極東から極西に行くことにした11:カミーノ準備編・TGV予約とスーツケースのこと
前回の粗筋
どうやって自宅からヨーロッパの玄関口まで行くか悩んでいた。
・復習を兼ねて。TGVはどうしたの?
前回、自宅から羽田。羽田からパリ……は良いとして、パリから市街地までの行き方を本気で悩んだ。ところでパリの宿は? モンパルナスからフランス版新幹線、TGVに乗るのは不安じゃないの? と思う方もいるかもしれない。
前にもちらっと書いたのだけれどTGVはOMIOというアプリで予約した。
予約が完了すると登録したメールアドレスにチケットが届く。アプリ内にも届いているので多分どちらかのQRコードを現地で読み込ませれば良いのだと思う。
バイヨンヌから先のチケットも目的地をSJPPに設定した為、ちゃっかり取れていた。一つ不安要素があるとすると、TGVのホームがギリギリにならないと現地の電光掲示板? に表示されないらしいということ。遅くとも20分前には駅にいて、できれば焦らず乗りたいものだけれど……?
ちなみに、宿はOMIOと連携しているbooking.comで、駅からの距離や口コミを見つつ決定した。
・荷物預かり所
パリに着いた翌日、少し時間を取ってあるので散策をすることにしている。その時に、大きな荷物があると邪魔なので、荷物預かり所を使う事にした。
預かり所はいろんな場所にあるので、ホテルのすぐそばにある所を利用することにした。
・形あるものいずれは壊れる?
ヨーロッパは朝昼晩の寒暖差が激しいらしい(ざっくり)。
スペインの年間気温を調べてみたら、カミーノに行く9月半ばくらいまでは、最高30度近く最低15度近く。10月後半になると最高20度ちょい。最低10度ちょいの時もあるらしい。比較的過ごしやすいけれど、やっぱり寒暖の差が激しい。
となると、帰りは寒いだろうから、スーツケースに冬物を詰めて持って行ってみようと思う。道中の服は最悪買えば良い。スーツケースは、SJPPで、Express Bourricot というサンティアゴ・デ・コンポステーラまで70ユーロくらいで荷物を送ってくれるサービスを使う予定だ。
「妹のスーツケース、無かったっけ?」
「あんなんとっくに壊れたわよ」
物置を探して見つからず、母にきくとそんな返事。
「げ。買わなきゃじゃん」
「買えばいいんじゃない?」
後で知ったのだけれど、スーツケースは壊れるものらしい。ぼんぼん投げ込むから傷がつくし下手するとキャスターも取れるとか。いや、取れてほしくはないんだけど。
そんなわけで、次の休みに、スーツケースを見に行くことにした。父の仕事の都合で、街まで送って行ったついでに見ようと思っていたのだが……。
「これ、いいんじゃないか?」
「あらいいわね」
大きいし高いスーツケースを前に両親がきゃっきゃと喜んでいる。私はあれこれ検分している父を放って母をこっそり呼んだ。
「ね、なんでお父さん乗り気なの? このスーツケース高くて完全に予算オーバー!」
「私達も使うもの。大きくないと不便でしょう?」
「はい?」
「ちっとは出すから安心なさい」
確かに一家に2台も3台もスーツケースはいらないけれど、二人とも妙に浮かれすぎではないだろうか。こうなったら真面目一本の両親達にもスーツケースを使う旅行に行ってもらうしかない。そんなことを考えていたら父が更に高そうな商品を見出した。
「あ! ちょっと! スーツケースって壊れるんでしょ? そんな高いのいらない!」
「形あるものはいずれ壊れるのよ。それにね……安いの買って即買い直しよりコスパがいいわ」
なんとかセールのスーツケースをゲットした。色は地味だけれど予算に近く、メーカーものだからきっと耐久性はあるはずだ。
母が言っていた「形あるものはいずれ壊れる」とは我が家の家訓だ。お皿を割ってしまったり、大事にしていたものが壊れてしまった際に使われる。道具として壊れるまで使ったのだからくよくよしないこと、それに、直せるもんならもたもたしないでとっとと直してしまいなさい、と言う意味らしい。
でも、流石に全部自分で出したものではないと、壊れていたらすごくくよくよしそうだ。
着々と進む準備。
でも言葉の準備はまだ全然。せめて注文くらいはできるようになりたいなあ。
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