プロレス雑談『スターダム大阪城ホール大会』
麻優さんが天衣無縫の人なら、たむさんは傷だらけの人。
2021年の個人的ベストバウトは、誰が何と言おうと10月9日のスターダム女子プロレス大阪城ホール大会、王者・中野たむ選手対挑戦者・岩谷麻優選手のワンダー戦。推しはやっぱり、たむさんです。
「宇宙一カワイイアイドルレスラー」と公言してはばからない、たむさん。勝ちにこだわり一番にこだわり、明るい笑顔をファンに見せながら、憎悪や嫉妬といった負の感情も隠さない。見ようによってはれっきとしたメンヘラですが、過去に団体を追われ仲間からも見捨てられ、ひたすら負け続けた彼女はいま、失った全てのものを取り返すために戦っています。ファンの多くは彼女に自身の境遇を重ねて応援しているのです。誰もが順風満帆に生きてはいないのですから。
かつて行き場をなくしたたむさんに手を差しのべたのが、麻優さんでした。言動や日常生活においてはポンコツ丸出しなのに、プロレスだけは鬼気迫る天才ぶりを発揮する麻優さん。本当なら最強のタッグになっていたはずの二人は後に感情の行き違いから袂を分かち、今ではそれぞれのユニットを率いるリーダーとして対角に立つようになりました。
そしてここにきて大会場での「呪いのベルト」のタイトルマッチ。二人の関係性において、ターニングポイントになることは間違いありません。愛憎のゆくえを見届けたいと思うのは当然です。
時間切れ引き分けという結果はともあれ、レフェリーを突き飛ばして相手の名を叫びながら殴り合う二人の姿には、どんな華麗な技の応酬よりも、プロレスらしいプロレスを観たという実感がありました。鍛えた心技体を見せるのは当然として、その生き様をさらけ出すのがプロレスラーです。心の中で号泣しました。たむさん、あらためて、大好きです。
そんな激しい試合の後のメロウな余韻をものともせず、しれっとリングインして次期挑戦表明したウナさん、さすが空気なんか読まない傾奇者、大好きです。ちゃんみなは、もちろん無条件で大好きです。
つまりはコズエンが大好きです。そうです、私はミーハーです。悪いか。