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空と君のあいだに 中島みゆき

中島みゆきの「空と君のあいだに」が、犬の目線で書かれているというのは有名な話だ。何せグーグルで「空と君のあいだに△」と打つと、「犬」という候補が上がるほどなのである。
しかしこの曲は歌詞謎解きの面白さに満ちており、敢えて採り上げる。

安達祐実主演のドラマ「家なき子」の主題歌であり、安達扮する少女すずの飼い犬リュウの想いを歌った曲である。
つまりはアテ書きである。
アテ書きに名曲あり。

この曲を聴いた当初は、歌詞に腑に落ちない部分があったが、犬の目線で書かれていると知るとストンと腹に落ちる。
例えば「あいつの正体を僕は知ってた」とか「引き留める僕を振り払った遠い夜」といった部分。
普通の男女の歌として聞くと、ちょっとイメージが湧かない。
この人たちがどういう関係性なのか分かりにくい。
それが「飼い犬の目線」だと分かると、鮮やかなイメージとなって立ち上がってくる。
すずに近寄る男を動物ならではの鋭い嗅覚で「コイツ、ワルイヤツ」と見抜き、唸るリュウ。
その袖口を噛んでリュウが引き留めるのを、振り払って出て行くすず。

すずとリュウ

そもそも「空と君のあいだに」というタイトル。
リュウがすずを見上げると、そこにはすずと空しかない。
曲名がすでに謎解きの大きなヒントとなっているのである。
これこそ歌詞謎解きの醍醐味だろう。

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