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美術展雑談『メトロポリタン美術館展(大阪)』
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これぞ美術展! ザ・美術展! わざわざニューヨークまで行かなくても、向こうからコテコテの天王寺公園まで来てくれました。メトロポリタン美術館展のお出ましです。美術館のラスボス的存在ともいえるメトロポリタン美術館の雰囲気を味あわせていただきました。
まずエントランスで出迎えてくれたのはドロイドくんです。いきなり関係のないことで、ごめんなさい。
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オシャレスタッフのステップで私にそそくさと近づいてきて、無知無学のテメーにもわかるように教えてやるぜとばかりに展示の見どころについて色々レクってくれました。この機械人形が後に青いネコ型ロボットになるのかと思うと感慨深いです。でも日テレ版にはならないでねと、マニアックなことも考えてしまいました。本当にどうでもいいことで、これまたごめんなさい。
さて本展ですが、年代別にテーマを掲げて見やすく展示してありました。ルネサンスからバロック、革命の時期を経て、ポスト印象派までオイシイところを並べてくれております。
啓蒙を目的とした神聖で超然とした宗教画が、やがてドラマティックなストーリーを持つ神話画へと移り変わり、時時の権力者の権威付けにも関係してゆきます。そして風俗画や風景画などが流行りだすとエンタメ性を帯びて大衆にも近いものになるという、美術史の再確認、というか追体験です。ルーベンスはアニメのアレではありませんでしたが、とりあえず大きなワンコと一緒に見たいなと思いました。いや、お迎えはまだ来てほしくありませんが。
また、日本初公開作品も多くて、中でもみんな大好きフェルメールの『信仰の寓意』なんかは間違いなく考察好きがウハウハするほどの暗喩のてんこ盛りです。アカデミックな理解力に乏しい私なんぞは、解説がなければ迷子になるところでした。不遇の時代を経験した実力派作家の挑戦心を感じ、(心のなかで)正座して拝見した次第です。
終盤に展示されていたモネはもちろん巨匠なのですが、しかしこれらの作品群にあってはまるで新進気鋭の若手のように思えてきます。
「へえ、印象派っていうの?」「頑張ってるねえ、キミ」
と、カラヴァッジョ兄貴やレンブラント先輩が余裕で話しかけているようでした。
そんな妄想も楽しかった、メトロポリタン美術館展でありました。大阪市立美術館を出るとそこは天王寺公園ではなくセントラル・パークだったことは、もちろん言うまでもありません。もはや幻覚でしょうか。
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