南日本新聞コラム南点第2回「新聞勤労少年時代」
高校生の頃、一時期新聞配達をしていた。女手ひとつの貧しい家計を助けるため、という殊勝な思いからではなく、友達に誘われたからだった。誘われたというより、面接について来てほしいと言われ、ついて行ったら店主に君もどうかと勧誘された、というのが正確なところだった。友達はその頃流行っていた、某有名家電メーカーのテレビを欲しがっていた。テレビとビデオが合体したそれは、単に機能性というより、合体、というコンセプトが、幼い頃から合体ロボの出てくる特撮やアニメを観て育った少年の心をくすぐった