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Amazon Pay 決済導入に係る懸念事項
Amazon Payを使ったことが無いので、もし間違っているようなら指摘してほしいのだが、これはつまり、Amzonのギフトコード残高を使ってnoteの記事が買えるようになった、という理解でよいだろうか。
もしそうだとすると、非常に便利になる反面、よからぬ輩が今以上に増えるリスクがある。
noteはすでに送金手段として使われている側面がある。
たとえばこれだ。
手数料がかかるので、paypayによる匿名送金よりは事例が少ない。
しかし、送金用有料noteは確実に存在する。
匿名送金として最もハードルが低いものの一つがAmazonのギフトコードで、その手軽さと匿名性の高さにより、特殊詐欺によく使われる。
被害者は、ギフトコードのコード(数字とアルファベットの羅列)を送るよう指示されたり、ギフトカードの写真を送るように指示されたりする。
詐欺とまではいかなくとも、匿名でお金を集めたい人にとって、Amazonのギフトコードはあまりにも便利すぎる。
今回のnoteのAmazon Pay導入で、送金用有料noteが増えるとは思わないが、たとえば以下のような事例が発生しやすくなると考える。
それはランキング操作である。
noteには記事の人気ランキングがないとされているが、実質的にランキングのような機能を果たしているものがいくつかあって、その一つが企画投稿ページである。
ここで「人気」「急上昇」に載ることは、他サイトでランキング上位に入ることと同じだ。
中でも「#有料記事書いてみた」は、ランキング上位になることが売上と直結するため、利用されやすい。
正確なアルゴリズムは誰も知らないが、スキ、PV、購入などの数が反映されるのは想像に難くない。
したがって、いかに自分のコンテンツのスキやPVを稼ぐか、というテーマは「note攻略」のかなめとして語られやすい。
今までは、購入数を操作することは極めて難しかったと言えるが、これからはどうだろう。
想定される手口はこうである。
まず、noteの外部にコミュニティを作る。
外部とは、各種SNSに加え、メルマガやDiscordなどが考えられる。
そこのメンバーに、仮に200円ずつ配る。
50人のコミュニティなら一万円かかる計算だが、用意できない金額ではない。
そして、こんな指示を出す。
200円のうち100円は好きに使ってください。残りの100円で、僕の記事を買ってください。
こうすると、1万円で50人分の「購入数」を買えることになる。
SNSのフォロワーを買ったり、YouTubeのチャンネル登録を買うのと一緒だ。
決して褒められたことではないが、犯罪とまでは言いにくい。
「50人に200円ずつ配ること」は、昔はとても手間のかかる作業だった。
銀行の口座情報をたやすく他人に教える人は極めてまれだし、手数料のことを考えれば割に合わず、ほぼ不可能だったと言っていい。
しかし、paypayをはじめとした個人間送金アプリの登場によって匿名性が守られるようになり、Amazonギフトコードをはじめとしたギフト券の登場によって、手間や手数料が省かれた。
そういう意味では、Amazon Payが導入される前から「50人に200円ずつ配ること」は容易だったけれど、導入によって、受け取る側が有料記事を購入する手間がほぼゼロになった。
これは、購入数(と高評価数)を買おうと考えている連中にとって都合が良すぎる。
何かの仕組みが便利になるということは、往々にして、その仕組みを悪用しようと考えている輩にとっても便利になるということである。
そして、仕組みを作る人たちも、往々にして、その悪用が自分たち運営にとって困るものでなければ、黙認するものである。
コストに見合うかどうか、それだけだ。
長い目で見れば、各投稿企画の上位記事がくだらないもので埋め尽くされることは、noteというプラットフォームにとって大きな打撃になる。
しかし、前例を見ると――たとえば、ブログではなく小説の投稿サイトになってしまうが、「小説家になろう」では、かなり長い間、ランキング不正に対してなんらの規制もされなかった歴史がある。
プラットフォームや投稿される記事全体の質というのは、分かりやすい数字としては表れにくい。
購入者数の買い増しも、プラットフォーム側から見れば、売り上げ手数料(すなわち収益)の増加でしかない。
自作自演であれば検知する仕組みも作れるだろうが、外部コミュニティのパトロールとなると、まったく現実的ではない。
したがって、もしここで述べたような事態が発生したとしても、運営による対策が講じられる可能性は限りなくゼロに近い。
ユーザーの良心なんてものに期待できるほど、僕はピュアではない。
せめて希望が残っているとすれば、まっとうにnoteで収益を上げているnoterが、不正っぽいものを目にしたときに声を上げるかもしれないことだけだ。
前述の小説投稿サイトの例では、既得権益が弱すぎた。
不正をしてランキングを上げた作品に、その座を取って代わられた投稿者も、不満を募らせてはいたものの、それだけだった。
しかし、noteの場合は売上――お金が絡んでくる。
ごくごく少数ではあるが、noteで飯を食っている人もいる。
副業として、娯楽に使うお小遣いや、子育て等に回す生活費の一部を稼いでいる人もいる。
不当に稼いでいる連中のせいで、正当に稼いでいる自分の収益が悪化したとなれば、こうしたnoterが本気で騒いでくれるのではないか?
なにせ死活問題に近いのだから。
これが、僕のこの件に関する希望的観測である。
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