アトレティコとバルサの戦争/チャビの要塞陥落作戦
要塞攻略
アトレティコにとって1年以上負けていないという完全要塞、シビタス・メトロポリターノ。最後に負けたのが昨シーズンの1月のバルサ戦ということで、そのバルサを迎え撃つわけです。
それ以来となるアトレティコとバルサの決戦。シメオネとチャビの戦争。結果は如何に。
シメオネキラーことチャビ
■アトレティコのプレスとバルサとの嚙み合わせ
バルサ、アトレティコ共にいつも通りの布陣。チャビ相手に全敗中という意外なデータをお持ちのドン・シメオネは今度こそ打倒チャビ、、、いや打倒バルサに向け何か秘策でもあるのか。
アトレティコの5バックに対してバルサはフェルミンとフォルトを上げて対面構築。アトレティコが弱いのはたぶんコレ。アトレティコの5バックは隙なしのカバーリングが徹底されているから意味あるのであって、それぞれに対面から潰し合われると弱い。まぁこれは後での話で。
アトレティコのハイプレスは、バルサが3バックとギュン&セルジ残しの5枚に対して2トップ+3ハーフがスライドして対応。ただ後方5バックが対面構築によって完全なるピン止めなので、例えば前半からあったのは右起点だと
右ウイングのラフィーニャがリノを引き連れて下りてくる。これでアトレティコ左大外がガッポリと空く。
逆だと
コッチはフェリックスが下りてくる。これで左ハーフスペースがガッポリ空く。
今回におけるバルサのアトレティコ粉砕計画は、この右大外と左ハーフスペースにスペースを作り出すことで、アトレティコのハイプレスをかわすと同時に5バックを砕く。
■対面構築化におけるバルサの絶対的優位性
シメオネがチャビに勝てない理由に、対面構築化において優位性を作れないということ。今回で言えば、まずレヴァ対ヴィツェルでヴィツェルが勝てる画はまず描けん。ここでズレるんですよ。例えば、右でラフィーニャがリノを釣った場面で
ラフィーニャが釣った裏をフェルミンが抜ける。これでレイニルドも釣る。これによってレヴァが下りてボールを受けることができる。対面のヴィツェルに負けることはないので、ここで楽にボールキープできる。
これでアトレティコの5バックは完全に砕けたわけです。3バックのうち2枚が釣られた。すると
サビッチが1人で広大なスペースをカバーしなければならない。ただサビッチが浮いたということは、フェリックスが空く。
逆のパターンでも、フェリックスがサビッチを釣ってその裏をレヴァが突く。
まず大前提として、それぞれの対面における質で上回っているからこそ配置によってスペースを作ることができる。アトレティコの5バックのバランス性における生命線「カバーリング」を封じることもできる。最前線でバルサの圧倒的優位性が生まれる。
■本当に封じられていたのはどこ?
でもシメオネの5バックは、引いてブロックを作る5バックではなく、前線のハイプレスを補佐するという意味での5バックです。アトレティコにおける生命線はハイプレス。これさえ機能すれば、5バックがピン止めされたとしても、まだ戦えるのです。
後半、グリーズマンとメンフィスを投入してシステムも噛み合わせてきたシメオネ。
バルサの後方もガッツリとマークが噛み合うようになりますけど、こうなれば前半同様に
前線が下りてくる。
後方でバルサに優位を作らせまい!とアトレティコもリスク承知で付いていくも、ガッツリとお互いが噛み合っている中でバルサが次に生み出したのが
クンデのオーバーラップ。後半は特に増えたかなと。
これで完璧にアトレティコを粉砕したバルサ。では結局はアトレティコの何を叩いたのか。
5バックは対面構築化においてピン止めされていました。でも、ピン止めしたからといって、ボールが来なければピン止めの意味もないのです。
ところがちゃんとボールが前線に届いてブロックが粉砕されている。ということは、本当の意味でバルサがアトレティコを封じていたのはブロックではなくハイプレスです。
後方のビルドアップにおいても対面構築化されていた。アトレティコのハイウレスにおいては優位性が存在しなかったのです。バルサにおいては、特にギュンドアンとクバルシはビルドアップに絶対的質的優位性を働かせることができます。いざとなればテアに戻してもプレス回避は可能です。アトレティコのハイプレスに数的優位さえ作らせなければ対面操作だけでプレスを無効化させられる。そして数的優位を生み出させないための前線の対面構築策。バルサからしたらすべてが噛み合った最高の勝利。難攻不落の要塞を完全攻略!!
Thanks for watching!!
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