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「キミとアイドルプリキュア♪」始動



1 はじめに

ここでは、この作品自体を取り上げるつもりはありません。が、少しだけ触れておくと、キャラクターのネーミングがダサすぎる…

もし提灯記事を期待しているのならここでお帰りいただくのが賢明です。残念でした。

2 やめられない止まらない!?

これまでに数多のキャラクターを使い捨ててきたプリキュアシリーズの新作が始まりました。目下のドル箱で、新しい玩具をじゃんじゃん売りたい大スポンサー様の意向でこういうことになっているのでしょう。それでも、ときどき苦し紛れの企画を出してきますが、今さら80名を裕に超えるキャラクターたちにあまねく光を当てることなど到底無理なお話。

商業主義の姿勢が見え見えで、そのやり方は大量生産・大量消費を良しとする昭和の時代を彷彿とさせます。スポンサーが同じアイカツ陣営との関係はわかりませんが、特に今度の新作はプリズムストーン陣営の向こうでも張っているのでしょうか。

もっとも、2007年あたりからは毎回好き勝手にやっているようなので、シリーズというより、それぞれを別物として捉えた方がいいのかもしれません。

3 お粗末なリテール部門

売らんかな、の姿勢が見え見えの割に、リテール部門の対応がなんともお粗末なこと。予定も含めてたったの5店舗、しかも東名阪に集中している常設店に行けない人たちから見れば、行ける人は恵まれていると思われるかもしれませんが、実態は新商品が出ても即完売は日常茶飯事で、必ず手に入るわけではありません。在庫のリスクを回避したいのか、さっさとディスコン(取扱終了)にしてしまう商品は珍しくなく、そうなると、その商品を正規ルートで入手する手段はもうありません。

【写真3.1】5月納品で新年が云々って何よ?

後日オンラインで取り扱われればまだいい方ですが、呆れるほど先の納期を提示してくることはしばしばです。日頃、操業が1日止まるだけで大きな損失が出るような顧客とお付き合いすることが多い立場からすると、こういうお役所仕事がまかり通る業界は羨ましいです。

その結果、俗に言う転売ヤーを喜ばせることになります。いくら数量制限をしたところで、こういう連中はあの手この手でかいくぐってきますし、そもそも仕込みの見積が甘すぎるから問題を起こすのでしょう。こんなことを延々と繰り返していますが、学習能力というものがないのでしょうか。

目先の仕事をロクに捌けもしないのに、そうまでして自前で抱え込みたがるのはなぜか。答えは簡単で、ライセンス事業より儲かるからでしょう。どう見てもカスタマー・ファーストではなくカンパニー・ファーストの姿勢です。パフォーマンスの低下はSDGs達成のためだ、と言い張るのかもしれませんが、仮にそうだとしても、それに伴う不利益を何もかもファンに押しつけるのはおかしくありませんかね。

ところで、これは他でもやっていることですが、ブラインド商品というのは小さなお友達に賭博を教えるためにあるのでしょうか。というのは冗談で、実際には特定のキャラクターだけが売れ残るリスクを防ぐのが目的でしょう。

これもSDGs達成のためだと言い張るのはおかしな話で、実際のところは推しではないキャラクターに当たったらフリマなどで売り飛ばしてしまうのかもしれませんが、エンドユーザー側で捨てられるのなら無意味です。あくまで企業側の都合だけを優先させているという点で、これもカンパニー・ファーストの考え方です。

あまり突っ込むとガチャポンの存在も否定してしまうことになるので、この辺でやめておきます。そういえば、この問題とは少し違いますが、カードだけを抜き取ってお菓子は捨ててしまうという「仮面ライダースナック問題」というのが昔ありましたね。

4 商品? or 作品?

おそらく、この陣営はそのキャラクターなりを商品としてしか捉えていないのでしょう。そして、ファンのことはカモくらいにしか思っていないのでしょうね。20周年記念イベントなどに行ったことがあれば実感できると思います。

少なくとも、2018年にテレビアニメが放映された「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」を今も大切にフォローし続ける京都アニメーションの姿勢とは対照的です。こちらは作品と捉えているのでしょうね。ファンとの向き合い方も含め、戦艦大和サンダーバードくらいの違いがあるかもしれません。

【写真4.1】アナログレコード 正調日本軍歌集 海軍篇(日本コロムビア)
【写真4.2】アナログレコード THUNDERBIRDS ARE GO(SILVA SCREEN)

どちらがどちらかは言うまでもないでしょう。ちなみに、前者は動きが鈍い組織の揶揄としても使われますね。そういえば、かつて「我々は宇宙戦艦ヤマトになる」と言った某大手電機メーカーの社長がいました。

ファンはその姿勢をちゃんと見てますよ。作り手がその作品を大事にしているとわかればグッズを転売したり、転売されたグッズに手を出したりはしないでしょう。また、不正行為を見つけたら憤るでしょう。一方、そういう作り手はファンをしっかりフォローするものです。

5 最後に

筆者は電子回路技術者で、アニメ評論家ではありませんから、よほどのことがない限り、この先このシリーズに触れることはないと思います。そんな余裕があったら他のことをやりたいですし、今の音楽業界と同様、当事者に問題意識がない限り何も変わりませんから。まぁ、あれこれ言われているうちが華なのですけどね。逆に、何も言われなくなったときには見放されたと思った方がいいです。

それにしても、ずいぶん変わったオッサンがいるものだと思われているでしょうが、技術屋なんてのは変人だと思われるくらいでないと新しいアイディアなんて生まれてこないでしょう。筆者の周りだけかもしれませんが、特にアナログ回路屋は変わり者が多いという印象があります。

最後の最後に技術屋らしい(!?)ネタで締めくくりますが、革新的なモノリシックICオペアンプであるμA709を設計したボブ・ワイドラー氏は相当な変わり者だったそうです。

この辺の話は、OPアンプの歴史と回路技術の基礎知識(アナログデバイセズ著・電子回路技術研究会訳・CQ出版社)に書かれています。

製品は高価でおいそれとは使えませんが、どこかの企業と違って、これを無償で公開しているアナデバさんはなんと太っ腹なこと。ただし、ダウンロードする前に氏名メールアドレス会社名あるいは学校名所在地(都道府県まで)の入力が必要です。ちなみに、筆者は紙の本をちゃんと買いました。

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ねこねこ32
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