若さと勢いだけで引っ越した沖縄
物心つく前から、
おじいちゃんの出身地である沖縄にはよく旅行に来ていた。
ちゅらさんで沖縄ブームだった頃、
友達とも沖縄旅行をしていた時にふと
「あ、私ここに住むんだ」と思った。
それまで1度も田舎から出て住んだことがないのに、
なぜか沖縄だけは何の迷いもなく部屋も仕事も見つけて
「仕事が見つかったら沖縄に引っ越すね」
と事後報告で母へと告げた。
母からの返事は「あっそう。」だった。
母一人、子一人。
片親ではあったけど、貧しい思いはしたことがない。
むしろ、わがまま放題で育てられたと思う。
わがまま故なのか、
幼少期に離婚した親への不信感なのか
反抗期なのか、
ずっと母との関係はぎこちなかった。
やることなすこと否定をされているようで、ネガティブで、理論的で、
決してみかたではない、甘えることができない、心を許せない存在。
それが母だった。
母の父、おじいちゃんは沖縄の出身だった。
それなのに、なぜか沖縄が嫌いだった母。
私が初めて一人暮らしに選んだ先は、まるで当てつけかのような沖縄。
そんな母との暮らしから逃げ出したくて、
田舎のつながりがうっとおしくて
友達が一人もいない沖縄へ
24歳の私は若さと勢いだけで移住した。