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薬に頼りたくなかった私が、ステロイドで感じた変化

「ステロイドを飲む」。

この決断は、正直したくなかったです。できるなら避けたかった。


薬に頼りたくない理由。それは過去の成功体験から

10代から30代前半まで、私はずっと頭痛に悩まされてきました。毎日のように頭が痛くなり、職場のトイレで嘔吐する日々。週に5日は必ず頭痛薬を飲んでいたと記憶しています。いや、毎日飲んでいた週も全然ありました。飲んで効いて、また痛みがぶり返す。そんな日々の繰り返し。終わりの見えない迷路に迷い込んだようでした。

そうこうしていると、薬が効きにくくなってきて、しまいにはアナフィラキシーまで出るように。頭痛薬を飲むと唇が腫れ、呼吸が苦しくなる。薬が、私にとって「助け」から「脅威」へと変わった瞬間です。

そこから、私は必死で薬以外の方法を探しました。ストレッチ、デスク環境を整える、食事の改善。地道に努力を重ねた結果、あのしつこい頭痛が嘘みたいに消えたんです。

「あれ?しばらく頭痛がない・・・!」

次に襲ってきたのは、慢性的な蕁麻疹。コロナ禍と言われるタイミングからの1年半、毎日蕁麻疹が出るようになりました。薬を飲んでも全く良くならず、医師からも「減薬はまだかな」と言われる日々。これいつまで飲み続けるの…?心が折れそうでした。
そこで以前の「頭痛を改善できた」ことを思い出し、薬に頼る以外の方法を模索しました。その時ちょうど抱えていたストレスのもとになる出来事から距離を取り、食事を見直し、仕事も無理ぜず有給を上手に活用したり。子どもたちにも疲れている時には「ママも疲れてるんだ」と素直に伝えるようにしたら、ここでもなんと2ヶ月で蕁麻疹が消えたのです。

これら成功体験が私に「体調不良は自分で治せるもの」という強い信念を植え付けました。


それでも、飲まざるを得なかった。ステロイド服用前の葛藤

SLE初期と診断されたとき、医師からステロイドの話が出た瞬間、胸がざわつきました。母も膠原病で「死ぬまで薬はやめられない」「私は免疫の病気だから、薬がないと生きていけないの」と言っていました。そんな母の姿をみて育ってきたので、一生薬に頼り続ける生活・通院が欠かせない人生は時間もお金もかかる大変なものというイメージが固まっていました。

そして副作用への恐れ。一度始めたら、もうやめられないんじゃないか。そんな不安が、ぐるぐると頭を巡りました。

でも、実際に自分のことになってみると、「この体調不良から逃れたい」「何もしなければ症状は悪化するかもしれない」「ここで薬を飲まずに後悔するようなことになったらどうしよう」そんな感情の方が勝り、「試すしかないよなー」と受け入れることにしました。


いやいや怖すぎ。わずか数時間で感じた効果

ステロイドを飲んでから、たった2〜3時間後。

鏡を見ると、あの顔に広がっていた真っ赤な蝶形紅斑が消えている!真っ赤に腫れた顔が、何事もなかったかのように元に戻っていたんですよ…。

さらに、体のだるさもふっと消えて、「あれ? 体が軽い!」と久しぶりに思えたあの瞬間。うれしさと、戸惑いと、ものすごい怖さがごちゃ混ぜになって、軽いパニック状態でした。


安定した体調と、心に芽生えた新たな不安

おかげさまで、その後も体調は安定。夜中から朝方にかけて、軽く手がむくむくらいで、あの辛さはもうありません。

たまに長時間のお出かけなどをすると、すぐに疲れてしまいますが、これは病気のせいなのか、前から体力弱弱人間だったからか、正直わからないところであります。

そして、常に付きまとう薬への不安。

「本当に大丈夫? こんなに薬が効くなんて、私の体の中はどうなってしまってるの?腸内環境、変わりまくってるんじゃないの!?」

体調が安定し助かっている一方で、薬に頼っている自分への戸惑いと恐れが、じわじわと心に広がっていくのを常に感じています。こういう性格もストレスのもとなんで、ちょっとこの考えは改めなきゃですね。


薬に対する考えは変わらない。それでも向き合う覚悟

ステロイドに対する考え方は変わっていません。

でも、これまでの頭痛薬やアレルギー薬とは全然違うとは思ってます。ステロイドは、自分勝手にやめていい薬じゃない。だからこそ、医師としっかり相談しながら、少しずつでも減薬を目指していきたい。

自分の病気を医師や薬に丸投げするつもりもありません。自分の力でできることを、全力でやってみたい。そんな思いで病気と向き合ってます。


ステロイドの効果を感じた今、思うこと

薬は怖い。でも、驚くほど効く。医学の力ってすごいもんです。
体が楽になると、心も少しずつ回復していくものですね。

今は、ただ自分の体と向き合いながら、できることを続けていくしかないので、薬に頼ることへの不安は消えないけれど、それでも前に進むしかない。焦らず、少しずつ。そんな日々です。


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