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その場に行く価値|坂本龍一 音を視る時を聴く

休日にアートを鑑賞する人に憧れがあります。
とはいえ、私は特に詳しいわけではなく基本的にミーハーです。

そんな私ですが、
『坂本龍一|音を視る 時を聴く』 を観に行ってきました。

坂本龍一についてほとんど知識がありません。
それでも「音楽と展示なら楽しめるかも?」という期待のもと、事前にチケットを購入。
いざ足を運んでみると、展示の冒頭で「あ…これは…」不穏な予感…
数分後には「うん。これは私には難解すぎる…」と心の中でorz

「音と展示なら感覚的に楽しめるはず!」と思っていたのですが、
頭の中は
「これは一体?」
「どこまで続くの?」
「結末は?」
「何を伝えようとしているの?」
と疑問がぐるぐる駆け巡ります。

途中でふと、
「すぐ情報の要点・結論ばかり気になる見方や思考がだめなのかも。。YouTubeやショートなコンテンツに慣れすぎてて、じっくり作品に向き合うことができない…」と反省しました。

いくつかの展示を観ているうちに、少しずつこの世界観に慣れてきました。そして、たまたまソファ席が空いていたので座って鑑賞してみることに。
すると、「腰を据えて観ると没入感が違う」 ことに気づきました。

土日や同伴者がいると難しいかもしれませんが、席が空いていたらぜひ座ってじっくり観るのがおすすめです。

それでも時折、
「これ、いつ終わるの?」
「次はまだ?」
という気持ちが湧いてくるのですが、
それを乗り越えて作品に浸る時間は、まるで普段使っていない脳の領域に酸素が送られるような感覚。すーっと思考がほぐれていくようでした。

「わからない」けど、確かに受け取ったもの

アンビエント(空間音楽)も、普段じっくり聴くことはありません。
だからこそ、意識を向けて体感することで普段使わない神経が刺激される感覚がありました。

正直、展示全般私には難解でした。
それでも、普段とは違う「何か」が確かに心に残った気がします。

結局、「あれは何だったんだろう?」と今でも考えていて
その余韻こそが、私にとって美術館に、その場に足を運んだ価値なのかもしれません。


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