〔ショートショート〕山岳フリマ
今日は待ちに待った「山岳フリマ」。もちろん、本当に山を売る訳ではない。物好きが集まって、好きな山のプレゼンをし、その山について作った冊子を一冊300円で売りあう。最後に一番売れた奴が優勝だ。
山は実在しなくても良い。これまでも「カチカチ山」から「祝山」まで、童話も怪談も何でも有りだった。もちろん実在する山もOK。写真やイラストで目を惹く冊子を作ることと、魅力的なプレゼンが重要なのだ。
僕は絵の上手い友人にギリシャ神話の場面を描いてもらい、美しい冊子を作った。推し山は「オリンポス」。火星にも同名の山があるが、それは色彩が地味なので却下した。この冊子と、神々が住む山の神秘、最強じゃないか!
だが会場に着くと、既に人だかりが。そこの冊子は、水墨画のような迫力満点の表紙に「太陽系最高峰オリンポス」の文字。ああ、これは僕が切り捨てた火星の……。
結局プレゼンも迫力負け。山岳フリマを舐めるな、と神々の声が聞こえた気がした。
(完・407字)
こんばんは。こちらに参加させていただきます!
たらはさん、文学フリマお疲れさまでした!お忙しい中、欠かさずお題を出してくださって、本当にありがとうございます。
でも今回は、相当苦戦しました💦まだまだ修行が足りません😅
そして読んでくださった方、ありがとうございます。読んでいただくことで、私も作品も報われています。なかなか上手くまとまらないことも多いですが、また読んでいただけると嬉しいです♪
いよいよ師走。街も人も慌ただしい時期ですが、皆さまどうか体調にはお気を付けくださいね🍀