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ソシエダが勝てない理由、レアルが不調の理由/先に立ち返るのはどちらか

戻るべき場所



かっ、勝てません。。。ソシエダ


なっ、なんか不安定です。。。レアル・マドリード


開幕したての頃なんて、基本どのチームもそうなんですけど、特にこの2チームはEUROとかにたくさんの選手を派遣しているので、選手のコンディションにバラつきがあるのは当然です。



とは言えども、この2チームに関してはどうも選手のコンディションとか、そういう問題以前のような気がしてならない。あ~知りたい!そんな取材班は、その探求心を持ってアラスカへと向かうのであった。



レアルとレアル


■再構築が求められるラ・レアル

アノエタでのラ・リーガ第5節はレアル同士の対決。結果から言うと、マドリーの方のレアルがPK2発を沈めて2-0の勝利を収めましたが、内容的にはどっちもどっち。ソシエダの方のレアルがこの試合に限ってはよかったものの、クオリティはどうなのか?だと、やっぱ大幅な戦力ダウンの影響は避けられないか。


スタメンから

ル・ノルマンにミケル・メリーノの退団。そしてオヤルサバルにブライス・メンデスの長期離脱と昨シーズンからの大幅な戦力ダウンは否めず、難しいシーズンのスタートではあります。

抜けたのが中心中の中心なので、スビメンディ除く中央の骨格がごっそり抜けたのでここのビルドアップは再構築が必要です。ここで1つ問題があるのが我らがタケクボ。タケクボがどんどん中に入って行っちゃう。

中央の数的優位はあるんですけど、スビメンディのプレーエリアを削減してしまう追加効果を生み出してしまうので、実はそんなにプラスになっていない。それと、これはソシエダに加入してからずっとイマノルから言われていることですけど、ポジションを維持できない。タケクボが一番力を発揮できるのが右ですが、昨シーズンまではメリーノとメンデスがいたので、それでも入っちゃうんですけど秩序が乱れるほどではなかった。ただ今季は中盤再構築せざるを得ないので、タケクボが動いちゃうと右からバランス崩れる。どうしてもタケクボが入っちゃうときは代わりに

スチッチがバランスとってサイドに出ますけど、どう見てもチーム戦術の動きじゃないんだよな。秩序を乱さないためにスチッチが気を利かせて動いてるみたいな。タケクボが今のソシエダに多大な影響を与えられるエース格なのは確かですけど、例えば加入当初は2トップの一角で自由に動けたのはその背後にシルバがいたからなんですよね。

この中盤再構築が必須なんですが、その作業最中にタケクボがガンガン中入っちゃう問題。プレッシングやル・ノルマン抜けたことによる最終ラインの設定値が低くなってるとか問題点多すぎなんですけど、ちょっとそこは後で。



■基盤を失ったレアル・マドリード

昨シーズンのCL王者のスカッドにクロースoutエムバペinという火力上がったけど砲撃主は誰やねんな編制になったレアルでしたが、思った以上にバランスが乱れていた。

開幕戦で見られた「ポジション全員無視の左寄ってっちゃう現象」はアンチェロッティなら時間で解決できるでしょうって感じなんですけど、ネガトラに関しては時間で解決できる話ではないかと。今のレアル一番の問題点はネガトラ、というかアンチェロッティの基本基盤を見失っているところです。


改めておさらいのお勉強です。
アンチェロッティの基本システムは何だったでしょうか??

一般論として言えば、4-4-2は現在もなお、守備に関しては最良のシステムであると私は考えている。それは、サイドと中央の両方をバランスよくカバーすることができるからだ。実際私自身、「クリスマスツリー」をはじめとする他のシステムにおいても守備の局面にはこのシステムを採用することが少なくない。10人のフィールドプレーヤーを3つのラインに配置するこの布陣は、陣形をコンパクトに保ちやすく、したがって敵陣においてもバランスを崩さず相手に効果的なプレッシャーをかけることを可能にする。

アンチェロッティの完全戦術論
発行 河出書房新社
著者 カルロ・アンチェロッティ、ジョルジョ・チャスキーニ
訳 片野道郎
69項より引用


答えは「4-4-2」です。BBCの時もミランのクリスマスツリーも昨シーズンまでの第2次体制も、基本軸はこの4-4-2であって、ここからの派生版です。

これが理想のはずでした。ただ、中盤の4枚に加わるのがロドリゴになるので、表面上は4枚ですけど、クオリティは3枚と同じ。ロドリゴが全然絞れていなかった。

この戦術的ネガトラの問題で、昨シーズンまで機能していたミドルプレスが上手くはまらずショートカウンターを繰り出せず、最終ラインまで相手に前進される。ここにはミリトンにリュディガー、最後にクルトワが止めはするものの、ここまで運ばれるということはイコールでこの最終ラインから毎度ビルドアップをしなければならない、つまりカウンターを繰り出せないことでエムバペやヴィニシウスが活きるスピードある速攻ができないのです。



■ソシエダが主導権を握れた理由

タケクボが動き回りすぎる問題はあるにせよ、ここまで勝てない日々が続くとそうは言ってられないので、勝てれば結果オーライでとりあえず自由にやらせてる感じです。

ブラヒムとギュレルがスタメンに入ったこの日のレアルは、4-4-2の構成力を落とさない布陣。ただネガトラの整備はまだ全然できていないので、幸いにもソシエダからしたらタケクボが中で中盤に加わることが数的優位とトランジションで上回ることに繋がったという皮肉。つまりどちらとも構成力はないに等しいが、たまたま組み合わせの問題でソシエダが上回ることができただけ。

ベリンガムと違って、ギュレルもブラヒムもトランジションに強みがあるタイプではないので、4-4-2までは作れてもネガトラで相手を上回れない。あとヴィニシウスはネガトラ時は行方不明。

ネガトラが機能してないからソシエダはこの日は上手くいってましたけど、これ相手がハイプレスをガンガンやって来るようであれば、それこそラージョとかアトレティコ、今季のバルサ相手だと今の状態のソシエダはホントボコられる。やっぱタケクボがソシエダにおける切り札なので、自由にプレーさせたいけど自由にやらせたら右が壊滅する。

ミドルプレスが機能されたら、マジでこれでボコられていた。相手を深くまで押し込んで前進できたからカウンターを喰らわなくて済んだんですけどね。このゲームに関してはあまりにもありとあらゆる状況がイレギュラーすぎたので中盤の配置やビルドアップ、ハイプレスを整えないとタケクボの動きはどんどんマイナスになるだけ。イマノルがベッカーを右で使いたくなる理由も、決してタケクボが構想外であるわけではないです。むしろソシエダにとってエースなわけなので本音はずっと使いたい。だけど、あらゆる問題点が多すぎることでチームの秩序を整えるためにはタケクボは諸刃の剣すぎる存在なんです。ある意味でタケクボも犠牲者なんだけどね。



■レアルが本調子を取り戻すには

バルサが最高過ぎるスタートを切っていますけど(ぐふふ)、レアルは負けているわけではないので慌ててはいないと思います。ただこのソシエダ戦に勝てた理由を論理的に説明せよだとかなり難しい。なにせ決定機は本当にPK2本くらいしかなかったんだから。

ソシエダと違ってレアルには4-4-2という戻れる基盤があります。これを組み合わせられるか。低い位置からのビルドアップも、別に昨シーズンも同じようにあったんですけど、昨シーズンまではクロースがいたので

深い位置からでも組み立てられたんですけどね。それよりもまずは4-4-2を取り戻すことです。クロース問題はそれからでいいし、たぶんアンチェはクロースの後釜とかそんなことは考えてないと思うよ。ビルドアップで全く違うシステムを構築すると思う。で、たぶんレアルならこの問題さえ解決すれば質は高いからなんだかんだ爆発するはず。だからエムバペに関しては時間が解決する問題でしょうけど、戦術の根本の問題なので、アンチェもアンチェでやること多すぎ。CB補強しろ。





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