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北へ向かってみる [4] 札幌⇒室蘭

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おはようございます。 今日も札幌の宿からスタートです。
昨晩から降り始めた雪は10センチほど積もり、宿の前もすっかり新雪に覆われました。

本来は4時に起きて始発前のササラ電車の排雪を撮ろうかと思ったのですが、お酒をしっかりと飲んで寝てしまったのでうかうかと熟睡しておりました。 目を覚ますと8時過ぎです。

しかし都合のいいことに雪は朝方まで降り続いてくれたので、軌道には始発前ササラの後に積もった雪が5センチほど残っています。 これは市電日和ですね。
いつもの雪はササラの前に降り終わってしまい全て除雪されるのでありがたい。


宿の朝食にお高めの道産ヨーグルトとソフトカツゲンが置いてあったのが嬉しかったな。 欲張って配膳してしまった。 最近はヨーグルトにハマり気味。


オタクHとオタクRは今日は千歳線の周辺をぶらぶらしてくるそうです。
食べ終わったらそそくさとチェックアウトを済ませ、蜘蛛の子を散らすようにそれぞれの目的地へ。

オタク旅行にありがちな光景。 急行さんべ式行程。
(急行さんべは途中駅で列車を2分割し、別経路で同じ目的地を目指したのち、終着駅の手前で合流した車両を再度併結し終点へ向かった列車)


今日の札幌は-6℃、頑張りましょう。

市電に乗って車庫へ

レール面の雪だけが踏まれて凹んでいる
雪が載って変な顔つき
旧型車の車内からセコマを眺める
吹き付けられた雪で美白効果もバッチリ

さて、外回りに乗って電車事業所前へやって来ました。
ここは全国で唯一駅名に「電車」が付く電停だったりします。

電車事業所前と言うだけあって、電停の真横には車庫が配置されています。
今回の目的はササラ電車の視察。 軌道の雪が残っているのでこの後日中に出るかもしれません。

と…思って車庫を覗きましたが、出庫のスタンバイ位置にはおらず奥に引っ込んでいます。
出るのか分かりません。一旦ササラは置いといて大人しく市電沿いを巡ることにします。 


市電沿いをふらふら

旧型車は丸いライトと車体が特徴的   かわいい
北海道の街中でよく見かける黄色い散水栓
ちょうど似た色のラッピングがきたので一緒に1枚
白く染った街並みに際立つ
雲が抜けて日が出てきた
マンションの隙間からご来光


今朝は空に雲が拡がってさほど気温も上がらず、街の雪が積もったまま溶けずに温存されています。
函館なんかは夜中に降っても午前中には溶けきってしまう事も多いのでこの条件はかなり嬉しいですね。

軌道上のふわふわした雪を遠目に見つつ内回りに沿って歩いていきます。


黄色い車と遭遇

んぉ…!  この見覚えしかない車は…

幌南小学校前の辺りをうろついていると、後方から不審な車が…

そう、こちらの黄色い軽トラは「市電維持作業車」と呼ばれる札幌市電の点検を行う事業用車です。
主に設備の不具合や局所的な除雪などを目的にした車両で、何か市電にトラブルが起きると電車事業所から職員を満載にして飛び出していきます。

今日は軌道に雪が残ったままになっているので各所のポイントの除雪作業が目的でしょう。
ただ雪の日にこの車が出ると、よくセットでササラも出てきます。 見逃さないように注視つつ沿線を歩くことに。

市電と顔合わせ
ポイントの除雪をしていらっしゃる

市電維持作業車は幌南小学校前のポイントを除雪した後、内回りを悠々と走りつつすすきの方面へ去っていきました。 この車は事業用車なので平然と軌道上を走ります。

珍しいものが見れてテンションも上がってきましたね。
引き続き市電沿いを歩きます。


札幌冬の風物詩  雪ミク電車
今年で何年目だろうか  寒色の車体が嬉しい
幌南小学校前電停
札幌市電特有の曲線を描く屋根が特徴的
地面が真っ白なことにまだ慣れない
歩道には雪山が積み上がる

すっかり忘れていましたが、そういえば今日はもうひとつやるべき事がありました。 実は昨晩サボってしまった洗濯です。
安いランドリーはすすきの近辺に集中しているので、ぼちぼち切り上げて移動することにします。
札幌の市街地とは言え、長い時間屋外にいると寒くなってきました。


札幌市電沿い唯一の神社
札幌三吉神社から

南5条西9丁目のランドリーにいらない衣類を全て託してきました。
洗濯機が回っている隙に引き続き市電沿いを歩きます。
とりあえず市電の走る南1条通まで北上し、この辺りをうろつくことに。

ちなみに札幌市内の街区を示す「条」と「丁」は、1つあたりおおよそ110~120mの距離があります。
中心の基準となる地点から南北に向かって1条 2条、東西に向かって1丁 2丁と数字が増えていきます。 そして札幌の基準点は、大通公園と創成川が交わるさっぽろテレビ塔の辺りとなっています。 そこから北へ進むと北1条。

また札幌市街地の街区を正確に表記する時は、数字は全角アラビア数字となります。 漢数字で記載すると各方面から怒られが発生します。
省略して記載する場合は「北6西5」などシンプルな表記にも出来て便利ですね。 ちなみに北6西5には札幌ヨドバシがあります。 店内BGM(札幌店版)でもさっぽろ北6西5丁と歌われていますね。


わ、市電維持作業車
いつのまに追い抜いたのやら
優美な3連接車体スタイルのポラリス
シリウスと似ているがあちらは車体が1つのボギー車


ササラと邂逅

ム、あの遠くに見える回転灯はササラ…!

西9丁目の横断歩道を渡っていると、微かに西4丁目の渡り線にオレンジ色の回転灯を点灯させた何かを発見。 これは怪しい。
すかさず画像を拡大し確認したところ、間違いなく除雪用ササラ電車の雪23号です。

いま西4に居るという事は出庫後内回りを進んだのち、西4丁目で折り返して外回りへ転線した所ですね。
おそらく始発前ササラと同じルート (電→内回り→西4→外回り一周→すすきの→内回り→電) でこのまま外回りを1周すると予想したので、南4条西6丁の資生館小学校前電停へ急いで向かいます。
市電のルートは西4丁目、狸小路、すすきのでそれぞれ歩行者信号に引っかかる信号周期のため、頑張って歩けば先着出来ます。


資生館小学校前に到着
ササラはまだ見えません



キタ!!!
2軸単車の可愛らしい側面ビュー
軌道の雪を散らしながら進む


皆さんご存知かとは思いますが一応解説を。
ササラ電車とは、車体先端に取り付けた竹製のブラシ (これがササラ) を回転させ、軌道に積もった雪を弾き飛ばす除雪用の事業用車です。
札幌市電と函館市電にそれぞれ在籍し、主に雪が激しくなった時や、夜間に多く雪が降った日の早朝に車庫から出てきて除雪にあたります。

なお札幌市電のササラは始発前に走行する霜取り列車 (架線に付着した霜を落とす作業) の目的で使用される車両も兼ねているため、夜の気温が氷点下になった日はほぼ確実に出庫します。

ルート的に外回りを1周するはずなので次はどこへ行こうか…と考えていましたが、よく考えたら洗濯物を放置中でした。
一旦ランドリーに寄って乾燥に切り替えてから間に合いそうな所に向かうことにします。



[ 乾燥中 ]



再び市電沿いに戻ってきましたがいつの間にか曇ってしまいました。
逆光で狙いたいなーと考えていたのでこれは困った。
無難にもう一度札幌三吉神社へお邪魔することに。

巻き上げた雪のヴェールを纏って
またササラが出ますように…とお参りしてきた
電停の隙間から旋回窓の鈍い光が覗く
円形の旋回窓は雪の厳しい地域の必須装備
滑り止め砂入れも雪の帽子をかぶっている
雪を掻きながら通りへ飛び出す
外回りを一周し西4丁目にもどってきた
札幌三越を背にして車庫への帰り道


いやー日中のササラはいいですね、いつもは早朝にばかり狙っているので各所の風景がどこも新鮮に映ります。
ただ日中に走っても吹雪の中…というパターンが多いので、今回のようにただの晴れ/曇りの条件で朝の積雪だけを除雪するためにササラが出る事例は初めて見ましたね。
とにかく、早朝ぐっすり寝てしまいササラを追えなかった雪辱を果たしました。
満足満足。



あ… 洗濯物



ザンギのお店 布袋

いつも通りザンギBセット
湯気でレンズが少し曇ってしまった

洗濯もササラも終わり一段落したのでお昼にします。
ザンギの有名店、「布袋」でガッツリと定食を。

冬の札幌の街を歩いたあとにこれは効きますね。
求めていた物が全て揃っている。

ちなみに平日の13時頃にお邪魔したので並ばずにすんなり入店出来ました。 ご参考までに。


布袋を後にして西8丁目
緑の車同士ですれ違い  ちょっと珍しい
札幌市電は電停の装飾がかっこいい
幅が狭い事だけが玉に瑕
雪解け水を纏って程よい光沢を放つ

周囲を囲む凹凸部のデザインの秀逸な蓋が特徴的な札幌市型マンホール。
似たようなデザインですが彫りが少なくのっぺりしているものは東京市型です。

よく見かける札幌市型は中央に札幌市の市章が刻まれていますが、こちらは北海道ガスの旧社紋が彫り込まれています。
北ガスの蓋は道内各地に点在しますが、札幌市型の紋様の蓋は札幌市内のみでしょう。



ササラも市電も布袋も済ませたので、この辺で札幌から離脱する事にします。 路面の雪も次第に溶けてきました。
宿に預けていた荷物を取りに帰り、地下鉄でまっすぐ札駅へ向かいます。


のんびり室蘭まで

車端部に固まる片開き扉はさながら急行型のよう

さて、札幌駅にやってきました。
オタクHと再度合流します。 オタクRは新千歳から直接帰りました。お疲れ様。

特急すずらんに乗って室蘭へ向かうのですが、この列車に充当される車両は新旧2種類あり、我々は当然旧型を求めております。
当日の車両運用を調べたところ、次にやってくる旧型までは少し時間があるので電車を眺めて時間を潰すことに。

721系を指してご満悦


ISHIYA CAFE 北広島

視覚と味覚を刺激

最近建て変わった北広島市役所には、白い恋人で有名な石屋製菓の営業するカフェが併設されています。 北広島市に石屋製菓に工場がある関連ですかね。
ここは一服しつつ正面のテラスから千歳線をよく観察出来るので休憩がてらお邪魔することに。

ソフトクリームを味わいつつ、不意に721系がやって来ると顔を見合わせ満面の笑みで ウンウン と頷き合うオタク、いや…失礼しました。 美味しかったです。


ぼちぼちお目当ての列車の時間も迫ってきたので、次の乗換駅である千歳を目指します。

快速 16:18  新千歳空港
途中駅はエアポートの列車愛称を省略する
今日もブルーモーメントが綺麗だった
千歳で続行の特急すずらんへ乗り換え
今回のお目当て  785系

かつて北海道最速を誇ったL特急「スーパーホワイトアロー」としてデビューしたJR初期特急組のひとつ、785系。
ステンレスビート車体にふっくらと丸みを帯びた前面形状が銀色とブラックアウトをベースにしてまとめられています。
銀色の特急形車両って全部かっこよくないか?


ちなみに721系と同世代です。 平成初期北海道電化区間のニューフェイス。
私の世代の図鑑に出ていた常連の方々なので思い出深い。


千歳発車
空の色が消えつつある
4号車は元座席指定車Uシート
暖色の照明が品のある雰囲気を演出する
終点室蘭まで乗り通す客は少ない
線路の途切れた終着駅に佇む特急型の風格
本州ではあまり見かけない

よく寝れました。 ほとんど乗車した記憶が無いような気もしますが乗ったことには変わりません。 終点、室蘭に到着です。

さてさて室蘭へやってきましたが、今回は室蘭の街はスルーして次へ向かいます。 晩飯を駅から少し歩いたところにあるセコマで買い込み、雪山で埋まった歩道を横目に寒さに耐えつつ歩を進めます。

室蘭駅から600mほど歩くと見えてくるのがこの機関車

D51-560号機

旧室蘭駅舎の隣に佇む
漆黒の車体が闇に浮かび上がる
保存車にしては珍しく夜間も前照灯が灯されている   嬉しい
動輪が4つ並ぶD型機  メカニックな足回り

国内の蒸気機関車で最もポピュラーな形式であろうD51型蒸気機関車。
全国で1000両以上が製造されましたが、この560号機はその中でも12両のみに留まる国鉄苗穂工場で自社製造されたグループのひとつです。 道産子。
技術の苗穂、この頃から自社で車両製造を行っていたんですね。

元室蘭機関区のOBさんが管理されているらしく、車体から足回りまで現役時代以上にピカピカに磨きあげられています。 圧巻ですね。
北海道型独特の密閉キャブなど見所は沢山あるのですが、次の予定が迫っていたので今回は軽く見る程度に留めておきます。


室蘭港 20:00 →[津軽海峡フェリー]→ 3:00  青森港

2オタク1フェリー   めりーくりすまーす
(あまりにも顔が死んでいる)
乗船は乗用車と一緒に船尾のタラップから

今回室蘭へやってきた目的はこちら。
昨年復活した青蘭航路こと津軽海峡フェリーの青森-室蘭航路で本州は青森へ向かいます。
室蘭を20時に出港したフェリーは噴火湾には目もくれずまっすぐ南下し、津軽海峡を渡って青森港に午前3時に到着します。 (午前3時⁉️)

はい、午前3時到着です。 ちなみに本日は12/24。 世間はクリスマスイブですね。
しかし我々には翌日の青森県の天気の事しか頭に無いので、ただ好天になることを祈りながら船に乗り込みます。  神様仏様イエス様、どうか明日の弘前で岩木山が綺麗に見えますように…🙏

乗船した時点で残された睡眠時間は7時間程度なので、さっさと飯とシャワーを済ませて横にならせてもらいます。 3時着、正気か…?


ということで今回はこの辺りで切っておいとま。
次回は青森に向かいます。


話は変わりますが、最近周りのオタクもちょこちょこnoteを始めてくれて嬉しいですね。
人の旅の様子を見るのもなかなか楽しいものです。
特にローカル線やトラムを狙っているオタクは隠密行動になりがちなので尚のこと。



ではまた今度続きを書きます。 サラバ北海道。

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