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私が知らなかったコロナの世界


辻村深月先生の新刊「この夏の星を見る」

2020年春、コロナが現れてから一変した生活。
正直、コロナを題材にした小説はあまり好きではなくて、小説の中くらいコロナから離れていたいって思っていたんだけど、これは私が知らなかったコロナ禍の話だった。私はもう大人で、コロナ禍でできなくなった事は旅行と外食程度。もちろん苦しい思いもたくさんしたけど、大した事ではなかった。

ニュースで高校野球や色んなイベント.大会が中止になって、可哀想だなとは思っていたけど結局自分には関係のない話で、この小説にはそういう'可哀想'な思いをした、誰のせいにもできない学生たちがでてきてすごく苦しくなった。読んだだけで苦しいのに、当事者は誰にもぶつける事のできない悔しさや悲しさを抱いて生きていたんだな、と...

日常の楽しみを奪われた学生たちが、ある繋がりをきっかけにオンラインで繋がっていきます。
綿引先生の「そんなことを子供たちに選ばせなきゃならなかったことが悔しい。コロナがあったから失われ、でもコロナがあったから出会えたこともある。どちらがよかったのかなんて葛藤をあの子達が持たなきゃならないことがもどかしい。」のセリフが、すごく胸に残った。

星座のこと、宇宙のこと、何も分からないけど、今日から夜空をきちんと見てみようと思った。

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