アメリカ人労働者の反乱
2021年10月14日
ポール・クルーグマン(オピニオン・コラムニスト)
全ての幸福な経済は相似形を成しているが、不幸な経済にはそれぞれに理由がある。
2008年の金融危機の後、経済の問題は全て需要に起因していた。住宅ブームが崩壊し、消費者はそのギャップを埋めるのに十分な支出をしようとはせず、需要を高めるために行われたオバマ氏の景気刺激策は、あまりにも小規模すぎた上に短命に終わってしまった。
対照的に、2021年では多くの問題が供給不足に起因しているようだ。コンテナ不足で港が詰まり商品が消費者の下まで届かなかったり、半導体チップの不足により自動車が生産できなくなったり。また、雇用主の多くが労働者の確保に苦労しているとも報告されている。
サプライチェーンの混乱がしばらく続くのは確実だろうけど、これらの多くは一過性のものだと思う。だけど、もっと根本的で永続的なことが労働市場で起こっているのかもしれない。長年、低賃金と過労に悩まされてきたアメリカの労働者達は、忍耐の限界に達している可能性がある。
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