天才少年現る。
藤野恵美さんの「ギフテッド」を読みました。
何をもってギフテッドとするかは文化によって違うらしいですね。
でも、そうだ、あの子は天才だ、と思った少年の話。
その少年と初めて会ったのは彼が小学校1年生のとき。
まさに、いろいろ突出していて見ていて痛々しかったり、一方で痛快だったり。
彼が2年生になってからたくさんお話する機会がありました。
(たくさんケンカもしました。大人げなく)
日々、突出。特異。周りの少年少女とは明らかに違う空気を纏う。
周りの大人も、周りの子どもも、難しさを感じていたと思います。
一般的に「発達障害」なんて言葉で片付けられちゃうこともあるでしょう。
「全体」に押し込められない、確かな「個」をもつ少年。
でも、だから、一緒に話しているとたのしいんですよ。
ある日、少年が聞いてくるのです。
「レゴはすきですか?」
もちろんですよ。
私が小学生のときはたくさん持っていましたよ。
「ぼくはマリオのレゴがすきです」
「いちばんすきなのは商品番号〇〇番のレゴで、それは〇〇個部品が入っています」
「ほかにも今すきなレゴは商品番号〇〇番ので、値段は〇〇円です」
という具合に、当時発売されていたレゴはもちろん、何年か遡ってすべて覚えているのです。
天才!
月日は流れ、2年ぶりに再会しました。偶然に。
わぁ、ひさしぶり!元気にしてた?最近は何がすきなの?
と聞いた私。
「ぼくは今、湖池屋のお菓子にはまっています」
「湖池屋は創業〇年で、いちばん好きなのは〇年に発売されました」
ほぉ、相変わらず天才だ。
でも湖池屋なら私は負けておりません。
なんせ、小学生のときに自由研究で工場に行ってますからね!
彼「湖池屋へは何歳のときに行ったのですか?」
私「えっと、たしか6年生だから12歳のときだと思うよ」
彼「ということは、19〇〇年ですね!」
・・・・・天才!
彼の突出した才能はきっと今でも周囲となじまない。
彼に躓きがあるのではなく、周りに躓きがあるのだなぁ、と思った瞬間です。
私も含めて、周りの大人が全力で彼の「居場所」を作るべきでした。
今頃どうしているかしら。
いろんな人に愛されて、居心地よく暮らしているといいな。
私の少ない人生経験の中で出会った天才は2人。
(当時)代ゼミで英語の講師をしていた西きょうじ先生と、彼。
彼はどんな大人になるのでしょう。
と、ことあるごとに彼のことを思い出すのです。
音瑚ひらり
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