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0~6歳の発達、いつどんな基準で専門家に相談?「ことば・運動・社会性」

はじめに 

子どもの発達には本当に個人差があります。おしゃべりが早い子もいれば、ゆっくりな子もいますし、歩き始める時期も様々です。周りの子と比べて「うちの子、遅いかも?」と思うと不安になりますよね😥。でも大丈夫、多くの場合は成長とともに追いついていくことがほとんどです。

とはいえ、場合によっては早めの専門家への相談が子どものためになることもあります。「もう少し様子を見るべき?それとも相談した方がいい?」と悩む親御さんが適切に判断できるように、このガイドではことば・運動・社会性の3つの観点で発達の目安と相談の基準を整理しました。特に「ことばの発達が遅い」「集団行動が苦手かも」「歩き方がぎこちない」といった悩みにフォーカスしています。

過度に心配しすぎず🙂、でも必要な時にはきちんと相談できるように、一緒にポイントを確認していきましょう!

発達の目安と相談基準 📊

🌟 ことばの発達

目安(0~6歳):子どもの言葉はだんだんと言えることが増えていきます。一般的な段階の目安はこんな感じです。もちろん個人差がありますが、参考にしてくださいね。

  • 0歳~1歳頃:喃語(ばぶばぶ、といった音)を発します。大人の話しかけに「あー」「うー」などでおしゃべりするようになります​

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  • 1歳半~2歳頃:一語文から二語文へと発達します。「まんま(ご飯)」「ブーブ(車)」など一語で気持ちを伝えていたのが、1歳半~2歳くらいになると「ママ きて」「ワンワン かわいい」のように二語文を使う子が増えてきます​

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  • 2歳~3歳頃:さらに発達して三語文(3つの単語を組み合わせた文)を話すようになります​

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  • 3歳~4歳頃:言葉がよりしっかりしてきて、複文(「〜だけど、…です」のように複数のフレーズを繋げた文)も話せるようになります​

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  • 4歳~6歳頃:言葉でのコミュニケーション力がぐんと高まります。友達とおしゃべりしたり、空想の話をしたり、語彙も豊富になっていきます。5歳~6歳頃には、自分の体験を物語のように話したり、長いお話を理解したりする力も育ってきます​

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相談基準:ことばの発達がゆっくりな場合、どのタイミングで相談すべきでしょうか?専門家の基準では、以下のようなポイントがあります。

  • 2歳になっても意味のある単語がほとんど出ない場合🗣️。例えば、2歳時点で「ママ」「ブーブー」など日常で使う単語が数語しか出てこない場合は、言葉の発達の遅れが疑われます​

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  • 3歳になっても二語文(「ママ来て」など)を話さない場合🗣️。3歳頃には多くの子が「○○行こう」「△△したいの」など2語以上をつなげて話します​

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その他にも、言葉の理解が極端に遅い場合も注意です。例えばこちらの呼びかけに全く反応しなかったり、簡単な指示(「これ取って」など)が全然通じない場合も、言葉の発達の遅れや聴力の問題が疑われます​shohgaisha.com


相談先:言葉の発達が心配なときは、以下のような専門家に相談できます。

  • 言語聴覚士(ST):言葉の遅れに対する評価や訓練の専門家です。発音や言葉の理解を遊びの中で促す療法(言語療法)などを行ってくれます。

  • 小児科医:まずは身近な小児科に相談してみましょう。必要に応じて聴力検査を手配したり、専門の医療機関(発達外来など)へ紹介してくれます。実際、言葉が遅い原因としては耳の聞こえの問題がないか確認することが大切だと指摘されています​

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  • 児童心理士・発達の専門機関:発達相談を専門にしている心理士さんや、公的な発達相談センターなども頼れます。言葉だけでなく全体的な発達の中で言葉の遅れを評価し、必要な支援プログラムを紹介してくれるでしょう。

🌟 運動の発達

目安(0~6歳)体の動きや運動能力も乳幼児期にめざましく発達します。目安となる発達段階は以下の通りですが、こちらもかなり個人差があります。早い子もいればゆっくりな子もいるので、あくまで「平均的にはこれくらい」という参考にしてください🙂。

  • 3~4ヶ月頃:首が座り、自分の力で頭を支えられるようになります。うつ伏せにすると頭を持ち上げる子もいます。​

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  • 5~7ヶ月頃:寝返りをうち始めます​

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  • 8~10ヶ月頃:ハイハイ(四つんばいでの移動)やつかまり立ちを始めます​

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  • 1歳~1歳3ヶ月頃:伝い歩きからひとり歩きへと移行します。平均的には1歳前後でヨチヨチ歩きを始める子が多いですが、1歳3ヶ月くらいまでは初めの一歩にばらつきがあります​

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  • 1歳6ヶ月~2歳頃:ほとんどの子がしっかり歩けるようになります。公的な1歳半健診でも、1歳6か月児の約99%が一人で歩けるとのデータがあります​

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  • 3歳頃:両足を交互に使って階段を上る・下りることができる子が増えます。ジャンプしたり、片足立ちで数秒バランスを取ったりといった動きも見られます。三輪車をこぐ、簡単な遊具を使うなど、遊びの幅も広がります。

  • 4~6歳頃:さらに運動能力が向上し、協調運動(体を思い通りに動かす能力)が発達します。4歳頃には片足ケンケンやスキップのような複雑な動きもできるようになり、5~6歳になると走る・跳ぶ・投げるといった基本動作がほぼ大人と同じようにできるようになります。幼稚園や保育園での運動遊びや外遊びを通じて、体力もついてくる時期です。

相談基準:運動発達にも個人差はありますが、「ここまでにこれができないと心配」という目安があります。以下のポイントに当てはまる場合は、一度専門家に相談してみましょう。

  • 1歳半を過ぎても歩かない場合 🚶‍♂️。一般的に、遅い子でも1歳半くらいまでには一人で歩き始めると言われています​

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  • 歩き方が極端に不安定な場合 🚶‍♀️。歩き始めの頃はヨチヨチしていて当たり前ですが、2歳近くになってもふらつきがひどい、転び方が異常に多い、片足を引きずるように歩く等の場合は注意が必要です​

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  • 運動機能の偏りが大きい場合 ⚠️。例えば、「走るのは速いけど極端にボールが投げられない」「利き手じゃないほうの手や足をほとんど使わない」など、特定の動作だけ著しく苦手な場合も相談の目安になります。年齢相応のお絵かきやボタン留めなどの微細運動が不器用すぎる場合も含め、全体として気になるときは専門機関で発達検査を受けてみると良いでしょう。

ちなみに、運動発達にはかなり幅があります。中には1歳すぎてもハイハイ移動ばかりで全然歩こうとしない子もいます。例えばお尻をつけたまま器用に移動する「シャッフリングベビー」と呼ばれるタイプの子は、歩き始めが遅れる傾向がありますが、一旦歩き始めるとその後は問題なく発達していくことが多い、とも言われています​rehab-hiroshima.org。早産で生まれたお子さんの場合は、実際の月齢より発達がゆっくりめに進むこともあります​rehab-hiroshima.org「遅い=異常」では必ずしもないのですが、専門家に相談すると必要な支援だけでなく「この子は個性の範囲内だな」と太鼓判を押してもらえることもあるので、気になる場合は遠慮なく相談してくださいね。

相談先:運動発達の遅れや体の使い方の心配事は、以下のような専門家に相談できます。

  • 小児科医:まずはかかりつけ小児科で相談するのが安心です。必要に応じて専門のリハビリ施設や整形外科などへの紹介状を書いてくれます。筋力や骨の状態、神経の働きなど、医療的な観点で原因を調べてくれるでしょう。例えば筋肉の病気や脳の障害(脳性まひなど)の可能性がないか、小児科で検査を受けることもできます​

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  • 理学療法士(PT):運動発達のトレーニングの専門家です。医師の診断のもと、歩く練習やバランス感覚を養う遊びなど、リハビリテーションを行ってくれます。自治体によっては発達支援センターなどで理学療法士による運動発達相談を実施している場合もあります。

  • 作業療法士(OT):主に手先の動きや日常動作の発達支援を専門とする療法士です。着替えやお絵かきなど微細運動面も含め、運動発達全般の相談に乗ってくれます。理学療法士と併せて支援チームに加わっていることもあります。

🌟 社会性の発達

目安(0~6歳)社会性とは、人との関わり方や感情のやり取り、集団での行動スキルなどを指します。赤ちゃんの頃から少しずつ芽生えていき、就学前までにグンと育っていく分野です。年齢ごとの主な発達の目安を見てみましょう。

  • 0歳:人への興味が生まれる時期です。生後すぐはニコッと笑う「社会的微笑」が出始め、3~4ヶ月頃には周囲の大人の声に反応して笑ったり、人の顔をじーっと見つめたりします👶。後追いが始まるのもこの時期で、愛着形成(パパやママが大好き!という気持ち)が進んでいる証拠です。

  • 1歳~1歳半頃:身振りや表情で気持ちを伝え始めます。例えば指さしをして「アレ取って!」と要求したり、バイバイをしたりといったコミュニケーションが増えます。1歳代ではまだお友達と遊ぶより、大人との関わりが中心ですが、興味の対象を大人に見せたり、一緒に遊ぼうとしたりする行動が見られます。おもちゃの取り合いなども始まりますが、これも社会性発達の一環です。

  • 2歳~3歳頃:ごっこ遊び(ままごとなどの象徴遊び)ができるようになります。2歳頃から空想の力が育ち始め、「もしも○○だったら…」という想像遊びを楽しむようになります​

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  • 3歳~4歳頃:想像力と言葉がさらに豊かになり、複数人で展開するごっこ遊びが増えてきます​

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  • 5歳~6歳頃:他者との協調性が育ち、集団遊びやルールのある遊びを理解して行えるようになります​

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相談基準:社会性は子どもによってかなり違いが出やすい部分ですが、以下のような場合には相談を検討してみましょう。

  • 1歳半を過ぎても視線が合わない・指さしを全くしない場合 👀👉。1歳前後で人と目が合ったり指さしをしたりといったコミュニケーションの芽生えが見られないと、自閉症スペクトラムなど社会性の発達の偏りが疑われます​

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  • 3歳になっても他の子と全く遊ばない場合 🤝。3歳頃になると子ども同士で遊ぶ場面が徐々に増えてきます​

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  • 集団行動が極端に苦手な場合 🏫。幼稚園や保育園で明らかに集団行動になじめない、じっと座っていられない、他の子とのトラブルが多すぎる、といった場合も専門家への相談をおすすめします。年少~年中くらいでは多少落ち着きがなくても珍しくありませんが、先生から「発達の相談機関を利用してみませんか」と提案されるケースもあります。集団生活で著しく困り感があるようなら、早めに相談しておくと小学校入学前にサポート体制を整えやすくなります。

相談先:社会性の発達に関する悩みは、以下のようなところで相談できます。

  • 児童心理士・発達相談機関:各自治体の子育て支援センターや発達支援センターには、発達相談の窓口があります。児童心理司や公認心理師などの専門家が、遊びの様子を見ながらアドバイスをくれます。お友達との関わり方で困っていることを具体的に伝えると、家庭や園での対応策(例えば「順番を視覚的に教える工夫」など)を提案してくれるでしょう。必要に応じて発達検査も実施し、保育園・幼稚園と連携して支援計画を立てることも可能です。

  • 小児科(発達外来):発達障害の可能性を含め専門的に評価してほしい場合は、小児科の発達専門外来を受診する方法もあります。臨床発達心理士や作業療法士とチームを組んでお子さんの社会性・コミュニケーション面を評価し、療育(発達支援プログラム)につなげてくれます。療育では、集団適応を高めるトレーニングやソーシャルスキルトレーニングなどを受けることができます。

専門家に相談するメリット 🎯

「相談したほうがいいかな?」と思ったとき、早めに動くことにはいくつかメリットがあります。ここでは専門家に相談・受診することで得られるサポートや、様子見との見極めポイントを紹介します。

🔸 早期に適切な支援が受けられる:相談の結果、「やはり少し遅れがあるね」ということになれば、専門的な支援を開始できます。例えば、ことばの遅れには言語療法があります。言語聴覚士による遊びを通じたセラピーで、発音や語彙を増やすトレーニングを受けられます。「療育」と呼ばれる発達支援プログラムでは、親子教室のような場でコミュニケーションや社会性を伸ばす練習もできます。「歩くのが遅い」場合でも、自宅でできる運動遊びのアドバイスをもらえたり、必要に応じてリハビリを開始できます。早めに手を打つことで、子どもの能力を引き出しやすくなると言われています。​cdc.gov cdc.gov実際、米国CDC(疾病予防管理センター)も「発達の気がかりがあるなら早めに行動を。早期介入は子どものスキル習得に大きな効果がある」と呼びかけています​cdc.gov cdc.gov

🔸 子どもの将来の可能性を広げる:早めのサポートは、小学校以降の成長にも良い影響を与えます。例えば言葉の遅れをそのままにしておくと、本人は伝えたいことが伝えられずイライラして問題行動に繋がることもあります。でも、小さいうちから適切な療育を受けてコミュニケーション手段を獲得していれば、集団生活での困難がグッと減ることが分かっています​cdc.gov。ある発達臨床の心理士は「もし自閉症の傾向があるなら、ただ『そのうち追いつく』と様子見するのは得策ではありません。早期に働きかけることで、今できるコミュニケーションや遊びの幅が広がり、将来への土台が築けます」と指摘しています​cdc.gov。実際に「早く相談して療育を始めたおかげで、小学校に上がる頃にはみんなと一緒に授業を受けられるまで成長しました」という声もあります​cdc.gov。このように、専門家と協力してサポートすることで子どもの潜在能力が引き出され、将来的な選択肢が増える場合も多いんですよ。

🔸 親の不安が軽減される:何より、「相談する」ことで親御さん自身が安心できるという大きなメリットがあります🙂。発達の悩みをひとりで抱え込んでいると、「このままで大丈夫かな…」と常に不安になってしまいますよね。専門家に相談すれば、たとえ経過観察になったとしてもプロの視点で子どもを見てもらえます。「もう少し○○を促してみましょう」「△歳まで様子を見ても大丈夫ですよ」など具体的なアドバイスをもらえるだけで、モヤモヤが軽くなるものです。もし問題がなければ「この子のペースを見守りましょう」と太鼓判を押してもらえますし、もし支援が必要なら**「早く気づいてあげられてよかった」**と思えるはずです。実際に相談した保護者からは「専門家に話を聞いてもらっただけで心が軽くなった😌」「家庭でできる遊びのヒントをもらえて前向きになれた」という声も多いです。誰かに話すことで見えてくることもあるので、遠慮せず頼ってくださいね。

🔸 様子を見るべきか、相談すべきかの見極め:とはいえ、「どのタイミングで相談するか」は悩ましいですよね。基本的には前述の発達の目安と相談基準を参考に、明らかな遅れのサインがあれば相談を考えましょう。特にチェックリストに挙げたポイント(2歳で単語がほとんど出ない、1歳半で歩かない、3歳で友達に関心がない等)に当てはまる場合は、「念のため専門家に聞いてみよう」というスタンスでOKです。迷ったときは、地域の保健師さんやかかりつけ医に電話で相談してみるだけでも良いでしょう。「◯◯ができないのですが心配です」と伝えれば、必要性に応じて受診の判断を一緒にしてくれます。

まとめ 📝

子どもの発達は本当に人それぞれ。少しくらい周りより遅くても、成長とともに問題なく追いつくケースはたくさんあります。ですから、あまり神経質になりすぎず、お子さんのペースを尊重してあげてくださいね😊。一方で、親御さんの勘は侮れません。「何かおかしいな」「困っていそうだな」と感じたら、その直感も大切にしましょう。早めに相談して悪いことは何もありません。むしろ相談することで安心できたり、必要なサポートに繋がるなら一歩踏み出す価値は十分あります。

発達に心配があるときは、まずは小児科や地域の子育て相談窓口に問い合わせてみるのがおすすめです。健診のタイミングを待たずとも、気になった時点で相談できます。「相談=異常」では決してありません。「ちょっと専門家の意見を聞いてみようかな」くらいの気持ちで大丈夫なんですよ👌。お子さんの成長をサポートする方法を一緒に考えてくれる心強い味方だと思って、気軽に扉をたたいてみてください。

最後にもう一度強調しますが、発達には幅があるということを忘れないでください。周りの子と比較して一喜一憂するよりも、我が子の昨日と今日を比べて小さな成長を喜ぶ姿勢が何より大切です。それでも不安なときは専門家に相談しつつ、親御さんも安心して子育てができるようにしていきましょうね。お子さんの成長を見守る毎日、悩みもありますがそれ以上に発見と喜びもたくさんあるはずです。一緒にゆったりした気持ちで見守っていきましょう🌸。


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発達の遅れがもたらすリスクとは?

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