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ジョー・バイデンの急進主義をめぐる4つの観点

意外ではあるが、不可解というわけではない

エズラ・クライン(オピニオン・コラムニスト)

2021年4月8日、午前5時(米国東部時間)。

 ジョー・バイデン氏はある日突然目を覚まして、過去30年間の自分が間違っていたことに気づいたわけではない。

 私は彼の上院議員時代から、オバマ大統領のホワイトハウス時代、そしてトランプ大統領就任後に起きた、民主党の再編成に至るまでを取材してきた。その間、バイデン氏は変革を求める声を上げたり、単独での野心を抱くことは、ほとんどなかったように記憶している。

 しかし、大統領就任後の彼から、それを窺い知ることはできないであろう。これらを全て説明できるとする標準的な見解は、コロナウイルスの出現である。国家危急の折、バイデンは敢然と立ち上がったのだ、というわけだ。しかし、私はそうは思わない。それは『アメリカン・レスキュー・プラン』の説明にはなるかもしれないが、『アメリカン・ジョブズ・プラン』と、今後発表される『アメリカン・ファミリー・プラン』は、ウイルスでは到底説明出来ない。これらの計画をまとめて説明するならば、人類と地球の双方に災いをもたらす流行前の現状を、徹底的に告発するものである──そうした現状は多くの場合、バイデン氏が築き上げるのを助けてきたものであり、決して覆そうと熱望してきたものではない。

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