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徒然 よしなし モーニング日記〜箱根・本箱〜

4月某日 箱根のブックオーベルジュ「本箱」の朝ごはん「将軍飯御前」

徳川家康の食養生を参考にした朝食。菜の花、芽キャベツ、明日葉、春菊と季節の色の緑を取り入れ、見た目も美しい。

ここの食事は1品1品に素材と調理法の物語があり、体と心にしみこむ。日々神経を荒らす現実と戦っている心身がほぐされ、癒される。量も多すぎず、和食ベースなので油が重いこともなく、中高年にちょうど良い。

「本箱」は、本好きの大人のための空間。静かで、本をめくる音、階段を上り下りする音くらいしか聞こえてこない。知識と知恵、知性を重視する人しか来ないという非日常空間。

現実社会で、知性のかけらもない、目先の欲望を満たすことしか考えていない???な人間を相手にしていると、心身がすり減る。そういう時、良質な物語が私を救ってくれる。

『ハーレムの闘う本屋』ルイス・ミショーは、ブラックパンサーの青年に、高く掲げたこぶしはかっこいいけど、こぶしをあけると「中は空っぽだ」。本をとって、手に持たせ、「いいか、それがパワーだ!黒は美しい。でも、知識こそが力だ」といった。

平野敬一郎は「知的になると傷つかない」といった。…傷つきにくくなる、くらいかもしれないけど、知性があれば、自分の人生の主導権を取り戻せるんだ。

目の前で嫌なことがあれば、影響を受けてしまうのは、仕方がない。感情も動く。感受性が鋭ければ、気が利く人であれば、つい色々気づいて、傷つきがち。でも、傷つけた人が、こちらを思いやって回復の魔法を唱えてくれるわけではないのだから、自分で自分を適切に守り、回復させる必要がある。

その時、本は強い味方になってくれる。何十年、何百年、何千年の知恵と知識を届けてくれる。その恩恵を感じながら、今日も生きる。「届ける」「伝える」。その大切な価値を、噛みしめる。

◆本箱
所在地:神奈川県足柄下郡箱根町強羅1320-491
アクセス:箱根登山鉄道ケーブルカー・中強羅駅から徒歩5分

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