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カブトムシ aiko

aikoの「カブトムシ」。
彼女の代名詞ともいえる人気曲である。
歌詞は詩的な表現が多く難解だが、曲名のおかげで可愛らしい印象を受ける。
自分がカブトムシで、彼が樹木、というわけで、彼の広い背中にチビのaikoがしがみついているようなイメージか。

ひとつ目の謎は、なぜカブトムシなのか、ということ。
私はそこに、性的なニュアンスを感じる。
なぜならカブトムシは「樹液をすすって生きる」存在だから。
自分と彼の関係を隠喩しているのだから、「彼の樹液をすする」というのが、どういう行為を指すのか。
言わずもがなだろう。
そして「スピード落としたメリーゴーランド」の部分。
ゆっくり弧を描くような前後の律動と、「たてがみ揺れる」がaikoの髪がたゆたう様を描いているとしたら。
エロティックな光景が立ち上がってくる。
aikoには、こんな企みを歌詞に忍ばせそうな茶目っ気があるのだ。


恋多き女

もうひとつの謎は「生涯忘れることはない」のは何なのか、書かれていないということ。
性的な解釈で進めているのだから、答えは明らかである。
言われた男にしてみたら、嬉しいような、ちょっと重たいような。

「好きな人にする態度とか、言ってることとかは硬い殻で自分のこと守ってるけど、裏向けたら柔らかくて、じゃばらで弱くて、自分の心の感じが一緒やな」と思ってカブトムシにした、というのが本人談である。
だがこれは、いかにも公式コメントめいている。
少なくとも歌詞から、そのような要素は読み取れない。

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