「平均売上金額と売上目標達成に必要な受注件数」の算出方法【営業マネージャーを楽にするKPIを使った予実管理】
前回は、「KPI を使った予実管理」を実現するために必要な8つのステップの2つ目、「ランクアップ率の決定」について解説いたしました。
本日は、その3つ目のステップとなる「成約案件1件あたりの平均売上金額を出す」と、
4つ目のステップとなる「売上目標の金額達成のために何件成約すれば良いか算出する」について解説していきます。
成約案件1件あたりの平均売上金額を出す目的
なぜ、成約案件1件あたりの平均売上金額を出すのかと言いますと、何件受注すれば売上目標を達成するのかを予測するためです。
売上目標を達成するための数式は以下の通りです。
売上目標=受注件数×平均売上金額
よって、平均売上金額さえ出すことができれば、売上目標まで何件受注すれば良いのかを予測することができます。
平均売上金額の出し方
例えば、昨年度の売上高を、受注した案件の件数で単純に割ってみる、という方法があります。
昨年度の売上高が1,000万円だったとして、成約した案件の件数(受注件数)をすべて足し合わせたときに100件だった場合、平均売上金額は10万円になります。
(ここで成約しなかった案件は除きます。現実的でない案件もあったはずですので。)
仮に、1万円の商品から100万円の商品まで価格帯がさまざまだったとしても、「受注件数が100件」「平均売上金額が10万円」と算出されたのであれば、まずはその「平均売上金額10万円」を活用してみていただくことをおすすめします。
ここで、「わが社における平均売上金額とは?」という感じで、あまり複雑に考えてしまって思考停止におちいるより、まずは手元にある数字をつかって動いてみることが、実は近道だったりします。
売上目標達成に必要な受注件数の算出方法
今期の売上目標が1,500万円であれば、平均売上金額は10万円なので、「売上目標1,500万円=受注件数150件×平均案件金額10万円」という数式ができあがります。
つまり、150件の受注を今期の目標として動いていけば良い、ということになります。
これは、シンプルに見えて、実はとんでもなく重要な一文になります。
なぜならば、金額が全く書かれていない文章であるにもかかわらず、この活動を達成すれば売上目標を達成できることが経験的にわかっているからです。
この数字から、さらにランクごとの数字を算出していく方法については、次回に解説します。
まとめ
本日は、KPIを使った予実管理の実現に必要な8ステップのうち、3つ目と4つ目のステップである「成約案件1件あたりの平均売上金額」と「売上目標達成に必要な受注件数」の算出方法について解説しました。
「今月は死ぬ気で200万円稼いで来るように!」や「今日は20件訪問するまで帰ってくるな!」といった精神論、足で稼ぐ方法だけを、営業マネージャーがメンバーに振りかざしていたら、誰もついてこなくなります。
今はそういう時代ではないですよね。
売上目標がこれだから、こういう活動をしていこう、とロジカルに説明できないとなりません。
そのために、必要な数字の出し方を解説していきますので、今後もどうかお付き合いください。どうぞよろしくお願いします!