTube Shortsなどを見て時間を溶かすそうです。しかし、そんなクズの皆さんに朗報です。英語のTikTok、英語のYouTube Shorts見りゃいい。もちろん、日本人がアホみたいに踊ってる動画を、アメリカ人が下品にケツ振ってる動画に変えても意味はないです。視聴者に情報を提供しようとしているようなコンテンツを見るべきですね。
もし、あなたに10分の動画を最後まで見るだけの集中力が残っているなら、あなたは神に祝福されています。英語で普通のYouTube動画を見ましょう。英語の字幕をつけて、字幕を目で追いながらで構いません。知らない単語に出会ったら、まずは頑張って文脈から意味を考えてみます。「多分こういう意味だな」と思いながら調べると当たっていることもあります。とにかく、その場で意味を考える、その後すぐに調べるという癖をつけましょう。知らない単語を検索するのは絶対に欠かしてはいけません。慣れれば面倒くさくないです。メモを取りながら見る人もいるようですが、私は面倒なので使っていません。
YouTube動画で英語を学習するのはとてもいい勉強法です。しかし、絶対に注意してほしいのは、動画の内容です。イキってる高校生じゃないんだから、BBCとかCNNとかのお硬いニュース番組みたいなのを見るのはやめましょう。ニュース番組が好きで好きでたまらないというのなら話は別ですが、基本的には自分が楽しめるコンテンツでないと学習効率が悪くなってしまうはずです。ドーパミンがどうこうってやつです。
真面目なものを見ればいいと思っている人が多いと思いますが、それは少し違います。自分の趣味に関することでもいいし、自分の興味のあることなら何でも良いですが、見ていてつまらないものだけは絶対にNGです。身が入らない上、継続も難しくなります。英語に対して忌避意識を持つ原因にもなり得ます。
サブスクとポップコーンを用意しろ!
TOEIC受験に向けて、私が一番時間を費やしたのは、Netflixで海外ドラマを見まくることです。コメディからサスペンスまでたくさん見ましたが、クスッと笑えるような冗談交じりの作品を見るのが一番効果的な気がします。コメディがよほど大嫌いというのでない限りは、笑いながら勉強するのも素敵だというものでしょう。TOEICがビジネスや日常会話のシーンを想定して作問されているという話はしました。アクション映画とかを見て、「伏せろ!」とか「レッツゴー!」とか叫んでるのをリスニングしても意味ありませんし、アカデミックなドキュメンタリーを見て、専門用語を無理して覚えても、効率が悪いです。楽しめるコンテンツであることは大前提ですが、作品ごとに異なる、英語の「質」を考慮に入れてもいいかもしれませんね。
構図とか脚本とかを気にしすぎてはいけません。審美眼が肥えてしまっている人は、批判したい気持ちを抑えて、なるべく作品を楽しむようにしましょう。
ちなみに、一度見た作品をもう一度見ると、「おかしいな、この単語知らないぞ…」ってなることもあります。食事しながら、ゲームしながら、ときには寝落ちしながらドラマを見てれば、見逃すことなんて普通にあります。見逃したシーンの発見は結構記憶に残りやすかったりするので、同じドラマを何度も見るのも悪くないですよ。
英語を生活の一部にしたら勝ち
私は朝起きて一番最初にYouTubeを見ます。朝食を食べながらお気に入りのYouTuberの最新の動画をチェックします。それが日本語であるか英語であるかを考えることすらしません。もちろん、日本語の動画を最初に見る日もあれば、英語の動画を最初に見る日もあります。それくらいナチュラルに英語の動画を見てます。たまに英語でググるときもあります。最近は英語の勉強よりも、英語で勉強することのほうが多いです。自分の趣味や専門に関しては、日本語よりも英語のほうが用語の知識があったりします。TOEICにスピーキングは関係ありませんが、私は普通に英語が話せます。英会話の練習をしたことはありません。ゲームで知り合った外国人と一度通話をしたとき、当たり前のようにコミュニケーションを取れていた自分に驚いたほどです。
TOEICでは難なく900点を超えるし、スピーキングもある程度できるけど、自分は英語ができるのだ、ということを取り立てて考えることは別にありません。多分、長い時間をかけてゆっくりと成長してきたから、自分の成長に改めて目を向けることがなかったのだと思います。怠惰な私が長い期間、継続することができたのは、それがらくなことで、しかもたのしいことだったからでしょう。最初は、「意識高いことをしているな」という気がして気持ち悪いかもしれませんが、時間が経てば慣れてしまいます。TOEICに向けて英語を勉強をしているという意識は、次第に消えていきます。TOEIC受験の翌朝、目を覚ましてiPadでYouTubeを開くと、登録チャンネルの英語の動画がおすすめに出てくるでしょう。あなたは無意識にタップすることになります。そして、死ぬまでやめることのない習慣へとなり、気づけばあなたは英語を生活の一部にしてしまっているのです。