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白鳥ねここの人生劇場3話~最も古い記憶②~

さてさて

白鳥の人生劇場で
最も古い記憶は、

1歳数ヶ月頃
ビスケット(ビスコ?)を片手に
かわいらしくお座りして
おそらく父に
写真を撮ってもらっている場面

であったことが
判明したワケであるが、

これは"情景"のみの
記憶でありました。

では今回は、

人生劇場【HEARD】
なんじゃね⁈

と幼女ながらに 薄々
気づき始めるきっかけとなった
イベントでもある、

"感情を伴った"
人生劇場で最も古い記憶

を書き進めていきましょうかね。



あれは白鳥が3歳の頃
ということは、
1980年(昭和55年)頃
のことになります。

季節は…
記憶にございません。
(まだ引っ張るの?)

母と手を繋ぎ、
徒歩5分ほどの最寄りの駅に
向かっておりました。

当時の名鉄(名古屋鉄道)の
赤いボディの電車内は
板貼りの床で、
窓の上部には等間隔で
首振り扇風機が付いており、
座席には灰皿が設置され
車内で喫煙可でありました。

窓も乗客が自由に開閉できるため
主におっさん方が
プカプカと煙草を燻らせながら
自分ちかよ!というくらい
当然のように窓を開けるので、
付近の乗客は強制的に
T.M.レボリューション状態

になるわけですね。

…こちとらぁ別に
夏を刺激する妖精でもなけりゃあ
生足魅惑のマーメイドに
鼻の下ぁ伸ばして現を抜かす
なんてぇ趣味はございませんで
えぇ…   えぇっ?
宝物(ホンモノ)の恋は
やれ 爽快っ ですって?
えぇい!しゃらくせぇやい!!
ヤーレンソーラン ハイハイッ!
おっさんにはソーラン節が
お似合いだぁべらんぼうめぇ!!

あぁん?わかんねぇって?
このすっとこどっこいがぁ!!
YouTubeでHOT LIMITって
検索
しやがれってんだ
バカヤロゥコノヤロォめぇ!!

#なんのはなしですか

(落語?いつもここからのコント?)

これまた失礼いたしました
話が逸れたので戻しましょうかね

……

そんなT.M.レボリューション
(白鳥と母)は最寄りの駅から
急行だと1つ目、
普通だと2つ目の駅で下車。

花屋や酒屋やマンションを横目に
ピコピコと音の鳴るサンダルを
軽快に鳴らしながら、
母と共に何処かへ向かっている。


何分くらい歩いただろうか。

まだ歩くのー?と
白鳥が飽きてきた頃、

母が足を止めた。


そこには
巨大で薄汚れた
白い四角い建物があり、
周りをコンクリートの壁が
ぐるりと囲んでいた。

幼女の白鳥にしたら、
その壁はさながら
進撃の巨人の壁のようである。

目線を上にやると、
刺々しいものが
巨人の壁を伝っている。


そう
有刺鉄線
だ。

勘の良い方は
お気付きであろう

そう

ここは精神科病院である。


院内に入り
ピコピコサンダルを脱ぎ、
何かのキャラクターの下に
病院名が記入されている
赤いスリッパに履き替えた。

母は受付で何やら話している。

白鳥はキョロキョロと
辺りを見渡した。

薄暗いホール(待合室)には
長椅子が何列か並び、
そこにはうなだれている人や
ペラペラとお喋りしている人
模様のある手足を組んだ人
など、10人ほど居ただろうか。


……


幼女の白鳥は
その雰囲気と光景を見て
全身にきゅっと力が入った



人生劇場が開幕し、
スポットライトを
煌々と浴び続けて約3年。

眩しいくらいであった白い光は
黒と紫を混ぜたような色に変色し、
幼女白鳥の輪郭を
ぼんやりと浮かび上がらせる。



今にも稲川淳二が
話し出しそうな雰囲気である。

幼女白鳥の額にはおそらく、
縦線が数本入っていたであろう。


そう、これが
はじめて

"怖い"

と感じた瞬間の記憶である。


そんな白鳥の様子に気づいたのか
白い帽子と服を着た女の人が
『こんにちは』と
笑顔で声をかけてきた。

『お嬢ちゃん初めて来たのかな?
大丈夫だよ〜ココはね、病院。
わたしはね、看護婦さん。
病気になった人たちを
元気にするお手伝いをしてるの。
今日はお母さんといっしょ?』

白鳥はうまく声が出ず
コクリと頷くだけで
精一杯であったが、
脳内では
(あそこでお喋りしてるおばちゃんは"元気"じゃないの?)
などと考えていた。

しばらくして母が
『お父さんのとこ行こうか』
とこちらに来たので、
看護婦さんにバイバイしたら
『看護婦さんも一緒にいくよ〜』
と、言って先頭へ行き

看護婦さんー幼女白鳥ー母

のドラクエ状態で
院内の冒険へ出た。


待合室を抜けると階段があり
ここもなんだか薄暗く、
ずっと身体に変な力が入ったまま
履き慣れない赤いスリッパで、
看護婦さんの後ろから
階段を上がる幼女白鳥と
その後ろにつづく母。

2階につくと
薄汚れた白いドアがあり、
看護婦さんが
ジャラジャラといくつかの鍵から
ひとつを選び鍵穴に差し込む。

ガチャリ


キィー…と軋む音とともに
ドアが開いた。

先ほどはドラクエと言ったが、
この緊張感は
完全に初代バイオハザードである。

プレイした方なら伝わりますでしょ
この緊張感




ん?



んん⁇

ドアの向こうには、
またドアがあったのだ。

先ほどと同じ件が再放送され、
幼女白鳥は脳内が
?????
でいっぱいになった。

ドアを開けたらドア?
なんで?どして?ええーっ⁈

先ほどまでの緊張感は
どこかへ吹っ飛び、
白鳥は看護婦さんに

「ねーねーかんごふさん!
なんでドアが2こあるの?」


ハキハキと尋ねてみた。

看護婦さんは振り返り、
にっこり微笑みながら

『そうだよねビックリするよね!
あのね、病気の人が間違えて
出て行っちゃわないように
だよ〜。』


…マチガエテ
デテイッチャワナイヨウニ?




何をどう間違えるの?
えっと…
ええっっ⁇  どゆこと⁈

余計に脳内が
????????
状態になったが、
どう聞き返せばいいかわからない
幼女白鳥は

「そっかあ〜」

と言うほかなかった。

2つのドアを潜り抜けると
長い廊下が奥まで続き、
廊下を中心にして
左右にいくつかのドアがある。
病室であろう。

が、廊下を進むことなく
すぐ右側の空間に案内された。

面会エリアだ。

テーブル1つにパイプ椅子4脚
それが2セット。

奥のセットを看護婦さんが指し、
『お父さん呼んでくるから
お母さんとここで待っててね〜』
そう言うと母に軽く会釈をして、
廊下の奥へパタパタと
早足で消えていった。

母と並んで
パイプ椅子にちょこんと座り、
届かない足をぷらぷらさせたら
赤いスリッパが飛んでしまった。

『ほらちゃんと座ってなさい。』
仕方ないわね〜と
母がスリッパを拾い、
白鳥に履かせてくれた。

母は若い頃お洒落な人で、
その日はワンピースを着ていた。
紫とか群青ぽい色だったと思う。

今思えば、
デートにでも行くのか?
というような格好
だったのでは
なかろうか。


しばらくすると
パタパタと足音が近づいて来る。

『お〜!◯◯◯(母)とねここ!来てくれたかぁ〜!』

現れた父は、そう言いながら
向かいのパイプ椅子には座らず
白鳥を抱き上げ高い高いをし、
椅子に戻すと
『わりぃな〜また入院になっちまってよぅ』
と、母の肩を抱いた。

そしてようやく椅子に腰掛け、
母と嬉しそうに談笑していた。


…と、ここまでわりと詳細に
覚えているのだが、
談笑の内容やその後のことが
てんで記憶にない
のは
何故なんだ?


白鳥は考えた。

これは推測だが、
父と母が談笑しはじめたそれは
幼女白鳥にとっての"日常風景"
であったため、
その直前に感じたはじめての
"怖い"
という感情の前後の記憶が
強烈に刻まれた

ということではなかろうか?

人間は
感情が動くと記憶も強化される
と、精神科医である
樺沢紫苑先生の記事で
読んだことがある。

加えて、人間は
喜楽より怒哀の記憶の方が
強く残る
ともいわれているしな。

ともあれ、白鳥ねここの
"感情の伴う"最も古い記憶

3歳頃 
"精神科病院の閉鎖病棟"
に入院中の父に
はじめて会いに行った日のこと
であり、
伴った感情は"怖い"

であることが判明いたしました!
パチパチパチパチ!!
(スタンディングオベーション)

うーん、我ながら
なかなかにパンチの効いた
イベントであるよな。

あの二重扉のある場所は
閉鎖病棟だったことや、
精神疾患をもつ患者さんは
怖くないという事を現在の白鳥は
理解しているんだけれどもさ。
(金儲け主義の、
無駄に多剤投与する医師もどき
とかは怖い
けど)


生まれてはじめて
"怖い"
って思った場所の奥にさ、
マチガエテデテイッチャワナイヨウニ
って鍵のかかったドアが
2つもあってさ、
そのまた奥からさ
自分の父が登場したのよ?

書きながら脳内で
♪あんたがたどこさ♪
が流れはじめちゃって、
父に会うまでの件を
脳内変換して替え歌にしちゃって
変な笑いが込み上げて来たわ。
(不謹慎)

けども、これも白鳥の
嘘偽りなき姿なので、
替え歌ヴァージョンを
ここに書き残しておきましょう。


お父さんどこさ 奥さ
奥どこさ お二階さ
お二階どこさ 閉鎖さ

閉鎖病棟にゃドア2つあってさ
それをナースが鍵使って開けてさ
呼んでさ 父がさ 来たさ
それをnoteにちょいと記す


#なんのはなしですか

辛い出来事も笑えるネタとして
昇華しようとするクセがあります
(白鳥の周りにいる愛すべき変人
たちも、同族です。)

だって、

ホントそうよね
チャップリン



みなさまの
"感情が伴う最も古い記憶"
は、何歳頃
どんな内容でありましたか?
(無理くり〆に入った)

"楽しい"こと?
"嬉しい"こと?
"怒った"こと?
それとも白鳥のように
"怖い"こと?

あんな〜こと〜
こんな〜こと〜
あ〜った〜でしょ〜?

記憶を辿って思い出してみるのも
おもしろいかもしれませんよ。

#自分語りは楽しいぞ

しれっと参加してみました〜


それでは今日はこの辺で

次回は
4歳頃の話になりますかね。

ごきげんよ〜

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