猫は一頭で飼ったほうがいいの?複数頭で飼ったほうがいいの?実は人間の数が問題だった
ネコ科はもともと群れを作らないので、一頭で飼ったほうがいいという定説があります。
一方で、猫は複数で飼うことをおすすめします、と主張する保護団体もいます。
しかし、室内飼いの猫どうしの関係について調べた研究は非常に少ないです。
今回紹介する研究では、猫の尿に含まれるコルチゾールの量を調べ、一頭で飼われている猫と複数頭で飼われている猫のストレスレベルを比較しました。
コルチゾールとは糖質コルチコイドという物質のひとつであり、ストレスによって引き起こされる視床下部-下垂体-副腎系の活性化に反応した副腎皮質から放出されます。
なので、コルチゾールの量を測ることで、間接的にストレスレベルがわかります。
また、この研究では、家で飼われている猫とシェルターの猫のストレスレベルも比較しました。
結果として、一頭で飼われていようと、複数頭で飼われていようと、シェルターで飼われていようと、ストレスレベルに違いはないことがわかりました。
ところが、なんと一緒に暮らす人間の数が多いことや人口密度が高いことにより、猫のストレスレベルが高くなることが発見されました。
つまり、猫は他の猫と暮らすことよりも大家族に飼われるほうがストレスを受けやすいということでした。
ただ、この研究で調べられている猫の数は少なく、この結果だけで猫の数は関係ないと結論づけるのは信憑性が低いと思います。
他にもっとたくさんの猫で調べている研究があったら、また紹介します。
もとの論文
Lichtsteiner, M., & Turner, D. C. (2008). Influence of indoor-cat group size and dominance rank on urinary cortisol levels. Animal Welfare, 17(3), 215-237.
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