「治る」って何だろう?
こんにちわ、ねこまねきです。
前回の記事で「完治しない」は「現代の医療では治せない」ということだと書きました。
今回はそこからさらに深掘りして、「治る」とは何かを考えてみたいと思います。
(なおこの記事は私個人の意見であり、一般的な知識で書いたものです。専門的な医学知識に基づくものではありませんので、あらかじめご理解下さい。)
風邪が「治る」というのはどんな状態を指すのか
誰でも一度は風邪をひいたことがありますよね。
風邪の症状として出るのは発熱、鼻水、咳、のどの痛み など。
これらの症状が無くなると、「風邪が治った」と言ってませんか?
実は風邪の症状というのは、体内に侵入したウイルスに対する免疫の反応です。
熱を出してウイルスの増殖を抑え
感染部位で白血球が戦うから痛みが出て
鼻水でからめて
咳で外に出す
でも、原因となるウイルスがいなくなったかは重要視されていない。
あくまでも、「症状がなくなったかどうか」が大事なんです。
大切なのは日常生活に戻れるかどうかでは?
水疱瘡や帯状疱疹の原因となるヘルペスウイルス。このウイルスは一度感染すると一生体内に潜伏します。
免疫が弱った時、つまり体調が悪くなった時だけ出てきて症状を引き起こす。
この場合も症状がなくなれば「治った」となり、ウイルスの駆除は問題ではありません。
「完治しない」と言われる病気もたくさんあります。
これらの病気に対しては進行を遅らせたり、症状を和らげるための治療が行われます。
この治療の目的は何か?それは「いかに日常生活が送れるか」です。
がんの場合は投薬や手術でがん細胞を減らしていきます。
がん細胞がなくなれば「治った」です。
がんは再発しやすい病気だと言われますが、少なくとも再発するまでは「治って」いますよね。
がん細胞があっても普段通りの生活ができる人も大勢います。
この場合も大切なのは「日常生活を送れること」です。
色々なタイプの病気がありますが、治療の本質というのは「日常生活に戻ること」ではないでしょうか?
以前と同じ生活に戻れる場合もあれば、以前とは違う日常生活を送れる場合もあります。
ギャンブル依存症の「治る」とは?
ギャンブル依存症を治したい。そう思っている当事者はたくさんいます。
ギャンブル依存症が治るってどういうこと?
それは「ギャンブルをしない日常生活を送れること」ではないでしょうか。
人によっては、ギャンブル愛好家のようにギャンブルをやれること、というのを考えてしまう人もいます。
でも、よく考えてみてください。
我々、ギャンブル依存症者の脳には既にギャンブルに対して反応する回路が出来てしまっています。
これは無意識に反応する経路であり、一度作動してしまったらまた止まらなくなってしまいませんか?
意志の力で花粉症のくしゃみが止められますか?
これと同じレベルの話なんですよね。
意志よりも速い速度で反応する経路なので、止められるわけがないんです。
そのことをきちんと自覚すること。
それがギャンブル依存症の治療の第一歩ではないでしょうか?
だから12ステップの最初は「無力であることを認める」なのだと思います。
病気の性質をきちんと理解して、症状が出ないための方法を考える。
トリガーを探るために、自己分析を続けていく。
ストレスがトリガーになるんだったら、ストレスの原因をつぶしていく。
もしかしたら再発してしまうかもしれない。
だったら、そこから発動条件を探れば良いのでは?
トライアンドエラーで次の再発を防ぐことを考えていく。
そうやって「ギャンブルをしない日常生活を続けられる」ことこそが
ギャンブル依存症が治る、ということなのではないでしょうか。
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